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アセを回収して学校へ行くと、阿立姉弟が話し合っていた。
「今度やったら、腐女子達に俊典の持ってるやつオークションかけるからね!」
「それだけは勘弁してください」
何を売る気だ? とのちゃんは土下座フォームに移行している。最近、土下座見るの多いな。
「静樹おはよう。昨日は弟が世話になったわね」
「おはよう。友達だからな」
「女装して帰ってきたのは驚いたけど……」
とのちゃん捕まったのか!
「驚いて、写真取りまくったわ」
「やめてあげなさい! トラウマなるら!」
「見せて、見せて」
教室に入ってきた比八田蝶々が僕らを見つけてやって来た。とのちゃんの女装に興味津々のようだ。
「これは……」
悔しそうな顔をして、スマホをこちらに見せてくる。そこには女装したとのちゃんが恥ずかしそうに写っている。うん、可愛い。
「う~ん、一枚500円で売れるか? 100枚買ったらとのちゃんの使用済みシャツでも付けるってして」
ぼつりと呟いた金儲けの話に反応して……なんだ? 背後から危ない熱気が……。何人かの女子がハアハア言いながらお札握りしめてるんですけど……。
「出ましたね腐女子ども! 炸裂ゴーレム、突撃!」
「「きゃぁぁぁーー! とのちゃんに襲われる~!」」
体長30㎝のゴーレムがとのちゃんのもとより大群で放たれる。腐女子達はそれを見て逃げ出した。なんか楽しそうですね……あ、爆発音が聞こえる。
「腐女子は何処にでも涌いてくる……」
「……うん、そうだね」
黒いオーラを纏っているとのちゃん。怖いわ~! よく社長達は捕まえて女装させたな。
「一枚、500円……いえ、1000円でも……そうすれば使用済みのもグレードアップ……」
「まだいたんですか!」
「ちっ!」
兎瑠夢と交渉している腐女子が気づかれた事に気づき、消えるように逃げた。斥候寄りの訓練してるやつの動きだな。
「あの子、魔法よりのはずだけど……」
マジっすか? 魔法で身体強化するのはあるけど……腐女子ってスペック高けえ~!
「ふっ、女は男で変わるのよ」
兎瑠夢さん、どや顔です。合ってるちゃ合ってるけど! BLで腐るのはどうかと……。
「俊典ちゃん、今度やったら今の提案を本当にやるからね」
「絶対にしません!」
ほんとに何をしたのか……兎瑠夢さんこっち見ないで。無関係ですよ僕。
「私だってやれば……」
一人、暗黒面に落ちている蝶々さん。あれには敵わないから止めときなさい。
この後、とのちゃん目当ての腐女子が増えた。とのちゃん強く生きてくれ! 彼女でも作れば収まるだろ。