28
読んでくださる方に感謝を❗
「矢羽田……お前ってそう言う趣味だったのか?」
「は?」
朝から学校への道でばったり会った同級生に突然言われた。指差すのは手を引いている少女だ。今は着物ではなくワンピースを着ている色は桜色だ。
「ようこそ、ロリコンの世界へ」
「何良い笑顔で言ってんだよ」
丸坊主の同級生、富野丸三四郎を冷めた目で見る。この男、元高校野球常連校に推薦入学が決まっていたのだが、探索者としての資質を買われてこの学校にやって来た。本人は野球にも未練たらたらで時々キャッチボールに付き合わされる。その手に持たれているのは投擲具ボンバーマンである。
「おい、こんな所でそんなの投げるなよ」
「大丈夫、大丈夫。信管抜いてるし、この重さに慣れてないと投げづらいからな」
そう言って野球ボール大の鉄球を上に投げてお手玉する。これは対象に衝突すると内部の信管が反応して風と火の複合した衝撃波を周りに撒き散らす。効果範囲が狭いのでそこまで酷いことのなったことは……。
「そのせいで私が前に吹っ飛ばされたんだけど?」
そこに背後から声がかけられる。振り返ると手足の長い少女がいた。手提げ鞄の中からレイピアの柄が2本覗いている。彼女は比八田蝶々(ちょうちょ)もう少し成長すればモデルのスカウトでも来そうな子だ。
「それで、その子は誰?」
その手にはスマホが握られている。通報する気満々だ。
「同級生を信じたいから正直に言って」
「信じてねえだろ!」
「止めろ。こいつはそう言う趣味なんだ!」
「富野丸! お前と違うからな!」
「うるさいですね。朝から何を騒いでいるんですか」
僕達の言い合いに冷たく声をかける少年がいた。冷めた目をしているがいつもの事だ。
「おはよう。とのちゃん」
「とのちゃん言わないでください」
どこからどう見ても小学校低学年に見えるが立派な同級生だ。人見知りで僕の後ろに隠れていた少女が側によって背を比べている。それを見て嫌そうな顔をしている。
「矢羽田、この失礼な子は?」
「まあ、待て。説明するからコントローラー出すな」
鞄から赤いコントローラーを出して構える。P4のコントローラーに似ているがボタンの数が違う。握る指の圧力によってもボタンの代わりになる使用で、作った本人以外は使うことができない。
「ヴァルハラナイト起動!」
足元からゴーレムがせりあがってくる。だが、ただの石人形ではない。シンプルながら甲冑を着た人と見間違うほどに滑らかに動くゴーレムだ。
「敏典、止め!」
「あたっ……姉ちゃん痛い」
止めたのは背後に立って頭を叩いたリュックを担いだ眼鏡の少女だ。姉ちゃんと呼ばれた通り双子の姉弟だ。
「阿立、おはよう」
「ん。弟がバカした。……すまん」
阿立兎瑠夢。腕輪型の魔術補助具を使う魔法使い。その弟で阿立敏典錬金術でゴーレムを生成する。
これで僕が学校で入っているパーティーの全員が揃った訳だが……。
「……説明」
とのちゃんの側にいた少女の頭を撫でながら兎瑠夢が代表して言った。
……わかりましたよ。




