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トカゲが持っていった刀が出てこない。ついでにトカゲも!
「ララン、どうなってるんだ?」
『装備としてそのまま持ってちゃったよ。そのまま気絶してるし』
トカゲが目を覚まさないと刀が出せないと? ゴリラが待ってるのに?
「他に武器は……」
『この間持ってきた抜けない刀があるわ』
只で貰ってきた抜けないヤツな。鞘でぶん殴ればいいか。出して貰った刀はあの時は気付かなかったが少し重い。振り回すときに注意が必要だ。
「キーキ」
ゴリラがこっちが鞘付刀を持ったのを見て構える。投げる気満々だ。さっき上手くいったからって……。
「キキッ!」
棍棒は僕の頭上を越えて繁みの中に消えていった。ゴリラは棍棒の飛んでいった方を呆然と見ている。そこはタコ殴りにしますよ。地味に堅かったけどな!
その後はトンファー、メイスの流れでゴリラを倒した。だから、何でお前らも投げるんだよ! 最初のゴリラちゃんと見てたよな! それにしてもこの刀は本当にガッチガチに血で固まってんのな。ゴリラいくらぶん殴ってもがたも来ない。
「ウホ……」
オラウータンがのそりと起き出した。座って観戦していたようだ。槍持ちだ。……もう投げないよな? なっ!
「ウホッ」
まともに突いてきた! なんか涙が出そう。
「ウホホッ」
引き戻した所からの3連突き。後方に飛んで避ける。今の一連の動作をオラウータンは片手で行っている。太く長い手が頭上で槍を振り回す。ここから飛び込んで2、3歩分……遠い。
オラウータンの周りを回るように移動する。槍を持っている腕が動きにくい方にだ。それでも持ち変えたりせずに体の向きだけで対処しようとする。
そこで更に後ろに下がる動きを入れる。広場の端へ端へと下がっていく。背後の木に当たる。
「ウホッ」
顔に向かって突きだされる槍を首を傾げるようにして避ける。背後の木に突き刺さる音が耳元で響いた。その音を合図に駆け出す。狙うはオラウータンの喉元。腰だめにした鞘付刀を突き出す!
オラウータンの喉元に当たった瞬間、僕は吹き飛ばされた。地面に転がった勢いを殺さないように自分から更に転がり距離を取る。
「ウホ、ウホ」
オラウータンが罠に引っ掛かったバカを見るように笑っている。槍を持っていない手を目立つように振り回す。あれに殴られたのか? 槍は囮? いや、あくまでも槍がメインだろう。そうでなければ、吹き飛ばすのでなく捕まえるなり何だりするだろう。
思考している間、オラウータンは近寄って来ない。喉を気にしている。少しはダメージを与えたか? 同じようにしても対策を取られるのではないか? 槍の間合いと刀の間合いを0にする方法は?
「ウヴォォォ!」
攻撃を受けたことで気が立ったオラウータンが吠えた。




