トラジェディ村
初めての村です、今回でこの世界の説明いれてみましたー
ドルシアに連れられて行った先には小さな村があった。
「ここが僕の住む村[トラジェディ村]です」
「ここが、ドルシアの住む村か」
「すいませんがちょっとここで待っててもらっていいですか?」
「りょーかい、待ってるよ」
それからドルシアは小走りで村に向かって走っていった。
村は大きくなく小さく、しかしのどかな雰囲気の村だった。
家は木でできていて、村の近くに湖があって、村の周りには農家や牧場などが広がっていた。
そして俺はある事に気づいた、まず農家の畑には俺が見たことのあるトマトやキュウリなどの野菜が実っていたのと、牧場にも牛や山羊、羊などと俺のいた世界と一緒の動物がいたのだった。
「すいません、アベルさんお待たせしました」
そこで話を通しに行っていたドルシアが帰ってきた。
「あぁ、おかえりドルシアどうだった?」
「村長が一度あってみたいと言ってます!」
「分かった、案内してもらってもいいかな?」
「はい!ついてきてください」
そして俺はドルシアについていって、トラジェディ村に入って村長のいる家に向かったのだった。
「ここが村長の家です、村長ー、アベルさんをお連れしましたー」
「おぉ、あなたがアベルさんですか、ろくなおもてなしもできませんが、上がってください」
「あ、どうもお邪魔します」
「いらっしゃいませですじゃ、お茶をいれてきますので座って待っておってください」
「ありがとうございます、手伝いましょうか?」
「いえいえ、お客人を働かすわけにはいきませんじゃ、どうぞゆっくりしててください」
「ありがとうございます、ではお言葉に甘えさしていただきます」
そして俺達は村長がお茶をいれるのを待ってから話にはいったのだった。
「よくいらっしゃいましたですじゃ、わしがこの村で村長をしている[テナール]ですじゃ」
「どうも、自分はオーガのアベルと申します」
「今回はドルシアを助けていただき、ありがとうございますですじゃ」
「いえ、助けるつもりが俺も助けられてしまったもので」
「まあ、助けていただいたことには変わりませんじゃ、それで今回お越しいただいたのは、あの森で何をしていたのか伺おうと思いまして、基本オーガは山脈の方で集落をつくって集団で生活するものなので気になった次第ですじゃ」
「そうなんですか、自分はあの森で数時間前に生まれたばかりで、世界のことも分からないのでさまっていたんですよ」
「なんと!あの森で生まれたと、ですがそれにしては知能が高すぎるし、名前も持っていらっしゃいますよね?」
「えっと、自分前世の記憶をもって生まれた転生者ってやつらしいです、名前は魔王のヴィクトル=テナルディエという人(?)に頂きました」
「な、なんと!あの傲慢を司る魔王のヴィクトル様に名前を!それはすごいですじゃ」
「は、はぁそうなんですね?あのそれで自分生まれたばかりで、この世界のことを全く知らないんで教えていただけると嬉しいです」
「なるほど、では少し説明させていただきますじゃ」
それで俺は村長のテナールさんの話を聞いて簡単に纏めるとこうだ。
この世界は五大魔王と三大天使+勇者で世界は戦い続けていて、いまのところ拮抗しているらしい。
人間は大天使を崇める国家が三つあり、そこが大都市として有名らしい、他に勇者を信仰する国はすべてのものを平等にをコンセプトにしているらしく、亞人や魔物も厳重な検査があるものの受け入れているらしい。
世界には様々な魔物が溢れていて知能が高いものもいるが無差別に生物を襲うものもいるらしく、人間の冒険者と呼ばれるものが集まって出来た、ギルドと呼ばれるものが街や国などに配置されており、そこで民間の安全や傭兵など様々なことをして生活しているようだ。
冒険者のギルドが定めたランク分けというものがあり、一番下が5級で最高ランクが1級と分けられており、魔物のランク適正などを見ながらクエストを受けるようだ。
この村は森の向こうにあるガブリエルを崇める大国家"ジブリール"の近くに位置するらしい。
なお、大国家ジブリールにいくと問答無用で魔物は駆逐されるらしい。情報が欲しいなら北西にある勇者の国のアウリエルへ向かうのがいいらしい、それと途中で街に寄って身分証明の為に冒険者になってギルドカードを取得するといいらしい。
「と、まあこんなもんかのぅ、それで一つアベルさんにお願いがあるんじゃが」
「お願い?それはなんですか?」
「えぇ、実は最近ゴブリン達がこの周辺でよく目撃されますのじゃ」
「それが何か問題でも?討伐の依頼とかですか?」
「討伐していただけるならそれは嬉しいのですが、ゴブリンは元々森から少しずれた洞窟に住んでおりまして、それが普通はこんなところまで来ないのですじゃ、それで冒険者が見かけたゴブリンの様子が尋常じゃなくおかしいらしいのですじゃ」
「それの原因の調査とかですかね?」
「はい、この村には戦闘に向いた住人がいないものでそれに見あった報酬は出させていただきます、この村に滞在中も食と住は支援させていただきますじゃ」
「もしかして、ドルシアが森にいたのってそれの調査ですか?」
「嫌、ドルシアにはまだ無理なクエストなのですが、先走って行ってしまったのですじゃ」
「ドルシア、何でそんな無茶を?」
「うぐっ…、僕には妹がいて都会の方の街に勉強に出してるんです、両親も小さいときに亡くしてしまってて僕が働いてるんですが、妹には学校にいってもらいたかったんですがお金がなく学校にいく最低限のものしか揃えられず、しっかりしたものを買ってあげたくて、今回のクエストは調査だけだったから僕でもできると思って…」
「なるほど、妹のためか。村長さん俺はそのクエスト受けたいと思います、お金がないと次の街にも行けませんし、この村で生活を支援していただけるなら願ってもないです」
「おぉ、それじゃあ」
「でも、そのクエスト、ドルシアと一緒にやらせていただきたい」
「え?僕も連れていってくれるの?」
「それはキケンじゃないかと思うのですが、名前持ちのオーガといえど生まれたばかりじゃ周りを守るのは難しいと思うのですじゃ」
「守るんじゃないですよ、一緒に戦うんです」
「ぼ、僕が戦う!?」
「あぁ、ドルシアの弓の腕はそれなりのものだろ?それに俺が前衛で戦うし、目的は調査だ、勿論報酬は山分けだ」
「アベルさん、僕のために…村長、僕も調査にいきたいです!」
「そうですか、じゃあ最低限の装備と武器の扱いが少しできるものに軽く指南を頼んでおきますじゃ」
「ありがとうございます」
こうして俺は初めてのクエストに挑むのだった。
次回からクエストに向けての準備開始ですね、村人とのふれあいなどボッチのコミュ症にうまくできるのだろうか!お楽しみにヾ(。・ω・)ノ