空よりも低くいるあなたへ
世界はなんのためにあると思う?
人のため?
神様のため?
生物のため?
まぁなんでもいいや。
君がどう思っても
君がどう行動しても
僕には関係のないことだからね。
あ、いや、関係はあるけども
それは果たして
僕の足元まで届くのかな、ってことだ。
あああああ、ごめんごめん。
皮肉じゃないよ、これは事実。
君もわかっているんだろ??
君は・・・・・・じゃないね。
「君の前世」は今から15年前に一度、
ここ、天国に来ているね。
普通の人間がここに来てしまったら、
もう人間の住む地球へは戻れないし
生まれ変わるために
そちらに行ったとしても
前世の記憶は消されている。
それは今まで守られてきたことだ。
それなのになんでかな。
君は、
前世の記憶を持っているね?
おかしいことなんだよ、それは。
わかってるだろ?
僕としては君の記憶を消さなきゃならない。
そうしないと
君の魂は天国へは来れない。
一番危ないのは
君が僕の姿を見て、
僕に恋をしたことだよ。
僕に恋をしたまま
地球に戻るなんて
君たちの言葉で言えば
言語道断、前代未聞の事件だよ。
いますぐ君を排除、もしくは
記憶を書き換えなくちゃいけない。
一番楽なのは排除だ。
でも
僕のミスで君の人生を壊すなんてしたくない。
だけど・・・・・
君の記憶を消しちゃうなんていうのも
悲しいよね。
愛されるのは嬉しいことだよ。
身分を超えてね。
だから僕が消すのは
躊躇してしまうよ。
僕たち「神」は
人間みたいに形がないから
人間の姿でも芋虫でも
何にでもなれる。
だから君が僕のどこを見て
好きになったのかとか
気になるけどね。
だから僕は
人間になろうと思う。
神の掟 第十五条
生物が前世の記憶を持ちながら
地球に戻ることを禁じる。
生物が生まれ変わるときには
必ず神が記憶を消すこと。
もし誤って消し忘れ、
地球に送り出してしまったら
その生物を排除、または
その生物の記憶を書き換えること。
それが出来ないならば
消し忘れた神が罰として
人間となり、地球へと戻ってもらう。
・・・・ね?
そういうことなんだよ。
だから僕の記憶がすべて無くなり
生まれ変わるまえに
君に伝えたくてこの手紙を
君に届けたんだ。
僕が生まれ変わったら
君の記憶も消されてしまう。
もちろんこの手紙も
排除されてしまうけれど、
伝えたかったんだ。
僕も君が好きだ。
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「うっ・・・・・
ありがとう、大好きっ・・・。」
少女は暗い部屋で
ただ、嬉しそうに泣いていた。
今年初めての小説がコレって・・・・。(笑)
短かったですが
最後までありがとうございました!!