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 深夜。

 僕は、厨房にもう一度椅子とテーブルを持ち込んでいた。

 しばらく顔を見ていないが、今日は彼女が来るような気がする。

 そんな曖昧な直感だけを信じて。

 そして、その直感は正しかった。


「……ごめん、来ちゃった」

「いらっしゃい」

 裏口の戸を開けると、彼女が立っていた。


 傍目から見ても、彼女は至って普通だった。

 いつも通り、天井を眺めながら僕の作る料理を待っている。

 言葉も……もともと無口なタイプだったし変化があるようにも思えない。

 少し違ったといえば、今日は食材を持ってこなかったという点だけだ。

(本当に彼女が殺したのか?)

 ローブ、女の子、生鮮市場の強盗、ルーシーという名前。

 単語だけ並べれば、嫌でもそう思ってしまう。

 しかし、そこにいるのは女の子。

 僕の料理を食べてくれる女の子。

 彼女が本当に殺人鬼だというのか。

 だとすれば、口止めに僕を殺しにきたのか?

 でも、僕はいつも通り料理を作っている。

 やっぱり自分でも分からなかった。


※明日の自動更新予定は、いつもと若干異なります。

13:00に一話、21:00に二話です。

よろしくお願いします。

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