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- 17

 翌朝。

 ドンドンという曇ったような音で目が覚めた。

「大変だ! 誰かいないか!」

 誰かが戸を叩いているようだ。

 瞼をこすりながら戸を開けると、そこには男性の常連客が立っていた。

「ああ、奴隷くんか! 大変だよ!」

「一体、どうしたんですか?」

「どうしたもこうしたも……おたくの店長が路地で死んでいるんだよ!」

「……ええっ!?」

 とんでもないニュースが耳に入ってきた。

 僕は客に引き連れられて路地へ行くと、既に店長の体には布が被せられ、

 城の衛兵たちが現場検証を行っていたところだった。

 

 その後、僕は衛兵によって詰め所へと連行された。

 名目は事情聴取とのことだったが、内心かなり怖かった。

 衛兵は、犯人の目星を僕につけているのではないかと思っていたからだ。

 雇い主から継続的にいじめを受けた奴隷が、雇い主を殺害。

 この国じゃ別に珍しいことじゃない。

 それで捕まった奴隷はどうなるか。

 死刑、それだけだからだ。


 しかし、実際には僕の首が飛ぶことは無かった。

 店長に関することを幾つか聞かれただけで、昼頃には取り調べから開放された。

 後々知ったことだが、

 店長は違法ギャンブルの場として店を提供していた罪を摘発されるはずだったらしい。

 その手間が省けて良かった、というのが衛兵の本音なのだろう。

 それと、僕が犯人だと疑われなかった理由。

 それは、衛兵が既に犯人の目星をつけていることだった。

 

 衛兵から聞いた事件の内容を整理してみる。

 まず深夜、僕が寝た後、店長は路地にて何者かに殺害された。

 死因は、胸に鋭く砥がれた包丁を一刺し。

 一撃だったそうだ。

 しかし、夜とはいえ周辺は飲んだくれが町を徘徊している時間。

 その酔っ払いたちが犯行の一部始終を目撃したというのだ。

 犯人は、ローブに身を包んだ子供。

 それも女の子だったという。


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