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 とりあえず、彼女に料理を振舞おうと厨房に立ってみたものの、

(一体、何を作ればいいんだろう)

 山のような食材を目の前にして、僕は尻すぼみしていた。

 そもそも、限られた材料を何とかして食べられる物にするのが僕の料理であって、

 いざ目の前に食材を積まれると何から手を付けていいか分からないのが本音だった。

 その様子を見かねたのか、

「昨日のパンケーキでいい」

 と彼女が言ってくれたので、結局、昨日と同じジャガイモのパンケーキを作ることにした。

 材料は、彼女が持ってきたものを使用するが、手順は一切変わらない。

 しかし、いざ作ってみるとそれが別物であるということに気づかされる。

「美味しい!」

「……でしょ」

 ちなみに『美味しい』と、思わず言葉を漏らしたのは僕の方だったりする。

 しかし、一口食べれば、昨日作ったパンケーキとはまるで違うことがすぐに分かる。

 食感も味も香りも、全てが鮮烈。

 これに比べると、昨日のパンケーキは、まるで曇りガラスのようにボヤけた味だった。

「……今日のは、まあまあ」

 と、彼女もそれなりに納得してくれたようで、彼女の皿は今度こそ綺麗に片付いた。

 僕は、不思議と嬉しかった。


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