怪獣くんとお月さま
月ってなんかホットケーキみたいだなぁ
って思ったことがきっかけです。
むかーしむかし、ある所に怪獣さんがいました
「がおーっぐわーっがしゃーんっ」
とっても凶暴でとっても短気な怪獣さんはみんなに
とっても怖がられていて怪獣さん自体もそんな自分を
とっても強いと思っていました
あるところにまん丸お月さまがいました。
お月さまは太陽君が沈んだあとの黒いお空を優しい光で照らし
狼男くんには
「お月さま、ありがとう。キミのお陰で僕は狼になれるよ」
と感謝され
吸血鬼さんからは
「お月さま、貴方がいなかったらわたしたちは光の存在を
知りませんでした」
と讃えられ
にゃんこさんたちからは
「にゃーっお月さまが出てきたらボクらの時間にゃーっ」
と喜ばれていました。
お月さまもそんなみんなが大好きなので毎日毎晩夜空を
優しい光で照らし続けました。
ある日、そんな姿を見た怪獣さんは
「てやんでーっなんでぇお月さまなんて。
いいこぶりやがって。
こうしてやるっ」
とおっきなハシゴを掛けてお空に登り
お月さまをもぐもぐ食べてしまいました!
とっても大きなお月さま。
さすがの怪獣くんも一日では食べることが出来ず、
15日間掛けてすっかりまん丸お月さまを平らげてしまいました。
「どーだ参ったか!」
怪獣くんは大得意でしたが
お月さまを頼りに慕っていたみんなは
真っ暗な夜空にとっても困ってしまいました。
「どうしよう。お月さまがいないと狼になれないよ」
とおろおろする狼男くん。
「ああ・・・また光のない日々に逆戻りか・・・」
とうなだれる吸血鬼さん。
「にゃーっっお月さまがいないと集会が盛り上がらないっ」
と騒ぎ出すにゃんこさんたち。
みんなみんなお月さまが戻ってくるのを待ちながら夜空を見上げました。
そんな気持ちに答えるようにお月さまは少しずつ少しずつふっくらしてきて
15日後にはまた、まんまるおっきなお月さまになりました。
「待っていてくれるヒトたちがいるんだもん。
何度でも大きくなるよ。」
完全にまん丸になったお月さまは怪獣くんににっこり言いました。
「なんだよきれい事いいやがって!
お前はいいよな。
みんなから頼りにされて大事にされているんだからな」
怪獣くんはたくさんお友達がいるお月さまが羨ましかったのです。
「怪獣くん。
それは違うよ。怪獣くんにもきっと居るはずだよ。
怪獣くんを大事に思っていてくれてそして怪獣くんも
大事なぁって思う存在だあるはずだよ」
怪獣くんは三つ大きな山を越えた先に済んでいる
お母さん怪獣を思い出しました。
(お母さん心配しているかなぁ?)
怪獣くんは懐かしいような嬉しいような泣きたくなるような
不思議な気持ちで心の中がいっぱいになりました。
涙が出てきそうになるのに全然、嫌な気持ちではありません。
「・・・ちくしょー。なんでぇ・・・
・・・悪かったな、食べちゃって」
最後の言葉は口こそ悪いけれど怪獣くんの素直な気持ちがちゃんと
現れていたのでお月さまはにっこりと笑いました。
怪獣くんはそれから少しずつよいコになり
みんなと仲良く仲良く遊びました。
そんなみんなをお月さまはいつもいつもにこにこ眺めていました。
ほわほわした気持ちになっていただけたら幸いです。
ジャンルをその他にしようか悩んだのですが
月を擬人化しているあたりアル意味ファンタジーかな?
とジャンルをファンタジーにしてみました。
感想お待ちしておりますm(__)m