永遠の幸せ~ルード・ルヴィウス・アリス~
「おめでとう。」
アレギレア王国の庭園。いつもの特等席に、いつものようにまた1人邪魔者がいる。
「ありがとう。」
「ほんと。ディアナ様が可愛そうったらないわ。」
ニコニコとおめでとうと言うルヴィウスにも少しイラつくけれど、
もっとイラつくのはこのニヤニヤした鬼畜だわ。
「くっくっくっ。なんとでも言うがいい。」
「ほんと、ムカつくわね。こう機嫌良く対応されると。まぁいいわ。それ、ちゃんと言葉にしてから渡しなさいよ。」
「愚問だな。そこまでアリスの心配は必要ないよ。」
少し前に渡した花束を持つ姿が異様に似合っていることもムカつく要因だ。
「心配もするわよ。アレギレアの貴重な“青い花”を持っていくからには、ちゃんとやって貰わないと困るのよ。」
ムーンダストと呼ばれる青いカーネーション。まぁ見た目は紫だけれども。
「俺様の隣に立てるのに幸せでないわけがないだろう?」
「最悪。」
この男の手助けをしてしまったと思うと気分は最悪だ。
「同属嫌悪。」
「何?!ルヴィウス。それはどういう意味?」
「非常に2人は似てると思うけど?」
「なっ。こんなバカと一緒にしないでよ。私なら耐えらんないわよ。相手が20歳になるまで手出せないなんて!」
「アリス。」
「だって、こいつ違う女に手出してるかと思ってたら、仕事仕事仕事…ありえないでしょう!!」
「アレギレアへの対応、少し考えさせてもらおうか?」
「アリス、ルード本気でキレそうだからそれくらいに。」
見るからに、コメカミがぴくぴくしている。
「ルヴィウス。これくらいの罵倒くらいでキレる俺様じゃない。ただ、不愉快極まりないけどな。」
「アリス、今回は謝っとけ。」
「ううーーー。わるかったわよ。」
「まぁいい。では、次は半年後、結婚式で待ってるぞ?」
「え?!半年もこないつもりなの?!」
「今までの埋め合わせに忙しい。悪いが、今後、そうそう国を離れる気はない。アルトをしっかり育てろよ。」
「変態。言われなくても。」
去り際に、後ろ向きのまま、花を上にあげて返事を返す姿も様になる。
「ムカつくけど、やたら良い男ではあるのよね。あのバカ。」
「ラトルワ帝国の次期皇帝を目の前で扱き下ろせるのはアリスぐらいだよ。」
「私たちの結婚式はいつ?」
「ルードたちが落ち着いたら。1年後くらいかな?」
アレギレア王国は今日も平和。
ラトルワ帝国、第一皇子、ルードヴィヒ(23)、第二皇子ルヴィウス(17)、アレギレア王国、第一王女アリス(17)