青い花~ディアナ・ルード~
何か、花の香りがする。
目を開けると、視界が紫・・・?
「久しぶり。」
「?!」
紫を手でどけると、ここ1ヵ月くらいは顔を見ていなかった男の顔が
月明かりの中にぼんやり浮かんだ。
まだ…夜なのに。
「なんで?」
単純な疑問。こんな時間に、まして、この男からディアナの部屋に訪れることなど、
ほとんど皆無だ。
「プレゼント。」
さきほどの花だろうモノをもう一度目の前に突き付けられる。
「え?なに?紫の…カーネーション?」
その一輪のおおぶりな花は、紫色をしているらしかった。
きれい。と思っていると近くに置かれたランプに火をつけ、
ランプに照らしてみせられた。
「知らないの?青いカーネーション。」
「青?どう見ても紫だけど…」
ランプの光であっても、とうてい青には見えない。
「青。ムーンダスト。」
「え…。なんで?いきなり。」
「今日は何の日?」
「今日…?」
一瞬考えるが浮かんでこない。ドサっ。
何を思ったのか、ルードがベットに上がってきた。
「え?」
手で握っていた花束ごと頭の上に手を持っていかれる。
なぜ、こんなことになっているのか、頭がついていかなかった。
「花言葉知ってる?」
耳元でささやかれると、さらに思考は停止するということを知っているのだろうか。
「永遠の幸福」
ラトルワ帝国、第一皇子、ルードヴィヒ(23)、婚約者ディアナ(20)