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実は国宝級の錬金術師だった私  作者: たま


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2話 辺境の街「エルドランド」

いつも読んでいただきありがとうございます。

他にも作品がありますので読んでもらえたら嬉しいです。

宜しくお願いします。

辺境の街「エルドランド」

移り住んだのは、魔物の脅威が絶えない辺境の街、エルドランド。

ここは実力主義の街だ。肩書きなんて意味をなさない。

母は街の外れに、小さな「アストラ錬金工房」を構えた。

「お金がないから、しばらくは野草でポーションを作るしかないわね」

母は申し訳なさそうに笑ったが、私とリュウは知っていた。

母が近所の森で積んできた「ただの雑草」が、母の手にかかると黄金色の輝きを放つことを。

ある日、街の門に騒ぎが起きた。

辺境最強と名高いSランク冒険者、カイルが、魔物の毒に侵されて担ぎ込まれたのだ。

教会の高位治癒魔法でも中和できない猛毒。

「……これ、使ってみてください」

母が差し出したのは、1本わずか10銅貨(パン一個分)で売っていた、透明な小瓶。

周囲の魔術師たちは「そんな安物のポーションで何ができる!」と罵ったが、藁にもすがる思いでカイルがそれを飲み干した瞬間――。

彼の全身から黒い霧が噴き出し、瞬時に傷口が塞がった。

「……おい、なんだこれは。体が、全盛期より軽いぞ!?」

カイルは驚愕して立ち上がった。

母は首をかしげる。

「あら、ただの『解毒薬(改)』ですよ? ちょっと不純物を取り除いただけですけれど……」

母の「ちょっと」は、この世界の常識を軽々と超えていた。

その日から、アストラ錬金工房の前には、国中の英雄たちが列をなすようになった。

「エレーナさん、この『錆びた剣を研ぐ油』を譲ってくれ! これを塗ったら、伝説の魔剣より切れるようになったんだ!」

「あの……それはただの潤滑油なのですが」

私たちは気づいた。

父が「女の趣味」と嘲笑っていた母の技術は、一国を支えるほどの「聖女級」の錬金術だったのだ。

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