四章 しゅうまつ
みなさん、はじまりました。
テレビで答えまSHOWです。
今日のゲストはAIロボット発明家 株式会社LOVE&PEACE代表取締役社長の相澤 椛さんです。
昨今のロボット革命は、相澤さんにとって、人生観と言いますか、どのようにお考えなのでしょうか。
美しく生きたいと思っています。かつて付き合っていた男性に愛想よくしている態度を、嬉しそうに見せていたのですが。純粋の自己犠牲とか完全に無報酬の、奉仕だなんて美しくもないしよろこびなんてましてやね、今の時代わきまえたらいけないでしょう。ましてや、煩瑣な堂々めぐりの男なんて。私は一生独りで幸福だわ。ウフフ。
にぎやかな笑い声に包まれた。
ええい、ええい。
やけくそになって、テレビの音がうるさい。
めちゃめちゃに、リモコンを投げとばして、コトンと音を立てた。
私は、勉の弟 一本松 楓。
最近、というか昔から兄貴は変人だ。
出世しないし、貧乏で嘘もつかないけれど、永遠の敗北者だ。だって、ロボットと結婚なんてあり得ないだろう。
いけない、いけない。
遅刻だ。
今、そそくさ森を通り抜け東京駅軒下の中華屋 憐で結婚相談所の紹介相手と面接を受ける。
今年で40だ、これで最後にしたい。
なぜ、この頃の自分が、いけないのか。こんなに不安なのだろう。
はじめまして。
えらいべっぴんがきた。はじめまして、町永 愛です。え、富村 愛そっくり。色が白くて、いやらしい。
そう、そう、なるほど、話が合うと心地いい。
相手の瞳にいる自分が、静かにみつめて指差した。
隣卓のホワイトエールが、しゅわしゅわと濁って、いまにも溢れそうになっていた。
引用
太宰治 女生徒




