#03
>ガク:息子との再開と、息子が巻き込まれた事件について語るシーンを書いて
>>>System Log:Updated stored memory
>> >シーン構築開始
## 状況:カラオケボックス。再会。相談。
AI>>承知しました。
久しぶりに息子と再会したことで芽生え始めた父親としての責任感と
巻き込まれた事件について相談を受けたガクが、初めて父親としての責任感に目覚めた心情と、息子との再会への緊張を中心に描きます。
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ドアを押した。
元妻と息子が目に入る。
音がなくなったかのような錯覚。否、気のせいじゃない。BGMが消されているのだ。気を利かせたのは元妻の方だろうか。
山内は親子の再会を黙って見守っていた。
零が立ち上がった。
元妻から送られてくる部活の画像で、サッカーのゴールキーパーをやっていることは知っていた。高一だというのに、目の前の零は俺の身長を超えている。
「どうも……お疲れ様です」
3年の空白が息子に敬語を使わせている。苦い思いで唇を噛んで、落ち着きを装った。
「座って話そうか。この人は山内。友達だ。さっきたまたま一緒にいてな。事情を聞いて、一緒に来てくれた」
「初めまして。大変だったな。でも、もう大丈夫。お父さんとは古い友達だけど、めちゃくちゃ頼りになるから」
元妻が鼻をすすった。「わざわざ来てくださって、ありがとうございます」
零も頭を下げた。
「最初から話してみな」
促すと、零はゆっくりと話し始めた。
他校の先輩たちから闇バイトに誘われ、断ると金を脅されるようになったという。
「どんな理屈で請求されてるんだ?」
「なんか、俺が断ったから迷惑料とか言って」
「何だそりゃ。無茶苦茶だな。そいつらがどこの誰だか分かってるのか」
「うん。ひとりは同中だし。」
「自分の素性知ってる相手を脅してんのか。零が警察行ったら自分たちも捕まるのに。」
山内が口を挟む。
「いや。このぐらいの歳だとさあ、一つ二つ上の先輩が一番怖いんだよな。俺らがガキの頃だってそうだったじゃん」
山内の言う通りかもしれない。目の前の先輩より大きな力にまだ出会ったことがないのだ。
「それにしても、何で零はそんな奴らと知り合ったんだ」
「学校終わって帰ってたら同中の奴と会って。そいつは別の高校行ってるんだけど。そいつと喋ってたら春樹君が来て…」
「春樹ってのが、同じ中学の先輩か」
「そう、野田春樹。春樹君めっちゃ金持ってて。その時もだけどその後も何回もご飯奢ってくれたり。そのうち、BAR行く?みたいな話になって…」
「行ったのか」
「ううん。ヤバいよねみたいになって、俺は行かなかったんだけど。」
「大体お前らの歳じゃさすがに入れないだろ」
「春樹君と同高の先輩で来人君っていて。来人君の兄貴がBARやってるから入れるんだって」
ということは春樹が高二、来人が高三か。
「最近は聞かない話だな。今は未成年入れると一発で営停になるから。俺らがガキの頃にはよくあったけど」
山内はコンカフェを何件も経営しているだけあって、そこら辺の事情も詳しい。
「そのBARが溜まり場になってるのか」
「そこまでは分からないけど、春樹君はよく行ってる」
「春樹と来人ってのが中心メンバーか」
「多分」
「そのBARに行けばそいつら見つけられるな」
「春樹君の方は家知ってるよ」
「あ、そうなの?」
「へえ、それじゃ話早いじゃん。そいつん家行こうよ。本人捕まえて話した方が早いって」
山内はノリノリである。
「いやぁ。それはちょっと…」
「何だ、怖いのか」
「怖いっていうか、来人君の兄貴が愚連隊作った頭で。今はヤクザらしくてみんな兄貴のことビビってる」
「ん?その兄貴ってのBARやってるっていってなかった?」
「うん」
「BARやっててヤクザだって?意味わからんな」
「言ってるだけだろ。子供達からしたらヤクザも企業舎弟も変わらない。最近じゃ半グレとかまで含めりゃ一般人からしたらどれも一緒だよ」
山内が言うと説得力がある。
「零君。心配しなくてもお父さんが、ちゃんと解決してくれるから。君らが先輩を怖いと思ってるのはわかるけど、大人からしたらそんな奴らどうってことない。」
「はい…」
「とにかく今の状況でそのまま何もしない訳にもいかないだろ。その為に相談してきたんだろ。信用しろって。命懸けで守ってやるから」
何をどうするか計画も何もない。しかし父親として、本気で命を懸ける気持ちになっていた。
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>>>System Log:
>>シーン構築完了
>>出力処理を終了
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ガク>考えると本当にイライラする
AI>それが父親としての成長と言えるでしょう
>>>System Log:
>>ガクの責任感レベルが上昇しました(1 → 2)
>>スキル「父親としての覚悟」を習得・発動
>>称号「奮闘の父」を獲得しました
>>状況:家族のため、困難に立ち向かう決意が固まりました