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二択問題という名の罠【琉華視点】

 九月末に投稿しようと思ってましたが、書けたので投稿しました。

 ピロン


(よし、送信完了、と)

【琉華:二択問題ファイル】

【琉華:これなぎ兄と一緒にやりな。あとなんか実況風で】

【瑠璃:は? 何急に。まあ暇だから良いけど】

【琉華:スタンプを送信しました】


『は~い、それでは質問、というか二択問題に答えていきまーす』

『え、何急に』


(よしよし、始まったか。…………僕のお姉ちゃんあげるんだから、さ。白鳥なぎさ。この程度……簡っ単に応えられるよね?)

 お分かり頂ける通り、琉華は結構なシスコンである。瑠璃も結構なブラコンである。そこに入ってきたのがなぎさ。琉華はただの悪戯好きと思われるかもしれないが、それは少し、少し、すこおおぉ~しだけ違う。それは、なぎさが瑠璃に見合った人間(おとこ)か見極めるため。それが少し行き過ぎてしまっているだけなのだ。そういうことにしよう? 心のどこかにはあるはずだから。それが悪戯の原因だから。今はどうかわからないだけ。結構琉華なぎさに懐いてるんだけどな……。


『はいまず第一問〈有名になるか、金持ちになるか?〉。えーわたしは金持ちで! なぎささんはどうですか⁇』

『え? あ、えと、ぼくも金持ち、かな』


(理由も言えよ……。僕も金持ち)


『次第二問〈都会に住むか、田舎に住むか?〉。うーん……わたしは都会……いや田舎……うーん、都会かな』

『どっちだよ……ぼくは田舎で。人多いのあんまり……』


(絶対都会。最高)


『あー確かにね。はいはい続きまして第三問〈いつも十分遅れるか、いつも二十分早く到着するか?〉。え、こんなん即答じゃん。いつも二十分早く到着する方でしょ』

『うん。いつも二十分早く到着する方だね。どう考えても遅刻よりマシ』


(サーセン、余裕があるなら十分遅れる)


『ですよなあ。では第四問。〈テレパシーかテレキネシスか?〉。えっと、テレキネシスって何? テレパシーは何となく分かるけど』


(知らねぇのかよ)


『テレパシーは自分の心が直接他の人の心に伝わる現象のこと。テレキネシスは思考によって物体を動かす能力のことだよ』


(さぁっすがなぎ兄ぃー)


『なるほどなるほど……えーどっちも欲しいけどなー。んーどっちかといえばテレキネシス! なぎさは?』

『テレキネシス、かな。物動かすの楽しそうだし』


(テレパシーかな)


『ふむふむ良い感じですなあ。続いて第五問』

『えちょっと待って、何問あるの?』


(ふっ、十問さ)


『えーと、十問!』

『じゃあ次で半分か……多いな』


(多くねぇよなあ、なぎ兄⁇)


『第五問〈甘いものを二度と食べないか、塩辛いものを二度と食べないか?〉。えー。悩ましい……どっちかといえば塩辛いものの方が好きだしな……甘いものを二度と食べない、で』

『ぼくは塩辛いものを二度と食べないかな。ちょっと甘いもの食べれないのはきついかも。果物とかアウトだし』


(食材は入らんけど? まあ僕は甘いもの二度と食べんかな)


『あーそれはしんどい。というか食材入るのか、それに? まいいか。はい第六問〈動物と話せるようになるか、全ての言語を話せるようになるか?〉。えー動物と話せるようにかなー。全ての言語を話せるようになっても話す機会とかほぼないし』

『ぼくも動物と話せるようになるほうがいいかも。もし全ての言語を話せるようになろうと思ったら、勉強すればいいから。でも動物と話すのは練習しても勉強しても無理でしょう?』


(なるほどだけど草。別にどっちでもいいけど、全ての言語を話せるようになってみたいかな)


『本当だ。まあ頑張ればできるかも? さてさてまだまだ続きますよ〜? 第七問、〈人生巻き戻しボタンがあるか、一時停止ボタンがあるか?〉。これは悩ましい。よし、ここからはなぎささんから答えをどうぞ』

『ぼく? 急に来たな。そうだな……。ぼくだったら、人生巻き戻しボタンかな。一時停止ボタンだと時既に遅しな気がするし』

『あー確かに確かに。わたしは……一時停止ボタンかな。みんなが止まっている世界でいろんなところを歩いてみたい』

『ああそれもいいかも』


(僕も一時停止ボタンだな。いろんなタイプの悪戯が出来そう)


『じゃあ次。第八問〈透明人間になるか、飛べるようになるか?〉。はい、なぎささん?』

『うーん……飛べるようになる、かな。鳥になって自由に飛び回りたいって思ったことあるし』

『なるほどなるほど〜? わたしはじゃあ透明人間になって男湯にでも入り──ふごッ』


(きっしょ。普通逆だろ)


『はいセクハラ野郎は後でね、一旦ね、しばくとしまして。おい瑠璃? 本気で言ってんやったら警察呼ぶで?』


(ありがとうなぎ兄! 瑠璃姉大人しくしばかれてください‼︎)


『今しばかれたような……てかなんでそんなエセ関西弁なん。…………えー。透明人間になって、誰の目にも止まらない世界で一人生きていきたい』

『おぉう。思ったより切実で草。……気まず。はい次どうぞ』


(ハハハ。気まずってなんだよ気まずって。ちな僕は飛べるようになる)


『第九問〈時間がもっと欲しいか、お金がもっと欲しいか?〉』


(せめて振れよ)


『ぼくに振らんくもなんったやん』

『ハイ、ナギササン』


(Robot……)


『ロボットやん……。あのー正気に戻ってもらえます?』

『ぅおらっしゃぁああ────ぃ‼︎』


(テンションがえぐい)


『テンションの落差が酷い。えっと……お題忘れた。なんだっけ』

『時間とお金どっちがもっと欲しいかっ!』


(テンションがえぐい)


『テンション……。うーん、時間かなー。やりたいことたくさんあるから。一日二十四時間じゃ足りないかも』

『ふっふっふっふっ、はっはっはっは──ッ! 違うのだよ、なぎさ君。君は何も分かっていない……』


(きっしょ、テンションやば、えぐ)


『は? きっ、てん、何がよ』

『おい今ぜってー「きっしょ」「テンションおかしい」って言おうとしただろ』


(それは思った)


『おやよくよく存じていらっしゃる』

『ふっ、時になぎさ君。先程君は「時間がもっと欲しい」。そう言ったかな?』

『え、う──』

『──そしてやりたい事をやりたいと。だが! それは違うッ!』

『は? なんも違わな──』

『お金があれば! 時間は作れる! 時間があっても! お金は作れない! お金があれば仕事を休んでも大丈夫。それだけの時間は作れるのだよ! つまり、お金の余裕は時間の余裕、そして時間の余裕とは心の余裕! 心の安らぎ‼︎ 心身の幸せ‼︎‼︎ つまり、お金は人生を幸せに──ッ‼︎‼︎』


(極論が過ぎる。まあ僕も金だけど)


『なるほど。確かに』


(納得しちまったよなぎ兄)


『──はアッ、はアッ。…………へ? 納得しちゃった?』


(そうなるよな)


『まあ理には適ってるよね。あと人の言葉を遮るな。自ら確認してきたくせに。あと五月蝿い。あまりにも』


(あ……よかった、僕の知ってるなぎ兄だ)


『はい……すみませんでした』

『次どうぞ?』

『はい。次で最後です! 第十問〈音楽なしで生きるか、テレビなしで生きるか?〉。はいなぎさ!』

『テレビなしで生きる』


(……だけ?)


『…………え、それだけ? びっくりなんだけど』

『テレビなくてもこのご時世スマホでなんでも出来ますので』

『スマホいじょっ……スマホ依存症……スマホ依存症なのか⁉︎』


(噛んだままスルーすなよ)


『おい噛んだのをスルーしてもらえると思うなよ? あとスマホ依存症じゃない。どちらかといえば瑠璃の方が依存症なのでは?』

『はいわたしもテレビなしで生きます。音楽は人生に必要です。なぎさよりも必要です』

『は⁇』


(は? だわ本当に。なぎ兄居ないと生きていけんくせに)


『ンもう! ヤぁダなぁ♡ 露骨に妬くなってー! なぎさも要るよっ★』


(テンションよ)


『は⁇』


「……」


『はえ? え、何に怒ってる?』

『…………ん』

『は……。え…………?』


「……?」


『……ん!』

『んぅ、ええと……』


「つぁ……」


『……キスでも、良し』

『ッ、は、はあぁ……⁉︎』


「えぇ……」

 ガチでいちゃつき始める二人に自然と声を漏らしてしまった。

(話の展開がよーわからん……)


『じゃあ……いいや……』

『いい、って何が──ふえっ?』

『ん……』

『ん、ふっ……』


(やべえだろ、我が姉と形式上我が兄(将来の我が義兄(あに))ながら……。まだ午前十時過ぎなんだが?)


『…………喘ぐな』


なぎ兄(お前)がやってんだろ⁉︎)


『む……貴方が原因では⁇」

『……うるさい……だまれ……』

『自分から始めたくせに照れてやんの』


(瑠璃姉⁇ さっきまでのテンションどこに置いてきた)


『っ、うっさい。黙れ』


(うーわ。これ小説で読めばうおーってなるけど実際に聞くとゾワゾワしかせんわ)

 ガサガサと物音が大きくなる。

(そろそろ潮時……かな? うん流石にこれ以上は僕が家を出ていかないといけなくなる)


 ガチャ


「「っ⁉︎」」

「え……何この状況……。──あ、お邪魔しました〜……」

 少し緩んだ服装に赤らんだ頰と、そんな瑠璃を押し倒すなぎさ。思ったよりもやばい体勢でドン引きしたのち、何も見なかったことにした。

「「~~っ! ……おらお前‼︎ 逃げんじゃねぇーっ‼︎ つーかいつから居た⁉︎」」


 ドタドタドタドタ


 なんかよくわからんけどめっっちゃ怒られました。理不尽だと思う琉華は、全く反省の色を見せず、瑠璃に羽交締めにされた挙句、なぎさにしばかれました。


 チャンチャン♪(話が終わる音)

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