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夜道の悪魔

作者: miraitoissho

 それは私が会社帰りの夜道を歩いている時でした。夜23時台だったと思います。私はメトロに乗らずに「たまには歩いて帰ろう」と考え、大きな道路を歩いていました。すると、どこからともなく大きな声が聞こえてきたのです。それはとても不気味な音のような声で、私の歩く反対側の歩道から聞こえてくるようでした。かなり大きい道でもあり、夜中ということもあって反対側は暗くてよく見えませんでした。私は足を止め、反対側を見ていると男性の声がしました。そして罵声、怒号、まるで喧嘩をしているような声だったのです。


 私は気になり反対側へ向かおうとしましたが、終電の都合もあり、気になりながらも足を進める判断をしました。帰路に着いた私は「さっきのことは何だったのか?」と考えようとしましたが、明日も仕事があるので早く寝ようと考えないようにしました。


 翌日、会社で仕事をしていると同僚が声を掛けてきました。「ねえ、知ってる?昨日遅くにあそこで喧嘩があったんだって。被害者は刺されて意識不明の重体、犯人は逃走だって。警察は逃げた犯人を追ってるみたい」私はただ「えっ?そうなんだ。怖いね。」としか言えませんでした。昨夜遅く私がその現場付近を歩いていたなんて同僚は夢にも思わないでしょう。


 「ああ、やっぱりあれはだたの喧嘩だったんだ。それはそれで特に珍しい事じゃないけど。」と考えながら、私の中で何か不安のようなものがこみ上げてきたのです。「それは確かに喧嘩なんて普通に起きてる事で珍しいわけじゃない。でも私は確かに、その直前に聞いたの。獣が唸るような声を。あれは、絶対に人の声じゃなかった。むしろ何か動物の・・悪魔のような声だったわ。低くて地に響き渡るような・・唸り声。」私は思わず目を閉じて昨夜のことを回想しました。男性の罵声、怒号、確かに聞こえた。でもその声は同じ人の声で喧嘩の相手の声は聞こえなかったわ。その時、ふっと私の耳に聞こえてきたのです。昨夜、私が夜道で聞いたあの重く響く唸り声が耳に。」

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