二話 相棒との出会い
第二話出しました!次の話からバトルが始まってきますね!
あれから数日後、人々は自分の能力を強化やキャスティロでの生活を楽しんでいる。この数日間の出来事をすべてメモに書いた。
日本人のほとんどの人間が住み替え完了した。だが住み替えを好まない者もいる。これからの学校は、ファクタジア学園で学ぶ。そこでは能力の教育を中心にし今までの座学を学ぶ。学校が完成するまで一年から二年かかる、そのあいだ自由に生活を楽しむ。
まとめてこんな感じだ。今は自由にキャスティロでの生活を過ごしているがファクタジアの危険性を知っている俺からしたら今のキャスティロは【安全で便利!】とは言えない。だから独学で学校が始まるまで研究することにした。まず初めに自分の能力について研究してみることにした。前回、木を折って燃えてしまったことの事件はバレてはいない。噂では町の人が消火をしてくれたそう。俺は前回の出来事もあって自分の能力は炎系だと考察をしたが発動条件が分からない。パンチをしたら炎が出るのか?俺は家族に自分たちの能力の発動条件を聞くことにした。まず俺は自分と能力の発動条件に近い父親へ聞いた。
「なぁ父さん。父さんの能力は水系だよな?」
「あぁ、そうだよ?それがどうした。もうお父さんは必殺技まで考えたんだぞ。その名もウォーターレイン!」
父は覚えたての技を自慢げに見せてくれた。それはほんとにちっぽけな技、畑で使えそうな小規模な雨を降らすことができるぐらいの能力だ。
「父さん。農家になれば…………。」
俺は引き気味で父さんに言ってしまった。すると父さんは悲しげな顔で自慢して損したという気持ちでこちらをちらちらと見て帰っていく。
「ちょ、待てよ。俺父さんに聞きたいことがあってきたんだ。」
父さんは振り返ってなんでも聞けと笑顔でこちらに近づいてくる。俺は技が似ていてどうやってその能力を出しているのか聞く。
「俺の能力について調べてるんだ。結構俺の能力と近くて…………。」
すると父さんは興味深々に話しかけてくる。
「そうだな俺は念を込めてる。でろ!でろ!でろ!よっしゃー!みたいな感じだ。そういえばお前の能力ってなんだ?似てるとか言ってたけど。」
「俺の能力は、あ!」
俺はこの時、思考がフル回転しとっさに口を閉じた。理由は3つある、まず燃えた木の犯人が俺だと気づかれないようにしているということ。この能力に限ってではなくファクタジアの危険性が大いにあること。あと普通に秘密にしてあとで驚かしたいということ。だがファクタジアの危険性を今教えてもよかったがそれだと、なんで危険性があるんだ?と聞かれそうで前回の事件の事を話さなくてはいかなくなるので言わないことにした。
父さんはボーっとする息子をみて心配の声をかける。
「お――い。大丈夫か?」
「うん。大丈夫。とりあえずありがと!じゃあね!」と俺は即座に自分の部屋に戻っていく。父さんは俺の能力を知りたくて引き留めたが逃げ足が速すぎて追いつけなかった。
危ないこれ以上聞かれたら町の犯罪者とかっていう名前で有名になるところだった。
とりあえず俺はお母さんや妹に聞いてみることにしたがあいにくお昼と夕飯の食材をマディー町の市場まで行き調達しているようだ、だから帰ってきたら聞くことにした。
帰ってくるまでなにをしようかと暇つぶしを考えていたところ父さんから町を散歩してきたらどうだと聞かれたので俺は外にでてマディー町のシンボルともいわれる世界樹に行ってみることにした。世界樹ではマディー町の人々だけでなくほかの町の人々もこれを見に来ている。流石に混んでいるなぁ。この美しさと枯れぬ神の木ともいわれている世界樹は多くの人々を虜にする。世界樹は、ほとんどが立ち入り禁止で一部のお偉いさんでしか触れたことがないそう。情報によると世界樹は中が一部空洞の場所がありそこは私たちには読めない字が書かれている。現在、専門家たちが文字を解読しているようだ。
俺はマディー町のシンボル、世界樹を後にしお昼を食べに家へ帰る。今日のお昼はキャスティロで収穫したものばかりだった。私たち日本人料理はもちろんあるがキャスティロで採れる植物などで料理ができる。例えばこのピンクの葉っぱ。一見怪しい葉っぱに見えるがそれはなんとほうれん草のような触感で甘い匂いと味がするという。なので最近ではこの葉っぱと一緒にリンゴなどの果物と一緒に食べる家が増えている。家族全員がそろい日本人変わらずの挨拶をする。
「いただきます!」
「そういえば拳の能力ってなんなんだ?」
父親が急に言葉を発し俺はギクッとした。
「俺の能力はまだ秘密。」
「えぇ~少しぐらい教えてくれよ。炎系か?」
なぜ分かった?そうか俺の腕変な炎があって半透明だから気づくか。でも否定をしておこう。と考え俺はバレないような言葉で返す。
「秘密♡」
一瞬この場の空気が凍り付いたが俺が話を続ける。
「そういえば母さんの能力って浮遊だけどあれからどうなったの?」
「あれから練習したんだけど頑張っても机を浮遊させられるぐらいかな。でもね浮遊させてたら目がつかれちゃうの。」
「そうなんだ。和はどうなんだ?」俺は妹に聞いてみる。
「えーとね。私はね大好きなお人形さんとたくさんお話できるようになったの。でも人形さんと話し終わったら少しのどが痛くなるんだ。」
「そうなの?大丈夫?」
「うん。一日経ったら痛くなくなるんだ。」
俺は急いでお昼を食べ終え部屋に行った。俺は能力について改めて考えることにした。念を込めたら能力は出るのか?謎が多すぎる!待てよお母さんと妹は能力を使った後に体調が少し悪くなっている。しかも俺が突然能力を出した後、激しい痛みと震えが止まらなくなったが一度寝たら激しい痛みもなくなっていた。ということは、何かを代償にして能力を発動しているのか?もしかすると俺達には魔力というものが存在してその魔力は人体の健康などと一緒なのか?仮説として魔力は血と同等の役割ってことか?試してみる価値はありそうだな。
俺は明日マディー町から少し離れた山奥で実験してみることにした。一応言うが今日の夕飯はお昼の残りだった、もっとレパートリーを増やしてほしい。
翌日になり俺は山奥で実験をしてるところだ。まず初めに念を込めることにした。
「はああああ!」父さんの言った通りにやってみたがなかなか出ない。どうしようかと悩んでいたが前回出たやり方は力を籠めて撃つことだな。俺は前回と同じように打つことにした。
「誰もいないよな。よし!」周りに誰もいないことを確認し俺は力を籠めて撃った。すると目の前にあった岩が「バキッ!」と2つに割れたがそれは一瞬だった。割れた数秒後2つに割れた岩は粉々になっていた、しかも粉々になった破片が「パチッパチッ」と火花を散らしている。代償の件では今回、腕が震えるだけであった。なぜだ?前回と覚えてる限り同じパワーで撃ったはず…………俺は一度休憩がてら座って考えることにした。
「これは成長か?だって前回は痛みと震えがあったが今回は震えだけだった。ということは自分の能力を鍛えれば鍛えるほど代償が少なくなるのか?ということは俺がこの能力を鍛えればファクタジアの最悪があったときにどうにかできるか、独学で研究をすると言ったけど自分の能力を鍛えて鍛えまくれば最悪を抑えられるはず、明日からこの能力を使えこなせるまで鍛えるぞ!」そうして毎日使えこなせるまでの練習が始まった。
あれから二年後。町の風景は変わり異世界風のキャスティロになっていく。日本人の生活はスマホやパソコンを使わないエコで健康的な生活になって、インターネットは一家に一台ある電話機とテレビで情報を得ている。二年も経つと人々はキャスティロでの生活も慣れていた。ほとんどの大人はキャスティロでの仕事を楽しんでいて特に今は冒険者という新しい職業ができた。二年間の間キャスティロのいろんなところで魔物のような凶暴な動物が出てくるようになった。だが凶暴ではない魔物もいることを知ってほしい。凶暴でない魔物はペットとして家族の一員として飼われている。冒険者はそんな凶暴な魔物を退治する仕事をする。キャスティロでの最悪(犯罪行為)はまだない。みんな平和に過ごしている。
平和の中すべての町のキャスティロ学園が完成し2032年、学園生活が始まろうとしていた。
「ドカン!バキッ!」
激しい音と炎が山奥から聞こえる。
「今日はこのくらいかな?疲れたなぁ、そろそろ時間か。」
山奥からの音の原因は二年間ファクタジアを鍛えていた拳であった。彼は二年間、毎日朝から夕方まで休むことなくファクタジアを鍛えていた。一年たったある日、いつも通り(いつもとおり)鍛えていた時、突然痛みが走った。今まで鍛えていく中で痛みなどなかったが急にまた痛みが出てきたのだ。理由は分かっている。【限界だ】。半年たったあたりからパンチの力が変わらなくなっていってると感じ始めていた。しかもテレビの情報で言っていたが研究結果でファクタジア(能力)には人によって限界があると言っていた。それでも俺は鍛え続けた。いつか限界を超えられる時がくると信じて。
話は戻り、二年間鍛えていた場所を後にし俺は学校に行く準備をしに家へ戻る。
「ただいま。」俺は急ぎで学生服を着る。
「お帰り。今日から学校でしょ、間に合うの?」
帰ってきたら声をかけてくれたのは母さんだった。母さんはファクタジアを使いなれ弁当を浮かせバックに入れ、「行ってらっしゃい」と背中を押しだした。
「行ってきます。」俺は玄関を後にした。
学校の説明用紙になんでも入れられる○えもんのような四次元ポケットの魔法を覚えてきてください。と書いてあったので一応鍛えている途中に覚えてきた。そこに黒などのフードのある長袖の服を入れといてと書いてあるので入れておいた。
「久しぶりの学校だ。どんな奴がいるかな?」と俺はワクワクしながら学校へ歩いていた。十分ぐらい歩いたら学校についた。学校は小中高一貫なのでかなりでかい。受付でクラスを確認し【高校クラス一年M組】と書かれたところに足を運んでいた。するといろんな人が自分のクラスへファクタジアを使い、向かう人がいる。飛びながら来るやつもいたし、ペットを連れてくるやつもいた。特にやばかったのは天井を突き破って教室に来たやつだ。俺このクラスでやっていけるかなと思っているとチャイムが鳴り、女の先生が目の前に突然出てきた。これはファクタジアの能力なのか?気になったが先生の話を聞くことにした。
「今日から三年間この学校でファクタジアについて学ぶことになります。これからあなたたちは仲間と出会い、ファクタジアを使って競い合い、将来やりたいことを見つけてみてください。」
三十人ほどの人にこの言葉をいった。聞かないやつもいたが先生はどうでもよさそうだ。話が終わったと思った時、突然俺たちは学校の校庭らしきところにワープした。そこには他のクラスのやつもたくさんいた。見た感じ高校生一年だけのようだ。すると校長先生らしき人が高校生一年生徒に対して大声で言う。
「高校生の皆さん入学おめでとうございます。突然ですがこれからファクタジアの検定をいたします。ただの検定ではございません。三日間のサバイバルゲーム形式で行います。ルールは簡単。最後まで生き残ったグループの勝利。ファクタジアでの勝負の際「降参」と言わせたほうの勝ちとする。以上だ。」
突然の言葉に驚愕したがみんな盛り上がっているようだ。
「私たち先生は皆さんの能力を監視したりします。そこでどんな能力かどのクラスのファクタジアか検定させていただきます。それではグループに分けさせていただきます。」
校長先生は指をパチンッと鳴らしグループに分け、誰も使わない森らしきところにワープされた。
このためにあの黒い服を用意しろって書いていたのか。俺はすぐにポケットから服を取り出して着た。
「よろしくお願いします!」と初めに挨拶したのは真面目でポニーテールの可愛い女の子だった。
「グループって四人なんですね。」もう一人の「ショートヘア、黒髪、黒ニーソックス」の女の子が言った。
「そうだな……ってあともう一人は?」グループは四人なのに一人いない。するとポニーテールの女の子が「あそこに一人でいます。」
ほんとだ。目を凝らしてみると背中に剣を抱えフードをかぶっていたのでわからないが男の人だと思う。「おーい!」と声をかけてみた瞬間、突然彼の姿が消えたと思ったら俺の背中に剣を突きつけながら言った。
「私にかかわるな。ぶち○ろすぞ。」
声で気づいたが女の子か?いや分からん。
「あのー名前だけでも……。」とポニーテールの女の子が言った。すると突きつけた剣を下げ、名を言う。
「【剣】だ。十剣」
これは厄介な奴が来たな。最後まで生き残れる自信がないがとりあえず頑張ってみるしかない。そして一日目のサバイバルゲーム(ファクタジア検定)の合図の花火が上がった。
後書きとなりますが次の話は4月中旬を予定してます。