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【完結】絶対に私は勇者パーティーに入りません!!~勇者パーティーに入ればバッドエンド確定の不遇なサブキャラに転生したOLの生き残りを賭けた戦いが、今ここに始まる  作者: 楊楊
第四章 転職神殿はじめました

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61 悪魔神官 3

私達討伐班はバーバリアにから直接旧転職神殿に向かうルートは通らずに迂回して、旧転職神殿に到着した。普通なら1日もかからないところだが、迂回したり、試しの戦闘を繰り返しながら進んだので到着までに3日を要した。

出現する魔物はスケルトン、グール、ヘルハウンド、スケルトンが骨の馬に跨ったスカルライダーが主だった。ゲームの知識だと間違いなく悪魔神官が召喚した魔物だ。


一方こちらの戦力はこんな感じだ。


私、アイリス、「謎の盗賊団」のドーラ、サマリス王子、リルとリラ、クリストフ

ライラ(竜車の御者兼アイテム係)

元神官騎士団の団員達60名(レナードを含む。旧転職神殿の崩壊後に更に増えた。普段は別の仕事をしている)


3日間で連携の確認と効果的な戦術を確認した。それに旧神官騎士団とも連携が取れ、レナードとも少し話した。


「騎士団の方が参加してくれて心強いですよ」


「恥ずかしながら私は希望してなかったんですよ。いつの間にかみんなが盛り上がってしまって、だったら旧騎士団で志願しようということになったんです。もう雰囲気的に断れないですよね。

因みに私は全く強くないんで期待しないでくださいね」


そう言うレナードだが、レベル25の「剣士」で弱いどころか、かなりの猛者だ。まあ、普段訓練しているのが、レベル30近くある上級職の者達ばかりなので、自分に自信が持てないのだろう。

横で聞いていたアイリスは同情の眼差しを向けている。


悪魔神官の討伐推奨レベルは25なので、十分な戦力だと思う。

実は私も能力はアップしている。私はレベルアップによるステータスの上昇がないので、ライラの魔法薬とトレーニングで何とかレベルに恥じないステータスにはなった。ギルドカードを確認する。


名前  クリスティーナ・ロレーヌ

レベル 30

ジョブ 忍者(上級職)

HP 200 MP 80

力 80 賢さ 100  素早さ 100 身の守り 70 

スキル 「敵感知」「罠解除」「採取」「初級魔法」「回復魔法小」「鞭使い」「両手攻撃」「隠密」「潜伏」「解錠」「鑑定」「交渉術」「空間収納」「テンプテーション」「眠りの舞」「ハッスルダンス」「剣の舞」「投擲」「忍術」「分身の術」


レベル30の平均ステータスはHPがだいたい150~250、MPが50~150、力などのステータスが50~130になるので、なかなか優秀なほうだと思う。それに転職を繰り返したことでスキルも多い。スキルも組み合わせて使えばかなり強い。一番凄い組み合わせは、「忍者」のマスタースキル「分身の術」に「踊り子」の「剣の舞」を組み合わせ、「両手攻撃」で鞭を振えば、ゲームでは全体攻撃が32回できる。実際にやってみるとかなり消耗が激しかったので、1回の戦闘で使えるのは5回以下だろう。

それに私の戦いを見ていたメンバーはかなり引いていた。


「なんだあれは?」

「ヤバすぎる。もう魔王を一人で倒せるんじゃ・・・」


一応、口外したら大変なことになると釘を刺しておいた。


それとドーラにも新型武器を支給した「殲滅の鉄球」だ。大きな鉄球に鎖を付けて振り回すだけの武器だがかなり強い。ゲームでも全体攻撃なので雑魚なんて一発だった。

しかし、デメリットもある。装備できるのはダグラス王子とマッシュくらいしかいないし、マッシュは装備すると楯が持てなくなる。なので、ダグラス王子が雑魚戦には「殲滅の鉄球」、ボス戦には「勇者の剣」を装備するのが一般的な戦術だった。


ゲームでは勇者パーティーに加入することのないドーラだが、かなり力が強い。なので装備できるかもしれないと思い開発したら装備できてしまった。これなら雑魚なんて一瞬で終わりだ。


「どう?使い勝手は?」


「いいねえ。アタイにあった武器だね。屋内の戦闘の時はハンマーに持ち替えるけど、普段はこっちを使うよ。それと話は変わるけどサマリスがまた、これで殴ってほしいとか言ってきたんだけど・・・・」


「まあ、この任務が終わったら好きなだけ殴ってあげて」


「そうするよ」


★★★


戦力も揃い、私達は旧転職神殿の町に突入する。


「クリストフさんとサマリス王子はなるべく魔力を温存してください。それにアイリスはパーヨック戦のメインアタッカーとして考えてるからそのつもりで、雑魚どもは私とドーラが基本的に相手をします。騎士団の方はフォローをお願いします。

もし負傷した場合はすぐに馬車に運んでください。ライラと分隊長さんが治療しますので」


作戦の確認をした後、補給用の馬車を中心に取り囲むように移動していく。リルとリラが最短ルートを割り出して案内してくれる。「謎の盗賊団」として旧転職神殿には何度も盗みに入っているのでマッピングは完璧らしい。


順調に進軍できている。

私とドーラとアイリスで敵を蹴散らし、騎士団が周りを固める。当然囲まれるのだが、それも想定してのこの作戦だ。


「もうすぐ転職神殿です」

「この広場で敵を抑えておけばいいんですよね?」


リルとリラが言う。

作戦としては、ここで敵を抑える班と神殿に突入する班に分かれる。神殿からではなく、この広場からアンデットが溢れ出ているからだ。


「それじゃ、ライラ、ドーラ、騎士団の皆さん、よろしくお願いします」


「任せときな」


「クリス、突入班にこの強化薬を渡しておいて、2時間は持つはずだから」


突入班は、私、アイリス、サマリス王子、クリストフだ。それぞれ、渡された強化薬を飲む。


「何か力がみなぎってきますね。流石ライラさんの自信作ですね」


「そうね。かなりコストは掛かるけどね。

じゃあサマリス王子、クリストフさん、もう出し惜しみしなくていいですよ」


私がサマリス王子とクリストフに指示をする。

というか、私がリーダーになってないか?まあ、今はその辺は置いておこう。


サマリス王子はご自慢の固有魔法「プロテスト」をメンバーに重ね掛けする。防御力が上昇し、物理攻撃がほとんど効かなくなる。そして、クリストフも「マジックバリア」を重ね掛けする。マジックバリアは物理攻撃だけでなく、魔法攻撃やブレス攻撃のダメージも幅広く軽減する。


ゲームでは、サマリス王子とクリストフは、アイリスと相性がいい。攻撃はアイリスに丸投げし、二人は後ろで補助魔法や回復魔法を掛け続けることに終始する。ボスの中には補助魔法の効果を無効にする「マジックキャンセル」を使ってくる者もいるのだが、そうなるとこの二人は本当にそれしかしなくなる。

なのでこう呼ばれていた。


ヒモコンビ


生で見られたのはFFQファンとして嬉しいかぎりだが、人としては正しいのかと疑問に思ってしまう。

私とアイリスを戦わせ、自分達は後方待機って・・・・

まあ、そうするように指示したのは私なんだけどね。


神殿に入り、最奥の祭壇までは難なく進むことができた。


そして、祭壇には怪しげなオーラを纏った男がいた。神官というか、もはや人ではない。見るからに魔物だ。

そしてその男は雄たけびを上げる。


「パ、パ、パ、パ、パーヨック!!」


間違いない。

悪魔神官となったパーヨックだった。

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