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126 西ルート

ミザリー隊と合流した。

こちらの戦力はこんな感じだ。


西ルート

兵力約1万 総大将ミザリー

リル、リラ隊長以下魔王軍7000名

レナード隊長以下マリシア神聖国部隊2000名

キアラ隊長以下獣人部隊1000名


ミザリーと挨拶を交わす。


「ダグラス隊は指揮官の排除に苦労しているから、参考になればと思ってね」


「そうなのですね。参考になるかどうかは分かりませんが、いつも通りやりますので、見て行ってください」


そんなとき、鳥人族の女王がミザリーに声を掛けた。


「魔王様、準備が整いました」


「分ったわ。出陣します」


ミザリーとミザリーのお付きのダークエルフの女性が2名ゴンドラに乗り込んだ。そこに女王を含めた鳥人族4人がゴンドラを引っ張り上げた。私達はタツメの背に乗って随行する。

同じようなゴンドラが30程あった。


「ここら辺でいいわね。それでは、ゴンドラ部隊は一斉射撃!!」


ミザリーの号令で一斉に空中から矢の雨が降り注ぐ。アンデットモンスターに次々と矢が刺さっていく。そんな中、魔法障壁で矢を防ぐスケルトンやグールが数名いた。そこをミザリーの矢が射貫いていく。急激にカーブして、ワザと死角から矢が飛んでくるようにしているので、避けられないのだろう。


「我々空中部隊はこんな感じでやっていますね。後は地上部隊が上手くやると思います。地上部隊は地上部隊で特殊な方法で指揮官を討ち取ってますからね。

空中部隊!!帰還せよ!!」


ミザリーのゴンドラを残して、他のゴンドラは本陣に帰還して行った。ミザリーは地上部隊の運用を私達に解説してくれるようだ。


「地上部隊は、白兵戦をしている状態で、鼻が利く獣人達が中心となって、指揮官の排除に務めています。因みに撃破ランキングのトップ3はリルとリラ、キアラ王女ですね」


キアラ王女は虎獣人だし、リルとリラは狐獣人と魔族のハーフだからね。


「三人とも指揮官なのに・・・いいのですか?」


「キアラ王女が言うには、獣人は細かい作戦行動ができないようなので、「突撃する私について来い」スタイルのようです。リルとリラは指揮官としての仕事を放棄してますね・・・・すべてガンテスとロルゾーに丸投げです。オーガ族のような巨人族が多いので、魔王軍も作戦行動は大雑把なものですから、なんとかなってます。具体的には「進め、止まれ、待機」くらいしかありません」


上空から見るとリルとリラは大活躍のようだ。

数えただけで5体の悪魔指揮官を討ち取っていた。ジョブが「忍者」で暗殺はお手の物だからね。続いてキアラ王女率いる獣人軍団も何体か悪魔指揮官を討ち取っていた。

巨人族はガンテスとロルゾーを中心にスケルトンやグールを粉砕していた。特にスケルトンに棍棒は相性が良く、あっという間に原形をとどめないほど粉々になっていた。


レナード率いるマリシア神聖国の部隊は、指揮官のレナードの性格どおり、かなり慎重に戦っていた。

この部隊は、神官騎士と冒険者だけでなく、治療術士を多く抱えている。傷付いた味方を回収して治療したり、手薄になっている箇所をサポートしたりしていた。ここまで順調なのはこの部隊の陰の支援があるからかもしれない。


しばらくして、明らかに指揮官がいないようなアンデットモンスターの動きになったので、ミザリーが号令を掛けて、一気に殲滅することになった。


今回は軍議に参加せず、差し入れだけを渡して、私達は連合軍の本部に帰還することにした。二つの部隊を見た感じ、ポイントは航空戦力ね。後はどうやって運用するかだけど・・・・ていうか、今の私達が最強の航空戦力じゃないか!!



★★★


連合軍本部に帰還し、早速ダグラス以下隊長を集めて軍議を行う。


「・・・ということで、私達も戦場に出ます」


ダグラスが反対をする。


「流石に危険すぎる・・・何もクリスまで出なくても・・・」


「ダグラス大公のお心遣いは感謝しますが、使命を果させてください。悪魔指揮官だけ討ち取れば、すぐに戦場から撤退しますので」


「そうは言ってもなあ・・・・」


「だったら仕方ありません。元帥として命令させていただきます。陛下、いかがでしょうか?」


「ダグラス、心配なのは分るが、クリス殿に考えがあってのことだ。今回は任せてみよう」



ということで、私とギーガとプーラン、タツメはダグラス隊唯一の航空戦力として戦場に出ることになった。見た感じ、ベビタンには悪いが、デーモンもレッサーデーモンも大したことはない。1対1ならまず負けないからね。


ダグラス軍とアンデットモンスターの大群が接敵する直前、私達は上空からアンデットモンスターの大群を強襲する。


「タツメ!!お願い」


「任せて!!ドラゴンブレス!!」


広範囲に燃え盛る火炎が飛び散る。魔法障壁を展開しているスケルトンが多くいる。あのスケルトン達が悪魔指揮官なのだろう。


「流石タツメね」


私がタツメを褒めると、ギーガが悔しそうに言う。


「流石にここまでの範囲にブレスを撃つことはできません。もっと訓練せねば・・・」


というか、ギーガは何を目指しているのだろうか?


魔法障壁を展開しているスケルトンのすぐ側に私とギーガが飛び降りて、雑魚のスケルトンやグールを殲滅していく。「勇者」なって攻撃力が格段に上がっているのを感じる。それに「ミスリルの鞭」と電撃魔法の相性が非常によく、かなり強力だ。

ギーガはというとドーラと同様に右手に「殲滅の鉄球」、左手に「殲滅の棍棒」を持ち、ブレスまで吐いている。私以上に無双状態だ。


あまりの実力差に悪魔の指揮官は擬態魔法を解いて、一目散に逃げだす。


「な、なんなんだ!!こんな化け物が二匹もいるなんて、聞いてないぞ・・・。そうだ、契約はアンデットモンスターを引き連れて、世界各地を蹂躙することだったから、もう十分やったはずだ。せっかくこっちに召喚されたのだから、ここは一端逃げ・・・・グギャ!!」


タツメから飛び降りたプーランが滑空しながら、逃げ出している悪魔を槍で突き刺した。「竜騎士」の特徴的なスキル「グライディングスピア」だ。ゲームでは、上空に待機して、相手が攻撃を出し切ったところで使うとかなり効果的だったのを覚えている。間近で見れてFFQファンとしては有難い。


ある程度、悪魔指揮官を狩ったら再びタツメに乗り、ブレスで悪魔指揮官を炙り出していく。途中から私達だけで全滅させられるのでは?と思ったが、流石にそれは止めておこう。


私達が悪魔指揮官を狩りつくした後、ダグラス隊がやって来た。

ダグラス以下、この惨状を見て、驚愕していた。


「ダグラス大公、指揮官の殲滅は終わりました。私達は帰還します」


「そ、そうか・・・そうしてくれ。よし!!残りの敵を殲滅するぞ!!」


戦況は見るまでもなく、ダグラス隊は圧勝するだろう。

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