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【完結】絶対に私は勇者パーティーに入りません!!~勇者パーティーに入ればバッドエンド確定の不遇なサブキャラに転生したOLの生き残りを賭けた戦いが、今ここに始まる  作者: 楊楊
第六章 勇者と魔王

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101/137

101 平和条約 1

何だって!!

ディートが風のクリスタルだけでなく、土のクリスタルも渡しちゃってるし!!

それにアイリス達と一緒にダグラス王子達も戻ってくるのか・・・・。


私はシャーロック商会が運んできてくれた情報を聞いて愕然とした。土のクリスタルを入手するイベントをしなくていいのか?

もうどうしようもないけど。というか、私の手元には四つのクリスタルすべてそろっているんだけどね。ゲームでも四つのクリスタルを手に入れた勇者パーティーが魔王領に攻め込む時期だ。

なので、魔王や魔王軍との関係をここらできっちりとしないといけない。私はミザリー、ピエール、セバス、ギーガ、リルとリラとともに今後の魔王軍の方針を決めることになった。


魔王軍の重大事項を決めるような会議に出席する立場になるなんて、これは闇落ち確定だな・・・


そんな私の心境は置いておいて、方針を決める。


「特に敵対行動は取ってないんですよね?それならいい話になるんじゃないでしょうか?」


これにセバスが答えにくそうに言った。


「こちらで調査したところ、実はエジルがですね・・・・」


今のところエジルは行方不明だが、そのエジルが辺境の町や村を数か所襲撃して、住人たちを連れ去っていたのだ。エジルの配下であったゲマルの証言と照合すると、動機は人体実験の実験台と戦争を引き起こすためだと推察される。


ピエールは言う。


「我が知らなかったとはいえ、無辜の民が酷い目に遭ったことには変わりない。これも我の監督責任だ」


「それはそうですけど・・・・だったらこういうのはどうですか?必殺の欠席裁判作戦で行きましょう。エジルにすべての罪を擦り付けるんですよ。具体的には・・・・・」


私は、作戦を説明する。

一同、感心してくれている。そんな中、ピエールが言う。


「いい作戦だとは思うが、我は心苦しい。責任も感じているのだ」


「今後も魔王はミザリーさんがやるんですよね?」


「それはそうだが」


「だったらそれも大丈夫です。詳しくは・・・・」


ピエールは私の説明を聞いて、唖然としていた。


「なんとも・・・クリス殿は凄いことを考えるなあ・・・。貴殿が魔王軍に居れば、我らもここまで酷くはならなかったと思う」


「お兄様、やっぱりクリスさんは凄かったでしょ?私がクリスさんに魔王軍の立て直しを依頼したことは、魔王としての大英断だったかもしれませんね」


まあ、納得してもらって何よりだ。最初に話をするのは、ムリエル王女、サマリス王子、ライアット皇子、キアラ王女かな。


その後は、各国に持ち帰ることになるかなあ?

それにダグラス王子にいつ話すかも決めないとね。



1ヶ月後、旧転職神殿復興プロジェクトのメンバーと勇者パーティーの一部が帰還した。大々的に帰還セレモニーも開催された。バーバリアもムリエリアもお祭り騒ぎだった。勇者パーティーは王都アリレシアでもセレモニーがあるので、すぐに移動した。


お祭り気分が冷めやらぬ中、私は旧転職神殿復興プロジェクトのメンバーに復活した先代魔王ピエールを紹介した。


★★★


事情を説明したところ、状況は理解してくれたし、同情もしてくれた。

ライアットが言う。


「ピエール殿やミザリー殿のお気持ちは十分伝わりました。後はどのように処理するかですね。私達が一番楽な方法は、それぞれの国に報告して、終了にすることでしょうけど、それは違うような気もしますし・・・」


キアラ王女は言う。


「今度は魔王軍とが平和条約を結びですって・・・ここに来て多少のことでは驚かなくなりましたが、これは流石に・・・世界の未来を決定するような場に立ち会うことになるなんて。私としては、判断ができないというのが答えです」


キアラ王女の意見はもっともだ。

ここで、ムリエル王女が提案する。


「私はまずお父様・・・ロトリア王に相談するべきだと思います。ロトリア王は世界の王族や代表者から信頼を得ていますし、旧転職神殿の悪魔召喚事件でも誰よりも落ち着いて対応されていました。我が父なので贔屓目に見ているかもしれませんが、こんな状況では最も頼りになるお父様以外にいません」


「ムリエルの言う通りだ。立て続けに起こるトラブルをすべて解決してきたのは父上だ。ムリエルの意見に私も賛成だ。兄上には父上に相談するときに一緒に聞いてもらおう」


ロトリア王は確かに優秀な上司だと思う。あの狸宰相を使いこなし、私達のサポートがあったとはいえ、犬猿の仲であったサンクランド魔法国とランカシア帝国の関係を改善し、人間嫌いであった獣人国ビースタリアの国王とも親交を深めているのだから。

それに少々のことでは動じない胆力と冷静さがある。


「そうですね。ロトリア王ならこの難局を乗り切る良い知恵をお持ちかもしれませんね」



★★★


3日後、ロトリア王とダグラス王子と非公式の会談を持つことができた。私達のほかに立ち会うのは勇者パーティーのメンバーと狸宰相だけだ。

ピエールとミザリーを紹介した後に事情を説明する。案の上、事情を知らない者全員が驚愕の表情を浮かべていた。

特に狸宰相なんかは狼狽えて、意味の分からないことを口走る。


「えっ・・・魔王が攻めて来た?でも、戦う気はない?どうすればいいのだ?」


まあ、そうなるのは分からないでもないのだが。


ムリエル王女が言う。


「お父様、どうか良いお知恵をお貸しください。ミザリーさんもピエールさんも悪い人ではないとおもうのです」


ロトリア王は、少し考えてこう言った。


「話は分かった。基本通り対応せよ」


基本ってなんだ?意味が分からないぞ。


これに反応したのが狸宰相だった。


「そ、そうか!!魔王というだけで、パニックになっていたが、これは国同士でいう戦争や紛争ということになる。そして、その相手国から講和の使者が来たと考えれば・・・・こうしてはおれん、すぐに国際会議の緊急開催をしなければ、それに教会に言って、新たなお告げがないかの確認も・・・。

国王陛下、つまりそういうことですよね?」


「うむ、些事は任せる。

ピエール殿、ミザリー殿、王都アリレシアは初めてであろう?ムリエリア程革新的な町ではないが、我はいい町だと思っていいる。ゆっくりと観光でもされるとよい」


「かたじけない」


なんかすんなりまとまりそうだ。

問題は国際会議だ。エジルの被害にあった国も来るだろうし・・・・。

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