ネズミゾンビ②
魔王討伐に向かった勇者は、魔王の言葉に惑わされ、世界の半分を手にした。しかしその後勇者は行方不明に。
モブラの任務は消えた勇者を探し出し、もう一度魔王討伐に向かわせること。
モブラとナミラはネズミゾンビの罠にはまり、同じところを走り続けていた。罠から抜け出す策を、ナミラが考えだす
「これで全部だぁ!おらぁぁぁあ!」
ナミラは背負っていた大きなリュックサックの中からリンゴを20個ほど投げた。
ゴゴゴゴゴゴゴ
ザザザザザザザ
地面の下にいた1万匹ほどのネズミゾンビがリンゴに向かって走り出した。
「今だモブラ!」
「ああ」
2人はワラギの里へ走り出した。3分ほど走ると、ネズミゾンビのいないところまで逃げられたようだ。
「あのネズミゾンビには力が無いみてぇだな。だから地面を動かして、地上の生き物が力尽きるのを待ってんだな」
「だが、あの数では全員は食べれないだろう。」
「ゾンビだから食わなくてもいいんじゃね?」
「なるほど。」
「でもそうなるとなんで俺らを罠に仕掛けたんだろーな。ゾンビになるととりあえず襲わないとって考えになるのかな」
「かもな。あの雨の日も、誰からかまわず暴れていたからな。」
「モブラの親はその日に、?」
「父はそうだ。母はもっと前に襲われた。」
「そっか、ごめんな思い出させて」
「気にするな。」
しばらく歩くと何やら建物が見えた。
もう夜の帳が下り、星が輝く。それでもピカピカ輝き、目立つ建物だ。
「お、あれはワラギの里のやぐらじゃねえか??でっけええな。里の大きさと合ってねぇぜ」
「そうだな。眩しい。」