私の光
ティアは入れ直してもらった紅茶を飲みながら、目の前に座っているこの学校でできた初めての友達をじっと見つめる。
とても信じられないような話を聞いたのに、ティアはなぜかそれが真実であるとすぐに受け入れることができた。
それはこの国の偉大な王太子である彼がいたから、というのもあるが、それ以上に目の前の彼女の存在が大きかった。彼女の話じゃなければ、ティアはその話をただの妄想だと聞き流していただろう。
思えば、ルナは初めから特別だった。
最初は、伝統あるエリュシオン魔法学校に入学した初めての平民だから特別なのだと思っていた。でも、ルナと過ごすうちにそれは違うと気がついた。彼女はどこにいても、何をしていても、不思議と人の目を惹きつける。良くも悪くも、誰もがルナの存在が気になって感情を揺さぶられていた。
そしてルナは、その視線全てを受け入れていた。あんなに沢山の視線を浴びたら、もし自分だったら縮こまって過ごしていたと思う。
ルナには、その言葉全てを信じさせる特別な力があった。身分とは別で、自分とは住む世界が違うのだと思わせる何かがあった。
それでもティアは、ルナに憧れて、周りからどんな目で見られようとも話しかけたい……近づきたいと思った。ただ助けられただけだったら、臆病なティアはきっと罪悪感を抱えながらも傍観者のままでいただろう。
ティアには、殺してでも欲しいと思ったユージンの気持ちも、どんな手を使ってでも欲しいと思って王太子となったシェイドの気持ちもわかる。自分たちは結局同じなのだ。ルナの光に当てられて狂った、似たもの同士。
「本当にありがとう。ティア、私のために、力を貸してください。お願いします。」
だからこそ、私は……私の光を、失うわけにはいかないのだ。
きっともう、この光がなければ自分は生きて行けないのだから。




