紡がれた縁
それから、私はティアにこれまでのことを話した。私が前世違う世界で生きていたこと、神様たちのこと、ユージン陛下のこと、そしてなにより、助けてほしい大切な人のこと。
正直、ティアも半信半疑だったと思う。だってこんな荒唐無稽な話、無条件に信じてくれなんていう方が難しい。
それに……これは多分、この世界における神という絶対的な存在を侮辱しているようにも取られかねなかった。だって神様、勝手すぎるし。
でもティアは、目を白黒させながらも真剣に話を聞いてくれた。時々スマ本を見せながら説明すると、ティアは少しずつ話を受け入れてくれるようになった。そして何よりも、王太子であるシーくんが否定せずに時々頷いていたのがティアにとっては決定打だったらしい。
全てを理解した瞬間、キャパオーバーになったのか気を失ってしまった。
王太子として今後のことを話してくる、とシーくんが出ていってしばらくしてから、ティアは目を覚ました。
まずは驚かせてしまったことを平謝りしてから、冷めてしまった紅茶を入れ直し、それを飲んで少し落ち着いたティアはようやく口を開いた。
「まさか、ルナが王太子殿下と知り合いだったなんて……。」
「それこそ、神様すら予想外の出会いだったみたいだけどね。」
元々、クロス様は私とウィルド様を婚約させるつもりだったみたいだし。シーくんを王太子に指名した後も神託で私の名前を婚約者として出す予定が、第一子以外の指名に王宮もシーくん自身も混乱してしまって有耶無耶になってるうちに私達は出会った。
なんだか、改めて考えるとある意味神様を出し抜けたような気がしてちょっと気分がいいかもしれない。
「……ティア、本当にありがとう。」
「?」
私は、ティアが落ち着いたタイミングで、どうしてもお礼がいいたかった。
「こんなことになってしまって、魔法薬の知識がある誰かに大切な人を託さなくちゃいけなくて、自分じゃどうしようもできないからこそ、不安だった。」
両親にだって、シーくんにだって、こんなことがなければ明かさなかったであろう私の前世。信じてもらえるなんて思ってなかった。でも、シーくんは信じてくれた。それだけでもすごく嬉しかったのに、他にも信じてくれて、力を貸してくれる人がいるなんて……本当に夢を見ているようだ。しかもそれが、この学園に来て初めてできた友達だなんて、本当に奇跡だと思う。
「でも、ティアなら信じられる。私の大切な人を託せるって思った。だから……本当にありがとう!よろしくお願いします!」
「そんな!こちらこそ、私なんかで力になれるか分からないけど、精一杯頑張るね!」
そう言って、ティアはこの部屋に来てから初めて笑ってくれた。




