表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/151

第96話

謎に腹が減る刻蝋値少年が向かう星は…………

第96話 腹が減って仕方ねぇ! だったら暴食の星に行くまでだぜ!


刻蝋値「……腹へったぁーーー!!!」


俺の名は(こく)蝋値(ろうち)! ゴキブリだ。最近の悩みは……食っても食っても腹が減る事だ。何故か腹減りが止まらないんだ。1週間前に封印したオナラも妙にたまって、そろそろ限界だし…………


ルビー「刻蝋値様、その……いい加減食べるのを止めていただけますか……」


ニクス「グァオオオオーーーー!!!」


食料管理部のルビーと俺のせいでありったけの肉に食らいつけないニクスが怒っているようだ。


刻蝋値「ニクスすまん、直ぐにモンスター狩ってくるから期限直して!」


ニクス「ガウッ!」


俺は10秒で手頃な獲物を持ち帰ってきた。


ニクス「ゴロゴロゴロ……」


猫科特有の安心時にならす喉の音を立てながら、モンスターを食らい始めた。


刻蝋値「すまんなぁ、俺も何でこんなに腹が減るのかわかんねぇんだよ」


ルビー「……冗談抜きで手を打たなければ飢饉に陥りますよ」


2人してニクスを撫でながら悩んだ。


インフィニティ「ハッ!お前ごときのドカ食いなんざ、ベルゼブブ様に比べりゃ可愛いもんだぜ!」


刻蝋値「お? 最上級魔王か?」


インフィニティ「ああ、あまりの暴食ぶりに、アホみてぇに肥沃な星に軟禁されているぜ!!」


刻蝋値「よし!! その星に行くぞ!!!」


インフィニティ「いきなりだな!?」


ルビー「フフ、こういう方です」


刻蝋値「よし、今回のメンツはルビー、ニクスに加え、筋肉育てたい連中全てを連れてくか」


俺はそう言って、おもむろに端末を取り出した。


刻蝋値「……あー、もしもし! 刻蝋値だ。……おう、お前の仲間のサムとフォールを貸して欲しいんだけど…………増量にぴったしな星が見つかってな!」


ま、そんなこんなでメンツを揃えてみたぜ!


ガーネット「えらくむさ苦しくなったな。けど……」


視線の先には刻蝋値を凌ぐガタイを持つバレットがいた。


バレット「な、何だ? 服なら後ろ前あってるぞ?」


明らかに戸惑っているようだ。


ガーネット「いーや、何でもねぇ!」


ダイア「出たよ。ろうち以上の筋肉量だもんね。仕方ないか」


フォール「ふん、まるで攻撃しか考えていねぇ人選だな」


サム「増量しやすいのは有り難いが、暑苦しくてかなわんな」


ルビー「私達だけ場違いですね……」


エマ「そうだよね~。押し潰されちゃいそう!」


刻蝋値「確かにな~。エミ、平気か?」


エマ「エマだよ! うん、大丈夫。刻蝋値兄ちゃんがいれば、押し潰されることはないもん!」


刻蝋値「そっか。それじゃ、行くぜ!!」


ラビとライトが共同でバージョンアップした宇宙船に乗り、宇宙1肥沃な星、サタデースターに出発だ!!


~サタデースター~


刻蝋値「いやー、こんなに早く10万光年先につくなんてな!」


ほぼ一瞬でサタデースターに到着したのだ。


ガーネット「ローチ!」


刻蝋値「ん? どうした」


ガーネット「どうやったらバレットに触れるんだ? あいつ、あたしのこと羽虫みたいに避けやがるんだよ!」


刻蝋値「あー……アイツはあれでキレイ好きだからなぁ…………殴り合い以外で他人と触れるのは嫌いなんだよ」


ガーネット「だけど……最近のローチもだけど、何でこう……人間を見る目がどこか犬や猫を見るような目になってるんだ?」


刻蝋値「バレットは兎も角として……(少し困ったなぁ)」


そう、最近気づき始めたことだが、俺は人間の容姿に対してあまり感情を抱けなくなったのだ。正確には、スーパーモデルクラスの美女が裸で目の前に居ようとも、欲情しなくなったのだ。以前は人間だった頃の記憶が鮮明だったからか、人間の美女を見るたび鼻の下を伸ばしていたのだが、今じゃあ「あ、可愛いな」位の感想しか浮かばなくなってやがる…………所詮は異種族同士という訳だ。


バレット「そりゃそうだろ。異種族とむやみに触れあったら、変な風邪とかひいちまうだろ」


ガーネット「こんな立派な筋肉を持ってるやつが風邪なんか引くかよ!」


フォール「サムはしょっちゅう体調崩すがな!」


サム「おいっ…」


ガーネット「そうそう! 手合わせでウィントに凍りつかされて、風邪引いて……移動中に情けなくあたしの肩を借りてたなぁ!」


サム「てめぇ……覚えてろよ」


刻蝋値「お前らも色々楽しくやってたんだなぁ。傭兵団長として隊員を楽しませてくれた事には感謝の念しかねぇぜ! 帰ったらウィントに伝えてくれよな」


フォール「おう、任せろ」


バレット「お、早速モンスターのお出ましだぜ」


バレットが指差した方向には、体高10mはある猪が今にも突進してきそうなオーラを発していた。


刻蝋値「よし、飯一号だな。ルビー、今からメニューを考えといてくれ」


ルビー「はい!」


猪が突進してきた! と、同時に横から現れた何かに丸飲みされた。


ダイア「あれ……? 確か古代の魔物でこんなのが」


刻蝋値「Tレックスだな」


体高50mはあるTレックス……ならぬ、GTレックスが俺たちを見ながらヨダレを垂らしていた。


サム「手応えがありそうだ」


フォール「ガーネット、お前も手伝え!」


ガーネット「おう、さっさと食肉にしてやろうぜ!」


ダイア「武術は通じないけど……最大火力の攻撃は効くかも……」


それぞれが身構えた……が


バレット「グングニール!!」


バレットの拳1発でGTレックスは沈んでしまった。


ダイア「あらら、終わったね。ん?」


ガーネット「…………スゲェ。バレット! 頼むから抱きつかせろよーー!!」


バレット「よ、よせ! 近づくな!」


謎のおいかけっこが始まった。


刻蝋値「何度も言うが、アイツは潔癖症なんだ。たとえば、俺がフレイムスターで倒しまくった黒ゴキの糞を触った手で、バレットの武器を使っただけで」


皆「それはお前が不潔なだけだ」


刻蝋値「…………そうか」


屁の事といい、最近の俺はどうもおかしい。今のGTレックスだって……


ルビー「……全部食べないでくださいよぉ。料理出来なくなっちゃいましたよ…………」


残すと決めた分まで食っちまったのだ。


刻蝋値「う~ん、こんなのがたくさんあるから、また狩れば良いよ」


第97話 ハンティングアーンドイーティング!!に続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ