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第91話

しばらくは高速投稿出来ないと思われます……

第91話 これじゃあまるで……黄金の国じゃねぇか!!


俺は(こく)蝋値(ろうち)!!……ゴキブリだ。(キリッ!)……今、マンデースターの最奥部に居る魔王・マモンに会うべく、ヘルツシュプルング山の山頂にある穴から飛び降り、地下世界に降り立ったのだが………………


エメラルド「黄金ザックザク~~!!!」


目をハートにし、よだれを垂らしながら呟く。


エマ「お兄ちゃん……眩しすぎて、落ち着かないよぉ…………」


あまりの輝きに、目が慣れないようだ。


タート「俺の甲羅が……黄金色に輝いてる!?」


光沢を持つ部分は、反射光で金色に光るらしい。


アリアドネ「反射光で髪が金色になってる……昔に戻った気分ね」


色素がない部分は染まる。


ラビ「僕やアリアドネさん、エメラルドさんは、白いから反射光の色に染まっちゃいますね」


白色部位も、勿論染まる。だが、俺達が抱いた感想は違った。


ポイズン「……悪趣味だな」


吐き捨てるように言った。


刻蝋値「同感だ、多分これ全部星の人々から作られてるぜ。見映えのカッコ良さに騙されちゃいけねぇ」


インフィニティ「全くマモン様らしい魔界だぜ……長時間居たら頭がおかしくなりそうだ。全部溶かしてやりてぇぜ!」


刻蝋値「俺がマモンに話つけるから、爆撃融解はするなよ」


元々頭がおかしいコイツはこうでも言わないとマジで実行しかねない……


インフィニティ「回りくでぇな。さっさと行くぞ! 魔物共も俺達にはビビって襲ってこねぇしな。退屈だぜ!!」


足を早めようとしたが……


エメラルド「アリア姉、見てみてー!」


アリアドネ「あら、金の指輪じゃない。どこで見つけたの?」


エメラルド「アタイが即席で作ったんだー!」


ラビ「凄いです!」


エメラルド「えっへん! はい、遠征記念のプレゼント!」


アリアドネ「フフ、ありがとう」


エマ「いいなぁ~……」


エメラルド「はい、エマちゃんの分!」


エマ「やったぁ! ありがとう!!」


刻蝋値「お? 何だ何だ? 俺にもおひとつ……」


ついつい物珍しさに足を止めてしまったので


インフィニティ「テメェらさっさと来ねぇとここら一帯ごと消し飛ばすぞオルゥア!!」


奴が怒り始めた。一方うるさくない二人は……


ポイズン「やれやれ……どいつもこいつもうるせぇな…………」


静かな雰囲気を好むポイズンは呆れきっており


タート「あっ、シェルシャッターの電池切れた!……トホホ」


金色に変色している自身の甲羅を最新のカメラで撮ろうとしたところ、電池が切れたようだ……


全くもって纏まりが無いぜ!


1時間程歩き……


エメラルド「先程とはうって変わって暗くなったねー……」


ラビ「入口から降り注ぐ光が光源のうち、9割以上を占めているらしいですね」


タート「……逆にそれだけでここまで光らせていることに驚きだぜ」


刻蝋値「だけどこれくらい暗い方が落ち着くなー」


アリアドネ「ええ、ゴキブリの本能かしら?」


ポイズン「お前の場合はアシダカグモも関連しているだろうな」


俺達ゴキブリは夜行性、暗い場所を好むのさ。


エマ「……お兄ちゃん、疲れたよぉ。おんぶして」


刻蝋値「よし、今から俺が守り続けてやるぜ」


ヒョイとおんぶして言い聞かせてあげた。


ポイズン「む……お前は」


前方の人影にポイズンがいち早く気づいた。


???「……異星人か。俺は宇宙1を目指すトレジャーハンターのシンだ。お前達は何ゆえここに来た?」


ハットを被ったウナギ星人が問いかけてきた。


刻蝋値「俺達はこの先でふんぞり返っている魔王をぶっ飛ばしに来たんだ」


シン「……あの暗愚王に派遣されたアサシンと言ったところか?」


アリアドネ「ん……少し違うわね。あの王様と魔王の関係を知り、これ以上犠牲者を増やさないために来たわ」


シン「何と……慈善活動の為に来たのか…………」


刻蝋値「正確には俺の都合のためだな。別に俺は正義の心なんて持ってねーぞ」


エメラルド「目的達成の過程でたまたまこの星も救う感じだね!」


シン「ならばなおのことこの先には通せない。ヘルスパイダーの餌にはさせないぞ」


ポイズン「……何だそれは?」


シン「この星最強の毒蜘蛛だ。奴等とマモンの目を掻い潜り、如何にしてお宝を持ち帰るかがキモなのさ」


刻蝋値「あれがそうなのか?」


毒蜘蛛らしき姿が30m先ほどにある。


シン「な……しまった」


エマ「ヒイッ…………」


過去に蜘蛛に食われたことがあるエマも怯えている。


アリアドネ「安心なさい、私がどうにかするわ」


刻蝋値「あー……お前腹減ってるやろ」


アリアドネ「ええ、何か食べないとあなた達の誰かを食べかねない所に、丁度良い餌が見えたようなものよ」


最早ゴキブリの面影が殆どないギガローチに変身し、臨戦態勢を取った。


ポイズン「やはりその姿になると、蜘蛛に近くなるのだな」


毒蜘蛛『キリキリキリ……』


前方4本の脚を上げ、威嚇してきた。


アリアドネ『……』


刹那、一瞬で毒蜘蛛の腹にアリアドネの牙が刺さり、消化液を注入。中々グロテスクな補食シーンが流れることとなった。


シン「………………」


そしてこの非日常的な光景を前に、シンは固まってしまった。


タート「気持ちはわかるぜ」


ラビ「でもこれでこの人たちが毒蜘蛛など敵じゃ無いほどの強さを持ってることをお分かりいただけましたかね?」


シン「……よーくわかった」


インフィニティ「退屈だ! 進むぞ!!……何だこの壁は?」


突如目の前に巨大トゲトゲ壁が現れた。


刻蝋値「なんだろこれ?」


俺は試しにトゲを1本折ってみた。


???「ピギャーーーー!!」


シン「ギガゴールドヘッジホッグか! 転がる攻撃には気をつけ……」


インフィニティ「くたばれ!」


シンの注意はよそに、インフィニティが只の拳でギガゴールドヘッジホッグを粉砕した。


ポイズン「……俺も決戦前の腹ごしらえをしようか」


ポイズンも巨大セアカゴケグモに変身し、ギガゴールドヘッジホッグの欠片を補食し始めた。


刻蝋値「あ、俺にも食わせろ!」


俺も腹ごしらえ!……何だか最近やたらと腹が減るなぁ。


インフィニティ「おいこら! さっさと行くぞ!」


タート「まぁまぁ、そう焦らずに……」


ラビ「タート! 後ろ!!」


背後に忍び寄っていた毒蜘蛛に噛みつかれそうになったため、急いで甲羅に閉じ籠ってガードした。


インフィニティ「中々頑丈そうじゃねぇか。そのままでいろ!」


タート「ヘ?」


タートはこの時物凄く嫌な予感がしていた。


インフィニティ「周りを囲んでいるやつ全員アイスホッケーでぶっ殺してやるぜ! オラァ!!」


タート「うわあああ!!」


嫌な予感、蹴り飛ばされることが現実となり、壁を縦横無尽に撥ね飛ばされながら、毒蜘蛛達を瞬殺することになった……


アリアドネ「ぷはぁ……まあまあ美味しかったわね。あら?」


いつの間にかカオスな事になっている現状に少々混乱した。


刻蝋値「おーおーうまい奴等がゴロゴロ転がってら。腹減ってる奴は挙手してくれ。いなけりゃ俺が全て食うぞ」


インフィニティしか挙手しなかったので、俺が殆ど食うことになった。


~最下層・魔王の部屋~


マモン「ククク……知的生命体とは愚かな存在よ」


タヌキっぽい奴「ええ、全く。こんな金塊に何の価値があるのやら……」


キツネっぽい奴「ま、奴等がバカなお陰でマモン様も我等も心地よい生活が出来ているんですけどねぇ~」


偉そうなゴブリン「さて、マモン様、新たな侵入者が間もなくここまで到達します。如何しますか?」


マモン「雑魚共を100名ほど囮にし、奴等を油断させろ。ラコン、フォクシーはワシと共に奴等を蹂躙するぞ。そしてキングゴブリン、お前は影から生き残った雑魚共を暗殺するのだ」


ラコンとフォクシー「了解!」


キングゴブリン「フェフェフェ……かしこまりました」


~門前~


ラビ「タート、行くよ!」


タート「よしきた!」


ラビ「サッカーゴール!」


ラビがタートを蹴り飛ばし、ゴブリンを2体倒した。


ゴブリン「ギシャー!」


隣のゴブリンが手斧をマッハ2で降り下ろしてきた。


タート「スーパーヘッドストライク!」


マッハ3の頭突きでこれを打ち倒す。


ゴブリン達「ギィシャー!!」


しかし集団相手だと殻に籠る以外は何も出来ない!


シン「トレジャーウィップ!!」


集団のゴブリンを一掃した上、ドロップアイテムをかっさらった。


シン「折角なので、皆さんもどうz…」


インフィニティ「いらん」


エメラルド「ごめんねー、それ既に持ってるよ~」


エマ「もう全手が塞がってるよー!」


シン「ははは……」


うん、可哀想すぎるな。


刻蝋値「1つもらうぜ」


シン「どうぞどうぞ!」


とりあえず金の手斧を貰った。そして歩みだそうとしたのだが……


ポイズン「少し待ってくれ……」


刻蝋値「ん?」


アリアドネ「たくさん居るわね。一掃してこようかしら?」


ポイズン「こういうのは俺に任せてくれ」


そういって大量の糸を放出し始めた。


ポイズン「敵が見えないなら大雑把に糸をばらまけば良い。そして感知した数と、気配を察知した数が一致した瞬間、致死毒をばらまく。無駄に体力を使うことはない」


バタバタとゴブリン達が落ちてきた。


ポイズン「行こうぜ」


刻蝋値「10秒くれ!」


俺はすかさず周囲のゴブリン達を食って食って食いまくった! やはり腹が減りすぎだ!


インフィニティ「……おい、アイツは普通の生命体なのか?」


アリアドネ「私が知る限りは限りなくゴキブリよ」


ポイズン「ただ一点おかしいとすれば……あらゆる方面の実力か。何故俺の毒をあんなに接種しても死なないのだ?」


エマ「普通お腹壊しちゃうよね……」


エメラルド「いや、死んじゃうよ」


刻蝋値「ごっそさん。さーて、行くか!」


戦の準備は整った! だったら正門をマッハ20で飛び蹴りだ!


~玉座の間~


マモン「来たか」


片方数トンは上回る扉がアホみたいな速度で飛んできていても、最上級魔王は動じていない。


ラコン「マモン様っ!」


フォクシー「危なっ…ギャッ!!」


取り巻き2体が前に出て、扉をそらそうとするも、押し負けて壁にめり込んだ。


刻蝋値「来てやったぜマモン! 俺の名は刻蝋値!! 自分(てめえ)の都合のためにお前をぶっ飛ばしに来た! 覚悟しやがれ!!」


マモン「……退屈しのぎになりそうだ。受けてたとう!」


刻蝋値「よっし、それじゃ……」


インフィニティ「……何だ?」


刻蝋値「お前が行け!」


数秒間を置き……


インフィニティ「…………はぁ!!!?」


第92話 やったれ下克上!に続く。

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