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第9話

新たな仲間と共にいざ、最終決戦へ!


第9話 魔王城の入り方を見せてやるよ!


うおおおお!俺の名は(こく)(ろう)()!!今は海の上をケンタウロスの姿をして、猛スピードで走ってるぜ!!


ガーネット「腹へったー。まだ陸につかないのかー?」


筋肉大将・ガーネットが腹減りを訴えた。ビルダー仲間として気持ちは痛い程解るぜっ!!…………あ、大将じゃなくて女将か。


マリン「後2、3分くらいで着きそうよ」


学校にいたら委員長とかしてそうなマリンが終着点を見据え、


アメジスト「しっかり準備して魔王を倒そうね!あ!見えてきた!」


いかにもムードメーカーなアメジストが、意気込んだ。

それと同時に遠くから巨大な大陸が、まるで押し寄せるかのように見えてきた。


刻蝋値「少し飛ぶぞ!空から町を探してくれ」


3人「はーい」


俺は有り余る速度の一部を揚力に替え、約50m程の高さまで一気に上がった。


ガーネット「お?おい!右側に大きめの町があるぞ!」


アメジスト「ご飯にしましょ♪」


刻蝋値「飯の時間だぁ!!」


~料理店~


ガーネット「最近発明されたらしい、トウモロコシを使ったアイスっていう料理、クソうめぇぞ!」


時代だと中性…………中背?わからん!俺は歴史が苦手だ!!な、この世界だと、アイスクリームは発明されたばかりのようだ。


アメジスト「でもガーネットちゃんの他の料理……低脂肪な肉ばっかり。何でなの?」


ガーネット「穀物類とヘルシーな肉を合わせたら、太らずに筋肉がつくからだよ。要は食い合わせだ。ってローチ言ってた」


刻蝋値「逆に高脂肪な肉は、穀物と会わせずに食った方が、美しい体作りの観点から良いらしいがな」


マリン「まぁ!刻様…………美しいとかそういう言葉も使うのですね」


刻蝋値「…………変か?」


3人「変 (です)!」


刻蝋値「はぁ……まぁ、俺は例外だから何でも食うんだけどな」


ゴキブリの食性は、雑食オブ雑食ゥ!!


???「聞き覚えのある声だと思えば、あなたたちだったか」


ガーネット「いつぞやのクソDV勇者パーティの武道家じゃねぇか!」


アメジスト「あ!カーボン!久しぶり!」


マリン「お久しぶりです、カーボン様。どうしてこちらに?」


女達、特にアメジストやマリンはカーボンに沢山助けられたので、再開を真に喜んでいる。


カーボン「武者修行中、現在の師となる人物と出会い、彼女につれ回されてここに来ました。皆さんはどんな用事でこちらに?」


刻蝋値「魔王討伐だ。カーボン、魔王の住みかは、この先の火山にあるぜ」


カーボン「!!、なんということだ…………デモンボルケーノはこれから師匠と武者修行に行くことになっている…………師匠がこんなことを聞いたら…………!!」


ガーネット「魔王に挑みそうだな!お前の強さから、師匠とやらが好戦的なのは想像がつく」


カーボンの総合ステータスは女達の1歩手前まで練り上げられている。この様から、ガーネットが彼の師匠に興味を持つのも無理からぬ話と言える。


カーボン「流石にそれだけは止めねば!!考えろ……考えるんだ!!」


刻蝋値「俺が止めてやろうか?」


カーボン「!、刻蝋値様……しかしどうやって……?それに刻蝋値様に利が無いように思えるが…………」


刻蝋値「俺が師匠の未熟さを教えてやるのさ!こんな実力で魔王に挑むのかぁ?ってな!それにその師匠、面白そうだ!!個人的に手合わせしてぇ!!」


うん、俺も興味が沸いてきたのさ!


カーボン「そうか…………!これなら師匠も考え直してくれそうだ!師匠はどんな者の挑戦も受ける人です。俺からもお願いします!!」


刻蝋値「よーーし!飯も食ったし早速師匠の元に案内しろ!あわよくば、パーティに加えて鍛えてやる!そうすればカーボン、お前の目標も一段と高くなるぜ!!」


カーボン「はい!!…………え!??」


俺の想定外の発言に、カーボンの凛々しい目が頭と同じまん丸へと変わった。


~コロシアム~


師匠「おー、あんたがカーボンの恩人さんかー。腕4本っておもしれーなー!」


刻蝋値「恩人って程じゃねぇけどな、あんたこそ女性でここまでの物理戦闘力を持ってるのは、尊敬できるぜ」


前腕や膝下こそ女性らしい細さだが、力こぶや太ももは瞬発系アスリートのそれであり、広背筋や大胸筋、腹直筋は下手なボディビルダーよりも発達している……背丈もガーネット並みに高いし、俺と同じくパワーとスピードで攻めるタイプなのかな?


師匠「へへ、あんたこそ昆虫タイプの魔物か亜人かよくわからんけど、凄まじく強いのは分かるよ。それと私はダイアモンド。ダイアってよんでくれ、あんたは?」


刻蝋値「(こく)(ろう)()だ!ろうちで良いぜ。1つお弟子さんから頼まれ事が合ってなぁ、現在魔界の門が開いているから、デモンボルケーノに行くのを止めてくれ!ってな。聞いてくr…」


ダイア「勿論却下だ!!」


刻蝋値「ま、ここまで聞いてくれないのは、俺も予想通りだ。次の願いを聞いてくれないか?」


ダイア「…………いいよ」


刻蝋値「手合わせしてくれ」


ダイア「売られた手合わせは買うしかないね!武道大会に出てるから、決勝で会おう!」


刻蝋値「分かった!Bレーンに出場申し込みしとくわ」


それからはお互い連戦連勝!あっという間に決勝まで進んじまった!……折角だから一部始終を見せようか。


刻蝋値「マッハナックル!」


全身の連動を生かした超音速の拳から放たれるソニックブームで、相手を触れずに気絶させた。


~ダイアの試合~


ダイア「はああっ!!」


ガードの上から相手の顔面に蹴りを直撃させ、強引に勝利をもぎ取った。


~刻蝋値の試合~


相手「ど、どこだ!?」


俺は超スピードを出しつつ、風圧を生まないような体捌きで動き続けることで、相手の知覚から消えている。


刻蝋値「ここだよ」


そしてチョップで意識を飛ばしてやったのさ。


~ダイアの試合~


相手「オラオラオラオラァ!女なんて俺からすりゃあ、全員リーチの短いちんちくりんなんだよ!!」


リーチもスピードもかなりある相手の猛ラッシュを涼しげな顔をして避け続けている。


ダイア「おじさーん、もっと頑張ってよー。止まって見えるよ?」


相手「う"~~~!?なぜ当たらない!!ピャアオッ!!」


相手が相手なら胴体と脚が両断しかねない中段回し蹴りも、ダイアは軽くしゃがんで避けてしまった。


ダイア「バイバイ、男女差別主義おじさん」


相手「おぐおあっ!?こ……の…………」


ダイア「安心して、急所ははずしたから」


相手「!………………」ガクッ


こうして俺たちは決勝で合間見える事となったのだ。


~決勝戦~


ダイア「ろうち、楽しもう!」


司会「レディ…………ファイt…っなっ!?何だ今の音はああ!?!?ダイアモンド選手!凄まじい蹴りだああ!!!」


カウントが降りたとたん、耳をつんざく轟音が鳴り響いた。ダイアの蹴りを俺が腕で、軽く受け止めたのだ。そう、俺たちにとっては準備運動レベルなのさ!


ダイア「片腕かぁ…………というか、わざと受けたでしょ?」


刻蝋値「ばれたか…………俺も攻めるぜ」


俺は音速に迫る速度の4本腕ラッシュを放ち始めた。


司会「刻蝋値選手!腕が消えた!?それにダイア選手も体の一部が消えたり現れたり!!どうなっている!?」


ダイア(こりゃ当たり所悪かったら1発KOだな!だけど私ならカウンターだって返せる!)


ダイアは隙をついてカウンターを放ってきた。


刻蝋値(この猛攻でカウンターまでやるか。いよいよ面白くなってきた!)


ダイアのカウンターを片手で捌いた俺は、いよいよテンションが振りきれそうになってきた。


ダイア「ここだ!!」


刻蝋値「おお!?」


一瞬で背負い投げの投げに入られた!受け身をしても良いが、あくまで試合だからそれじゃあ判定負けになりかねない。ここは


刻蝋値「空を飛ぶ~!」


俺自身が一番高い位置に持っていかれた瞬間に、羽を羽ばたかせて爆発的な揚力を獲得!


ダイア「うわっ!?」


ダイアごと宙に浮かんだ。が、やはり彼女は手練れ中のそのまた手練れ。即座に抱えてた俺の腕を離し、追撃を警戒して蹴りで腕を弾く徹底振りを見せつけてきた。


司会「両選手が現れたと思いきや、この体制は着地か?と言うことは、空を飛んでいた~~!?私には速すぎてわかりません!!」


刻蝋値「いやー、強いねぇ~!」


ダイア「……本当にそう思ってる風には見えないけどなぁ。本気、出してよ」


刻蝋値「本当に思ってるさ、なんなら感動すらしてるよ。これが武術か……本気のスピードでどうにかなれば良いけどなぁ」


ダイア「来ないならこっちから行くぞ!」


刻蝋値「おお!」


司会「今度はダイア選手の猛ラッシュ!!私には拳が時々見える程度で、その全貌はわからない~~!!」


やはり遠くから見るのと実際に受けるのでは感触が違うな。ぶっちゃけ全ての攻撃を避けているんだけど、今までで一番回避に難儀しているのは間違いない。


ダイア(ろうち……動きは殆ど素人なのに、神がかった反射神経と動体視力、馬鹿みたいな筋力から産み出されるスピードで全部の攻撃を避けやがる…………あり得ない、こんなこと………………)


ダイアは格闘家として鍛え上げた腕が通用せず、始めてのタイプのプレッシャーを感じ始めた。


刻蝋値「ほっ!」


試しに拳を放ってみたら、やはり鋭いカウンターが返ってきたので、思わず後退してしまった。


司会「あっと!?刻蝋値選手!距離を取ったぞ?」


刻蝋値「さて、お望み通り、本気で倒しに行くぜ!」


強く地面を蹴る!!


ダイア「速い!…………追いきれないか」


刻蝋値 (ここだ!)


背後から回し蹴りを放つ!


ダイア「ここだ!」


それを後ろ蹴りでカウンターする!が、蹴りが届く頃には、既に俺は回し蹴りを中断して、ダイアの背後に回っていたところだった。


ダイア「うそ…」


そして超音速の拳を放っ…寸止めし、膝カックンを軸足にした。


ダイア「キャッ!え!?…………負けた?」


刻蝋値「確か地面に倒しても勝ちだったよな。いやぁそれにしても試合も身体も良かったぜ!後でまた話そうぜ!」


ひとまず俺が優勝になった。結果はわかりきっていたとはいえ、ここまで楽しませてくれた女はダイアが初めてだ。この女は俺のものにする!そう決めた瞬間であった。


~ロビー~


ダイア「ろうち!ちょっと面貸せ!!」


刻蝋値「お?どうした?」


いきなり胸ぐらを掴まれたが、心当たりがあったので、特に驚かなかった。


ダイア「あんた、寸止め前に私の体を触りまくったな!!」


刻蝋値「おう!色んな意味で良い身体だと思ったからな!」


ダイア「何て変態なんだ!悪びれもせず!!…………だけど、変な意味じゃない方の意味次第なら…………あんたに…………着いていきたい」


刻蝋値「ああ、もう1つの意味は、良質な筋肉…………いや、成長の余地がある筋肉だと思ったからだ。確かに俺は下心もあるが、ダイア。お前を仲間にして、強くしたい。そして、武術を教えてほしい」


ダイア「うん、わかったよ。一緒に着いていく。魔王も倒したいし、ろうちの強さにもっと近づきたい!」


刻蝋値「おう、ありがとな!俺の同行という条件付きで、魔王討伐、許可するぜ!」


ダイア「よっしゃ!それじゃあ、カーボンにちょっと挨拶してくる!」


俺は腕にある耳(ゴキブリやコオロギは腕に耳があるぜ!)で、別れる師弟の挨拶を盗み聞いた。カーボンは「やはり行ってしまわれるのですね」とか「魔王討伐でどれだけ差をつけられようとも、いつかあなたを越えて見せます!」とか、立派なことを言ってやがる。これなら安心してダイアを連れていけるな。


ダイア「終わったよ。行こう」


やはり良い弟子だったのだろう。寂しくて涙が出たんだな。


刻蝋値「ああ」


そして、人馬形態で砂漠を走り始めた。ダイアは最初変身した俺に驚いていたが、俺の正体がゴキブリだと分かると、それだけで納得して笑いだした。彼女の見た目で判断しない性格は、非常に好感が持てる。


刻蝋値「ううう…………」


ガーネット「どうした?」


ダイア「ろうち?腹でも壊した?」


アメジスト「もしかして!脱皮?」


マリン「まぁ!人馬形態では初めてではないですか?」


刻蝋値「すまない…………一時間だけ守ってくれ……おおおおおおおおオア!!!っし、脱げた!」


ダイア「…………それは良いんだけど、服は着ようよ」


ガーネット「ははっ!人馬形態ならまだましさ。亜人形態だとフル○ンの男になるんだぞ!」


ダイア「えぇ…………」


マリン「しかし、いっそう大きな姿になられましたね!」


アメジスト「4人になって、狭かったけど、これで乗り心地も更にマシマシだね!」


刻蝋値「ああ、1時間後には最高の乗馬体験をさせてやるぜ!」


ダイア「あれ?ろうちの前世って馬だったっけ?」


実際、今回の脱皮により、最高速度が1.3倍位まで増した。筋力の大幅な上昇により、4人乗せても速度は殆ど落ちず、俺自身が快適なドライブを楽しむほどだった。


~デモンボルケーノ山頂~


刻蝋値「これが火口か。……あの穴が魔界への入り口だな」


火口の内部に黒い大穴があった。


アメジスト「蝋値様!私を全力で守ってね!」


マリン「フフ、私さえ居れば、皆様の回復はできますわ!」


2人がすり寄って来たので、下側の腕で抱き抱えた。


ダイア「モテモテだなぁ!」


ガーネット「あの二人はローチに大恩があるからな」


刻蝋値「お前らも一緒になるんだよ!ほらほら!」


ガーネット「わっ!?」


ダイア「またセクハラか!」


1人だと、二の足を踏むダイビングも、複数人なら余裕だぜっ!これぞ赤信号理論!あ、俺は単独でもヘーキだぞ!!さて!


刻蝋値「ごちゃごちゃうるせぇ!魔界に飛び込むぞーーーー!!!」


女性陣「キャアアアーーーーー!!」


そして魔界へと侵入した。


刻蝋値「ん?重力が横になってんのか?」


一先ずホバリングで空中制止してみた。


刻蝋値「地面スレスレ…………何でこんなワープホールの出口にしたんだ?設計者アホだろ」


女たちを地面に降ろし、俺自身も直立することにした。


刻蝋値「お前ら、さっさと起きろー」


ダイア「あー、ビックリしたー……」


安堵する者。


ガーネット「前も言ったけど、せめて後衛に気配りしようぜ?」


呆れる者。


刻蝋値「気配りしたつもりだぜ?あいつらがすり寄りたがったから、より密着して抱き抱えた訳だし」


マリン「う~ん…………死んだかと思いました…………」


目覚める者。


アメジスト「マグマが怖かったよぉーー!」


泣きじゃくる者。四人(よんにん)()(いろ)だなっ!


刻蝋値「まぁ、無事だったから良いだろ。あれが魔王城か、早いところ行こうぜ」


~城門前~


刻蝋値「大層な門だぜ、何ゴールド使って作ったんだよ?」


マリン「ゴールドを使って作るものなのでしょうか?」


ダイア「絶対違うよね…………?」


ガーネット「大方魔物を強制労働させたんだろ、さて、どうやって開けるか……ん?」


ガーネットがなにかに気づいて向いた方向では、刻蝋値がエクスカリバーの拒絶反応を利用して、門に凄まじい勢いで、エクスカリバーをぶつけていた。


刻蝋値「あの穴を利用すれば…………いける!皆、これぐらいなら謎解きなしで破壊できそうだ」


アメジスト「キャーーーーー!!圧倒的パワー楽しみ~~~~!!」


刻蝋値「門の前からかなり離れてくれ」


全員が離れたのを確認後、俺はメタモルフォーゼ・ビーストで、獣形態に変化し、最高速度で穴を抜けた。


ダイア「ろうちは何を考えてるんだ?」


ガーネット「ああ、アイツは凄まじい威力の体当たりで、門を破壊しようとしてる筈だ。そろそろ来る頃だから耳を塞いどきな」


ダイア「…………ヘ?」


訳が解らず耳をふさいだ瞬間、巨大鎧ゴキブリに変身した刻蝋値はやって来た。


刻蝋値「必殺!スーパーソニックストライク!!」


エクスカリバーをもった勇者すら切り崩せそうもない巨大扉を容易く破って見せた。当然魔王の手下たちの一部もとばっちりを食らっている。


ガーネット「あたしらも乗り込むぞ!」


ダイア「っしゃあ!燃えてきたっ!!」


アメジスト「蝋値様!いま行くよーー!!」


マリン「回復はお任せください!」


刻蝋値「オラァ!!!魔王!!!玉座で耳ほじりながら待ってやがれええええぇえぇえええ!!!!」


第10話 折角だから経験値稼いでから行こうぜ?に続く。


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