第86話
大将戦を制する者は…!?
第86話 ああ!? 誰がキレイな(きたない)魔王だ!!
レフェリー「構えて……始め!」
刻蝋値「おおおっ!」
俺はいきなりマッハ40の速度で駆け出し、拳を振るおうとした。
インフィニティ「その動きだけかぁ!!」
インフィニティはゼロから俺の戦法を聞いていたらしく、カウンターの下段足刀蹴りを放ってきた。
刻蝋値「な訳……」
インフィニティ「!」
俺は奴の足に下段突きを放ち、その反動で超高速回転。猿形態に変身し、奴の全身を切り刻み始めた。
インフィニティ「ハアッ!!」
刻蝋値「うぅお!!」
刹那、奴の体から高エネルギーが放出! 内臓に僅だがダメージを受けちまった!
刻蝋値「ケンタウロス! キネテイック・スタンプ!!」
インフィニティ「グウッ!!」
奴の死角からマッハ80で突っ込み、マッハ82の全力前足踏みつけを食らわす!
インフィニティ「小賢しい!なっ……があっ!?」
上に乗る俺を振り払うべく、腕を振るってきたので、後ろ両足で受け、その勢いで高速回転、そしてマッハ84の下段突きをお見舞いし、右肩を爆砕した。
刻蝋値「どうよ! お前との実力差は格闘技の熟練度だぜ!!」
ダイア「いいぞー!ろうちー!」
パール「このまま押しきれー!」
サファイア「ヒヒーーン!」
ニクス「グァオーーー!!」
魔王軍「インフィニティ様の肩を破壊しただと!? あり得ん! あの方は実質最上級魔王と同等の実力者なんだぞ!!」
デストロイ・ブラスト「グハハハハ! あのゴキブリを上級魔王の自称エリートごときが倒せるはずないわ!!」
自身を何度も叩きのめしてきた刻蝋値の強さに絶対の信頼を置いているようだ。
魔王軍「やい、下級魔王! バトロワで中級魔王相手に立ち回ったからって調子に乗るな!ってかお前は何で下等生物側に居るんだよ!」
同じ魔王……ましてや下級なのに、自分達の軍門に下らず、刻蝋値達の味方をしているデストロイ・ブラストが気に入らないようで、すかさずヤジを飛ばし始めた。
インフィニティ「そうだな!俺も全力でお前を叩き潰してやろう。シンギュラーグレードアッパー!!」
奴は全身のエネルギーの流れを最大まで加速させ、身体能力を大幅に上げた。
魔王軍「出た、最上級魔王すら恐れるインフィニティ様の最終形態。一気に片を付けるおつもりだ」
インフィニティ「オリジンナックル!」
やべ!
刻蝋値「ぅお!?」
辛うじて後ろに飛び退き、衝撃を和らげたが、結局ミラーコートを大きく引き延ばしながら、観客席に座ってるスパークの真横まで飛ばされた。メッチャ嫌そうな顔で見られたし……
刻蝋値「マッハ70は超えていたな……」
ウォリアーコックローチまで計4回の転職を行ったことで、最高速度がぐんと増したのだが、反応速度がまだまだ追い付いていない。
刻蝋値「オラッ!!!」
伸びたゴムが勢い良く戻るように、ミラーコートも勢い良く縮み、俺はその勢いプラス跳躍でマッハ85を叩きだし……
刻蝋値「キネテイック・ナックル!!」
インフィニティ「ごふぅ!」
奴を殴り飛ばした!……ってかさっきから、星から簡単に脱出してしまう速度の応戦をしているけど、この闘技場が壊れる気配が全くねぇ。この闘技場を作った奴はマジで凄いと思うぜ。
インフィニティ「グハハッ!!」
刻蝋値「おっと!」
奴も俺の真似をして壁ジャンプによる突撃をしてきたが、運動量保存の法則により、俺より質量が大きい奴の速度が遅いため、回避には苦労しない。
インフィニティ「まだまだ!」
しかし、奴が自身の脚力を利用して、運動量を増やしていけば話は違う。ミラーコートに当たり、跳ね返る寸前に筋力を上乗せすることで、加速してきたのだ!
刻蝋値「っっ……む……速くなってきた……」
インフィニティ「スーパーメテオナックル!!」
マッハ90の一撃!! 俺は咄嗟に亜人形態に変身し、その運動量を回転エネルギーに変換した!それでも力点となった右上下の腕は捻挫に近い痛みを感じるし、内臓が悲鳴をあげている!
刻蝋値「メテオトルネード・ナックルズ!!」
その水平成分マッハ95はあるだろう回転力を生かし、奴に超々連撃をお見舞いする!
インフィニティ「ぬおおおおっ!ヲアッ!!」
奴も負けじとマッハ80の拳で反撃!
刻蝋値「グッ!?」
モロに入った! 俺は吐血しながらミラーコートに叩きつけられ、獣形態に変身しつつ、壁蹴りでマッハ94まで加速。人馬形態に変身してマッハ96の拳をお見舞いしてやった!……そして奴が……俺が…………奴が……………………俺が……………………
魔王軍「…………何が起きてるのかさっぱりだな……」
アレス「…………これじゃあどちらが上級魔王なのか分からないな」
ルビー「アレスさん? 刻蝋値様にそのような物言い……私に調教されたいとお見受けしました」
アレス「い、いや! そんなつもりで言ったわけじゃ……」
魔王軍「貴様!そこの下級魔王にギリギリ勝ったことがあるからって、インフィニティ様を愚弄したこと許さんぞ!!」
デストロイ・ブラスト「しれっと俺をバカにするでない! 名ばかり魔王軍団!!」
シトリン「でもさぁ、あの上級魔王も大将も戦い方はそう変わらないんだよね~」
魔王軍「インフィニティ様と張り合うだけはある……」
ガーネット「さしずめローチが戦っているアイツは闇落ちローチで」
魔王軍「インフィニティ様が戦っているアイツはキレイになったインフィニティ様って訳だな」
この言葉を
刻蝋値「キネティック・ラッシュ!! オラオラオラオラオラァ!!!」
聞いた
インフィニティ「オリジンアッパー!!」
俺たちは
2人「オラァ!!!」
互いの一撃を相殺しあい、その後の一撃で互いに反対側の壁にぶつかった後……
刻蝋値「誰が闇落ち上級魔王だぁ!!」
インフィニティ「誰がキレイなゴキブリだぁ!!」
と、同時に分からず屋共に叫んだ。
刻蝋値「……全く、こんな残虐で、自分の事しか考えていなくて、肉弾戦しか出来ねぇ奴と同じにされる筋合いはねぇよ」
インフィニティ「バカ共が、俺をこんなエゴイストでバトルジャンキーで、脳筋な戦法しか使えねぇゴキブリと同列に考えやがって……全員死刑にしてやろうか?」
両者のこの発言を聞き……
観客達(まんま自己紹介じゃねーーーか!!!)
と、誰もが思った。そして……
魔王軍「所で……キレイなゴキブリって何だ?……さぁ?」
閃影「……闇落ちした…………闇影?……解らぬな」
それぞれのリーダーを現す言葉に不備があったことに気づいた。
刻蝋値「なんか色々どーでも良くなった! テメェをぶっ飛ばす。ただそれだけだ!!」
インフィニティ「同感だ! 貴様をぶっ飛ばし、俺が最強だと証明する。それだけだ!!」
2人「うおおおおお!!!」
殴る! 蹴る! ぶちかます! 避ける! 当てる!外す! カウンター! ぶっ飛ばす!ぶっ飛ばされる!……一撃一撃がギャラリーの誰に当たっても即死・宇宙追放クラスの応酬を繰り広げ始めた。音速なんて、何十倍も超えた攻撃が飛び交うため、発生する衝撃波もえげつなく、衝撃波だけでミラーコートがひしゃげる程だ。大気摩擦による熱やプラズマも尋常ではなく、俺たちのいるフィールドはほとんどの物質が蒸発するほどの気温となっている。……流石に暑い。
インフィニティ「さしもの貴様もこの高熱には参るか!」
刻蝋値「お前だって体力が落ちてきてるだろ!」
インフィニティ「ごもっとも……だが、俺にはやらねばならぬことがある!……そのためには、お前ごときに遅れを取っては居られないのだ!!」
刻蝋値「俺だってやるべきことがある。果てしない使命だが、あの娘と誓い合ったからには必ず果たす! それこそお前ごときに躓いてられねぇ!!」
インフィニティ「何だと!?ゼロが欲していた娘との約束ごときで俺を邪魔すると言うのかぁ!!」
なんだ!? すげぇラッシュ! まずは抜け出す!
インフィニティ「逃がすか!俺はこの宇宙における最強生物になる存在なんだぞ!! 他のすべては有象無象だ!!」
強烈な蹴りを食らい、吹き飛ばされた!
刻蝋値「いいや、俺は……」
獣形態における最高速度で眼前まで迫り、亜人形態に変身して最強の飛び蹴りを炸裂させた。
刻蝋値「神々をも打ち倒し、どの存在よりも最強になる!! そうしねぇとエマとの約束を果たせねぇ!!」
インフィニティ「馬鹿げた空論をほざきおって!! これで終わらせてやる!!」
刻蝋値「この一撃で沈めてやる! おおおおっ!!」
互いに出来るドーピングをすべてつぎ込み、最強の状態になった。
インフィニティ「必殺・ビッグバンストライク!!」
全エネルギーを後方に発射することで得られた運動量による、マッハ99の突進!!
刻蝋値「ぐぅおっ!」
衝撃波だけで吹き飛ばされたが、どうにか回避成功!
インフィニティ「避けただと!?」
奴が動揺している隙に周囲を走って加速し続け……
刻蝋値「俺の技は更に進化する。マッハ100を超え、その一撃は山ひとつは消し飛ばす。Mt.B・ストライク!!」
鳩尾にマッハ105のぶちかましを炸裂させた!!
インフィニティ「がっっっ!!!!??」
衝突時も地面に着いた脚で加速を続けたので奴の体も加速し、ミラーコートをひしゃげながら斜め上へ飛んでいき、遂にはミラーコートを貫通して宇宙船も貫通し、月面へと衝突した……。
刻蝋値「なんとか……勝ったぞ」
色んな所がいてぇ……体重差があったから、パワー自体は奴が上だったな。……筋トレしないとな。
レフェリー「こ、刻蝋値チームの勝利!!」
魔王軍「ああ……インフィニティ様が負けるなんて……俺たちどうなるんだ……?」
ウィント「……最早アイツの強さは神にも届きそうだな」
サム「ああ、あれは何かがおかしい」
トルマ「ゴッキー! 早く戻ってきてよー!じいちゃんとデストロイさんと記念撮影しよー!」
刻蝋値「すまん、ちょっとだけアイツを回収しにいくわ!」
ギャラリー達「……え?」
俺はマッハ80程で跳躍し、変形したミラーコートの穴から月へ向かった。
~月面~
インフィニティ(ま、負けた……この俺が……ん?)
何かが落ちてくる……隕石なら問題ない
刻蝋値「とうちゃーく!……あ?」
俺は足元に魔王・インフィニティが居ることに気づいた。
インフィニティ「最後のだめ押しか……」
刻蝋値「いや……たまたまだよ」
???「あ、あの~~……」
刻蝋値「誰だ?」
???「私~、ツキウサ星人のものでして……」
刻蝋値「月……ウサギ……居た!!!」
第87話 月の……サギとメカ…………なんじゃそりゃ? に続く。




