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第71話

進撃……開始!

第71話 オラァ!刻蝋値隊進撃だぁ!!


刻蝋値「バレットォ!!」


俺はバレットにめがけて下からすくいあげるような軌道の中段蹴りを放った。


バレット「行くぜ!」


バレットはタイミングを合わせて俺の足に乗り、蹴り飛ばしと同時に跳躍を行うことで、黒ゴキアジトの中央の階層にマッハ26で飛んでいき、壁にぶつかる寸前でマッハ28の右ストレートを放ち、風穴を開けた!


黒ゴキ達「ギイィイィィ!?!?」


当然右ストレートの直線上にいた黒ゴキ達は、熱で蒸発したり、プラズマで感電死したり、衝撃波で全身バラバラに引き裂かれたりして永眠(ねむ)らされた。


ファング「俺は左行く!」


瞬時に後ろについた相棒が役割を分担した。


バレット「最上階で落ち合うぞ!」


双方通路の進行方向に超スピードで走りだし、黒ゴキ達を切り裂き、打ち砕いていった。


刻蝋値「俺たちは予定通り下を中心に探索するぞ! もしも囚われの民を見つけたなら彼らの救助を最優先にな!!」


隊員達「了解!」


バレット、ファングと並んで肉弾戦向きのホッパー、アリアドネが左右の壁を破壊して侵入し、それぞれ蹴りの衝撃波と多節棍で黒ゴキ達を一掃していく。俺は直線上をタックルで破壊していき、本隊の隊員達に役割を持たせていく。


ホネット「ヘキサラッシュ!」


マンローチ形態のホネットが高速飛行しながら、黒ゴキ達を毒針付きの六本腕で殴り倒していく。


ソルトイル(隠密殺陣)


ソルトイルはアサシンらしく、他の仲間に標的を定めた黒ゴキを音もなく、誰にも気付かれずに一撃で仕留めていく。


ブラット「トゥースブレードラッシュ!!」


ネズミの歯を生やした拳で黒ゴキ達の脳を貫通させ、マイクロチップを体外に弾き出すことで、永眠(ねむ)らせていく。


そのころ外では……


黒ゴキ達「ギイィイィィ!!!」


塔の内部での戦いを放棄し、町や村を侵略することで優位に立とうと動き出した黒ゴキ達が、次々と塔に出来た穴から飛び出してくる。


黒ゴキ「ギイッ!?」


石が一体の黒ゴキの脳天を、マイクロチップごと貫いた。


ファー「テメェらは!」


一郎「俺たちが責任を持って」


ニードル「ここで食い止める!」


外では蟻ゴキブリ軍団が、敗走者を確実に仕留めていくのだ。


刻蝋値「オラオラッ! ここを取り仕切ってるやつは今すぐ出てこい! 出てこねぇとアジトを壊滅させて…」


とか言ってると、アシダカグモやらサバクトビバッタやら、カマキリやらの遺伝子を組み込まれた黒ゴキ達が、周りを囲んできた。


バッタ黒ゴキ達「ギギィ!!」


四方から放ってきた回し蹴りをしゃがんで回避すると同時に足を払い、俺の方に倒れてきたところを回転しながら裏拳を放って一掃。続いてギガローチ形態の巨大アシダカグモと化している黒ゴキ達が、変則的な動きで捕食しにかかってきたので、牙が刺さる寸前の距離まで近づかれてから超高速の拳や足で粉砕してやった。


刻蝋値「後はお前らだけだな!」


ロスローチ形態のカマキリ型黒ゴキの一体に向かっていったところ、全速力で右腕の鎌を降り下ろしてきたので、上の両腕で白刃取りをし、もぎ取った鎌を横に一閃して頭蓋骨ごとマイクロチップを破壊した。


黒ゴキ達「ギィイ!?」


不利を悟った2体が逃げ出したので、コイツらのマイクロチップも破壊して永眠(ねむ)らせた。


刻蝋値「ん~……この辺にはやはり、さらわれた(ゴキブリ)たちや黒ゴキになってない被験者達は居なさそうだな……」


~塔の最上階付近・右側~


バレット「うおおおお!!」


硬い!強い!速い!……まさにこの言葉を体現するかのごとく、高レベルな黒ゴキ達を瞬殺しまくっている。他の虫の遺伝子を組み込まれた黒ゴキが相手でも一切関係なく、オオスズメバチの毒針も、シオヤアブの口吻も、サバクトビバッタの蹴りも、カマキリの鎌も……その筋肉の鎧には一切通らず、彼が一度床を蹴れば、飛行中のオオスズメバチも跳躍後のサバクトビバッタも、反応速度・瞬発力の観点から最も回避が上手いとされるアシダカグモですら逃げることが叶わない速度のぶちかましが飛んでくる。そしてぶちかましは全てを打ち砕く。サバクトビバッタの甲皮なんて話にならず、女郎蜘蛛が張った何重の網も容易く千切られ……なおかつそれでも速度が落ちた気配は全く無かった。


バレット「はっはっはぁ! この弱さ、最上階には特に何もないと見た! 何かあるとすれば地下だな!!……とは言え、人質位は居るかもしれん。このムカつく扉を抜き壊して……」


魔王の部屋を護る門を思い起こさせるような頑丈な作りの扉を周りの壁ごと引き抜き壊した。


バレット「おぉ?」


そこには広い空間が広がっており、いかにも戦闘試験場のような雰囲気が漂っていた。と、その時


謎の声『よくここまでたどり着いたね、バレット君』


バレット「!、テメェは!!」


声を聞いた瞬間、バレットは声を荒げた。


謎の声『久しぶりだよ。やっぱり俺たちと共にこの星の害虫どもを絶滅させて、他の星を侵略したくなったのかな?』


バレット「な訳ねぇだろ!! テメェをぶっ殺し、こんな悲劇を終わらせに来たんだよ! 人質を解放しろ、実験中の奴等も含めてな!」


謎の声『そうか。俺の思想に賛同しないやつらは皆殺しにする決まりだからね。君には俺の試作品の噛ませ犬になってもらうよ。おいで! ペネトレイト、スラッシュ、デストロイ、フィジカル!』


4体の大柄な黒ゴキが出てきた。


謎の声『彼らは君と同じくパラポネラの遺伝子を組み込んでいてね。加えてペネトレイトがオオスズメバチ、スラッシュがカマキリ、デストロイがサバクトビバッタ、フィジカルがアシダカグモを組み込んでいるよ。流石の君も彼らの攻撃は通じるだろうし、毒、切断、打撃……そして速度。フィジカルはアシダカグモのお陰で力のわりに速度が出にくいパラポネラの速度ポテンシャルを引き上げることに成功したから……正攻法でも勝てないかもね~~!』


バレット「それだけか?」


謎の声『え?』


バレット「だったら問題ねぇ。他者の力だけでいい気になってる奴等なんざ、鍛えた肉体で打ち砕いてやるぜ!」


謎の声『面白い。俺は他のお客さんの相手をしているから、存分に楽しむと良い。アデュー!』


通信が切れたと同時に、サバクトビバッタのデストロイが瞬時に距離を詰め、回し蹴りを放ってきた!


バレット「うるぅあ!!」


バレットもその場回し蹴りで対応し、見事相殺した。


ペネトレイト「ギィッ!!」


バレット「ハッ、こんなもん捌けりゃ何でもねぇなっ!」


前腕から出したパラポネラの牙でオオスズメバチの毒針を弾き、ペネトレイトの胴体にボディブローを放って壁まで吹き飛ばした。


スラッシュ「ギィッ!!」


バレット「オラァ! フンッ!」


スラッシュの降り下ろしてきた鎌を手刀の振り上げで受け止め、前蹴りでこれも壁まで吹き飛ばす。


フィジカル「……」


地面、壁、天井、あらゆる場所を目にも止まらぬ速度で駆け巡り出す。


バレット「筋肉の加速力を見せてやるぜ」


バレットも馬鹿力のみでフィジカルと同等の動きをしてみせ、双方威嚇の状態が3秒続いた。


フィジカル「ギギィ!!」


バレット「オオッ!」


お互いの右ストレートがぶつかり合い、衝撃波が特殊仕掛けが施された部屋の外まで広がっていく……


~最上階付近・左側~


ファング「スパーキングダガー!」


ファングはアシダカグモ黒ゴキですら気づけない速度で黒ゴキ達を切り裂いていった。


ファング「余裕過ぎるなっ! 最上階手前で何かがあって、その先に何らかの重要機密がありそうだ!」


バレットとは違う考えを胸に、頑丈そうな門の目の前にたった。


ファング「ほっ、ほっ、ほっ、ほっ……」


アギトアリの超高速牙閉じを四連続で行い、扉に四角い穴を作って入り込んだ。


ファング「おー! 広いなぁ。全速力で走りたくなると同時に、嫌な思いでもよみがえってくるねぇ……」


謎の声『その思い出、更によみがえってきたかい?』


ファング「ああ、お陰さまでね。人質の場所を吐けよ」


謎の声『断る。最も彼ら相手に勝利を飾ったら考えなくもないけどね……おいで! スラッシャー、バースト、フラッシュ、デッドリー』


これまた4体の黒ゴキが出てきた。


ファング「マンローチが1体に、ビースローチが3体か」


謎の声『彼らは共通でアギトグンタイアリを組み込まれていてね……スラッシャーがカマキリ、バーストがシオヤアブ、フラッシュがアシダカグモ、デッドリーがセアカゴケグモを追加で組み込まれているんだ。近づけば逃れられない斬撃の嵐、僅かな隙に脳を爆ぜ散らす瞬発力、文句なしの超スピードと反応速度……そして、触れたら終わりの毒と糸だ。はっきり言って、君は死ぬね』


ファング「あっそ、お前が何と言おうが、それを決めるのは俺だ。改造手術を重ねた?それがどうしたよ。更に鍛え上げ、研ぎ澄まし、使いこなせるようになった俺がお前らに負けるわけねぇだろ!!」


謎の声『隣の馬鹿と言い、君も救いがない。ある女性にドッキリをしなきゃいけないから、君は勝手に頑張って死んでね~~。それじゃ!』


通信が切れたと同時に、1人のゴキブリと、4体の黒ゴキの姿も消え去り、絶え間なく鳴り響く轟音と旋風、衝撃波に高熱とプラズマが部屋中を駆け巡るようになった。


ファング「おせぇぞ! お前ら!!」


~ソルトイルとブラットサイド~


ソルトイル「!、この奥に……人質の気配がする」


ブラット「ここは僕が食い止めます。ソルトイルさんは彼らの救出を!」


ソルトイル「ああ、壁貫」


シオヤアブの口吻を突き刺す機構を組み込んだ腕の一撃により、壁が貫通した。


ソルトイル「さて……」


彼が見た光景は、多くの人々(ゴキブリたち)が、生気のない目で座り込んでいる様子だった。壁には"分別前"と書かれている。


ソルトイル「お前たち……今から我々刻蝋値部隊がお前達の救出を行う。今はまだ敵の殲滅が終わっていないが……じきに終わる。他の……囚われし民の居場所を知っているものは教えてほしい」


壮年男性「俺、知ってます」


若い女性「わ、私も!」


多くの人々「俺も!私も!」


ソルトイル「お、落ち着け……一人ずつ…!!?……なんだ……?」


巨大な地震か何かが起こり、その場が軽くパニックになった。


ソルトイル「地震……いや、"奴"か」


~ホッパーサイド~


ホッパー「フッ、天敵をぶつけるか」


彼の周囲には、多数のカマキリ型黒ゴキが埋め尽くさんとしている。


黒ゴキ「ギィッ!」


ホッパー「フッ!」


黒ゴキが鎌を振り上げた瞬間、脇から頭にかけて、蹴りを入れて切断を行った。


他の黒ゴキ「ギイィ!!」


ホッパー「どうした?」


いきり立って鎌を振り下ろすも、横蹴りの姿勢をとる際の動きで回避され、そのまま頭を吹き飛ばされて、マイクロチップも壊された。


黒ゴキ達「ぎいっ!ぎぃ! ぎぃ!!」


次々と襲い来る鎌を最小限の動きで回避しながら、的確な蹴りや同士討ちの誘発で黒ゴキの数を減らしていった。


ホッパー「バッタの天敵がカマキリなのは周知のことだが、同じ大きさになり、形がかわり、尚且つ武術も心得たとき、はたして同じ関係が続くと思うか?」


黒ゴキ「ギ……ギィ」


ホッパー「俺はそんな関係、どうにでもなると思うぜ。こんな風になっ!!」


回し蹴りで残り3匹纏めて粉砕した。


ホッパー「さてと……」


後ろ蹴りで真後ろの扉を蹴破る。


~子供部屋~


少年1「おうち帰りたいよぉ~……」


少年2「不味い苔じゃなくて、虫を食べたいよ~……」


数名の少年達が閉じ込められており、かなりひもじい暮らしをさせられているようだ。


少年1「わっ!? 扉が壊れた!?」


ホッパー「!、お前達は……」


少年2「だ、誰だ……!」


ホッパー「敵ではない、お前達を救出しに来た。……その足は」


少年1「あ、僕達手術後の黒ゴキ達と戦闘テストをするために手術させられたんです……」


少年2「負けたら食われる運命らしいです…………」


ホッパー「何てことしやがる奴等だ……」


ホッパーは強く拳を握り込み、怒りに満ちた表情をしたが、直ぐにどちらも緩めた。


ホッパー「だが、俺が来たからにはこんなところ直ぐに出させてやる。この辺の黒ゴキはすべて倒した。ついてきてくれ!」


と、その時、大地が揺れた!


少年1「じ、地震!?」


少年2「違う! アイツが動き出したんだよ!」


ホッパー「アイツって奴を教えてくれるか?」


少年1「黒ゴキになる前にムカデになって、黒ゴキになったあとでゲジゲジにもなった化け物だよ!」


少年2「アイツ……あの人があの姿になってから……誰も逃げ出すことができなくなったんだ!」


ホッパー「大丈夫だ、万一ここに来たら俺が蹴り仕留める。それに、俺の仲間達も強いぞ。あれくらいあっという間に仕留めちまうかもな」


~刻蝋値サイド~


刻蝋値「まーた訳わかんねぇのが出てきたなぁ」


ソイル「あのときのムカデです!」


ゴールド「奴は……ゲジゲジでもあるのか」


ウォータ「俺より速いかも……」


ウッド「オイラ達じゃあ逃げるのに精一杯でやんすね……」


刻蝋値「んー……待てよ。これはアイツとの因縁がありそうだな。俺はちょっくらあれを倒してくる。10秒耐えてくれ!」


俺は奴の頭の方へと向かった。


フレイ「刻蝋値さん!?」


5人なら逃げれは出来るはず! それ以上に心配なやつが居るのさ。


~アリアドネサイド~


アリアドネ「フフ、久しぶり……随分と大きく、元の姿から離れたのね。だけど一目見てわかったわ」


無数の黒ゴキを仕留めるのに使った多節棍をしまい、6本の片手斧を取り出しながら、巨大なムカデなのかゲジゲジなのか分からないそれに話しかける。


アリアドネ「こんな姿で私と会いたくなかったよね。……いいえ、こんな姿でも、胸を張って名乗り出てくれるわよね、生きてさえいるのなら。だったら私があなたを止めてあげる。見ていて、セネピード。最近出会った本当の仲間達と共に、強くなった私の実力を!」


瞬時に天井に飛び上がり、上の階の床の部分まで蹴り砕き、瓦礫が五階の天井まで吹き飛ぶほどの蹴りで急降下、そして6振りの片手斧を叩きつけて、凄まじい強度の甲殻にヒビを入れた。


第72話 己の決着は着いたらしいな。この調子で全ての決着をつけに行くぜ!に続く。

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