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第58話

新章開幕!兎に角ゴキブリ祭りじゃ~~!!


挿絵も形が出来ました。もうそろそろ上げられそうです。

第58話 ゴキブリだけの惑星? 行く! 行く! 絶対行くぜぇ!!!


今から約500年前、とある天才少年がアースのセンター帝国にいた。彼は天文学と物理学、そして昆虫…………とりわけゴキブリが大好きであり、かねてよりヘリオスシステムの第4惑星であるフレイムスターの温度を上げ、アースやこの時は太陽…………ヘリオスを挟んで裏側にあると言われてただけのチキュウのように、人が住める環境にしたいと考えていた。この時代はミサイルとロケットの区別があまりつかないほどの文明レベルだったので、誰もが彼の考えを笑っていた。だが…………


少年「だったら僕がフレイムスターまでいけるロケットを作るよ!」


誰かに笑われる度にこう返しており、日夜学校が終わっては部活にすら入らず、近辺の大学で物理学を学び、フレイムスターに行けるスペックのロケットを空想の世界で組み立てていった。


少年「いつかお前達と一緒にフレイムスターで暮らしたいな…………あ、今すぐには無理だから、お前達の何世代も後の子孫達とかな」


飼育している虫達にいつも語り聞かせていた。そして中学三年生のある日…………


少年「父さん! 僕、ロケットを作れることを皆に証明したい! だから材料費を貸して!」


父「うむ、分かった! 1000万ジュエル程で良いかな?」


少年「はい! 超小型の物にするので、これで事足ります!」


少年の机上の空論は現実でも通用し、小型ロケットを打ち上げたその日、人工衛星が未確認の小型ロケットを撮影したとの報告が宇宙センターに届いた。そしてロケットに少年の名前、black(ブラック)がかかれていたことで、たちまちブラック少年は宇宙センターの子ども社員になった。


所長「ブラック君。君はフレイムスターを人が住める環境にしたいそうだね」


ブラック「はい!」


所長「今の構想を教えてくれるかな?」


ブラック「はい、先ずは寒さと低酸素に耐えられる黒色の苔類(こけるい)をフレイムスターにばらまきます。この時に、微量の栄養剤も()くことで、苔をフレイムスターに定着させます」


所長「その狙いは?」


ブラック「地表を黒く染め上げ、地表アルベドを上昇させることで、気温の上昇を試みます」


所長「だが、これだけではアルベド(太陽光吸収率)は上がれど、温室効果ガスが減少して、結果的にかえって寒くなるのではないかね?」


ブラック「そこで、一月後に、寒冷・低酸素に適応させたゴキブリを送ります。ゴキブリは、苔だけでも生きられる上に、定期的にメタンガスの屁をこくので、温室効果ガスの増大も期待できます。時間こそかかりますが、確実に環境は変えられるのではないでしょうか?」


所長「ふーむ、確かにメタンは二酸化炭素の20倍は温室効果が高い。フレイムスターの気温が上がり、ドライアイスや地下の永久凍土が溶けることで二酸化炭素の増大、そして大気圧の上昇でなおのこと気温が上がり、水も溶け出しより住み良くなるのは理にかなっておるか。だが、氷が溶けて水になれば、二酸化炭素も水に溶け込んでしまう。そうすればメタンガスだけでは大気圧に温室効果が足りないのではないかな?」


ブラック「はい、そこで、湖が出来たら低温と幅広い二酸化炭素濃度に適応させた水草を投入します。水に溶けた二酸化炭素を片っ端から水に溶けにくい酸素にかえ、大気圧の減少を抑えます」


所長「ふむ、しかし二酸化炭素が減ってはやはり温室効果ガスが…………」


ブラック「大丈夫です! 大量に増えたゴキブリ達が二酸化炭素なんかよりよっぽど星を暖めてくれるメタンをどんどん作ってくれます!」


所長「おお、そうじゃったな! 大量のゴキブリはちとおぞましいが、良く考えられておるのぉ。よし、早速具体的で精密なプランを考えてみるか。とはいえ…………もしかすれば、ワシどころか君もフレイムスターの大地を踏めないのかも知れないが…………」


ブラック「後世に残せるだけでも努力する価値はあると思います!」


所長「そうか! やれるだけやってみようか」


ブラック「はい! ありがとうございます!!」


こうして壮大なフレイムスター・アース化計画は、一人の少年を軸に始まった。計画開始から2年後、始めに25度~-100℃まで耐えれる苔を作り出す事に成功、フレイムスターに散布。一月後、定着が確認されたので、-80度まで耐えれるゴキブリを投入。これも地道に増殖し、ゴキブリが増えた分だけ数年後のフレイムスターの気温上昇が見られ、加速度的に気温は上がっていった。


北極と南極のドライアイスが溶けてからは、みるみる気温が上昇していき、20年後辺りから活発に動き回り、屁をこきまくるようになったゴキブリ達のお陰で、30年後にはついにH2Oの氷も溶けて、水が発生するようになり、湖も出来た。


湖の発生と共に、一定数の苔とゴキブリは水死したが、彼らは栄養として次の計画の(じゅん)(かつ)()になった。


助手「ブラック博士! フレイムスターに湖が確認されました!」


ブラック「おお…………とうとう氷点下を上回るようになったか…………予定通り、凍結・氷点下20度まで耐えられる水草を、夏期のうちに散布するぞ!」


助手「はい!」


その後、やはり湖の二酸化炭素吸収に応じた大気圧の変動に応じて気温が氷点下を上回ったり、下回ったり…………停滞期が長い間訪れたが、やはりゴキブリのメタンガスが氷を溶かし、氷下から吹き出た酸素が気圧を上げて更に気温を上げ、溶けた湖が再び二酸化炭素を吸って気温を下げるも、メタンガスが気温を上げ…………と、鼬ごっこが30年続いた結果、とうとう冬季に純粋な寒さで凍結する以外の寒冷化が起きなくなった。


ブラック「よし!ついに、ついにワシらはフレイムスターのアース化に成功したぞーーー!!」


職員達「やりましたね!!」


職場中が拍手喝采の嵐に包まれた。…………しかし


この年よりセンター帝国は、複数の他国との戦争を開始する。この戦争はセンター9世の代まで苛烈を極め、何万名もの犠牲者を出した。この間、フレイムスターのテラフォーミング計画は停止しており、人工衛星が検出したフレイムスターのデータを記録するだけにとどまった。そしてセンター10世が統治を始めた頃、ついに動き出した。


クロム博士「偉大なるブラック博士の意思を継ぐこの私、クロムがフレイムスター・アース化計画の再発進の責任者に任命されました。よろしくお願いします!」


任命式が終わり、早速議題、ゴキブリ退治と生態系構築に移った。


クロム「ゴキブリ捕獲能力、その後、共食いによって自動的に自らも減ることから、フレイムスターに適応させたアシダカグモの投入を提案します。何か異論はありませんか?」


特に無かったので、アシダカグモの投入が決定した。


宇宙飛行士達「「「いやー、クロム博士は生物の力を使って生物を駆除するって考えなんだな~。他の人たちのように、私たちにゴキブリ駆除をさせようとしないのは優しいよね~。それにアシダカグモは一家に3匹いれば、半年でゴキブリを全滅させ、自らも勝手に出ていく。この姿からアシダカ軍曹って…それ聞き飽きた!」」」


皆から好評を貰い、理論的にも誰もが成功すると思っていた計画だったが…………


クロム「結論から言いますと、アシダカグモは一匹残らず消え去り、ゴキブリの数は全く減っておりませんでした」


博士1「クロム君、どう言うことだね?」


クロム「げ、現在原因究明中です」


博士2「大方先に共食いを始めたせいで、ゴキブリを殆ど食わなかったのだろう? 次の策は考えておるのだろうね?」


クロム「はい、6地点にそれぞれゲジゲジ、ネズミ、ムカデ、カマキリ、組み換えグンタイアリ、鉄砲魚を投入します」


博士3「ほぉ、虫達はわかるが、鉄砲魚はどうして…………」


クロム「水中からの狙撃により、ゴキブリの虚をつく作戦です。そして、あわよくば未来の食料資源にしたいと考えてます」


博士2「まぁ、期待しているよ」


この作戦の目玉は鉄砲魚だけでなく、組み換えグンタイアリと、ネズミだ。組み換えグンタイアリにはアギトアリのように超スピードの顎閉じを出来るようにしており、ゴキブリに追い付いて即、噛み殺す事ができる。加えてネズミは、素早い動きでゴキブリを捕食し、増殖スピードもピカ一の早さを誇る。まさにゴキブリハンターだ。


数ヵ月後


博士1「どう言うことだ! クロム博士!」


博士2「ゴキブリ以外の生体反応が無いだなんて!! 品種改良に失敗したとしか考えられん!!」


クロム「そ、それはあり得ません!低酸素、低温、飢餓…………どのテストもオーバーなくらいの基準を難なくクリアしています!」


博士3「…………そうだな。だったら今度の…………肉食性にものを言わせ、ゴキブリを食らい殺すオオスズメバチ軍団と群れの力を活かしたパラポネラ、トゲオオハリアリ、クロオオアリ、ケアリ…………そしてゴキブリの天敵、エメラルドゴキブリバチか…………」


クロム「彼らが定着さえすれば…………必ずゴキブリは駆除出来ます!」


やはり原因不明の消滅が起きた。シオヤアブ等々、他にもあらゆる昆虫類を使ったが、やはり消滅する。


クロム「これは宇宙人の!!」


博士2「もういい!…………君にはがっかりだ。もう辞めたまえよ」


クロム「うるさい!なにもしないお前達が偉そうな口を聞くな!!」


博士3「なんだねその口の聞き方は! 我らは年u…」


クロム「年齢なんて関係ないだろ!! これで終わらせてやる…………群生色のサバクトビバッタ…………何もかもを食らい尽くしてやる…………配置も18地点だ…………ヒッヒッヒ……………………」


博士1「あーあ、壊れちゃったよ。これ、失敗したらクビだからね」


クロム「失敗するものか…………(ついでにゴキブリを感知したらミイデラゴミムシを刺激し、ベンゾキノンを放つように設計したダストバズーカも作ったんだ。負けるはずはない)」


数ヵ月後


博士1「どうやら君の敗けだ。クロム君」


博士2「あっはっは、宇宙飛行士どもをこきつかえばこんなことにならなかったのになぁ。これだから利他(りた)主義者(しゅぎしゃ)滑稽(こっけい)なんだよ」


博士3「君と過ごした日々、悪くなかったよww」


クロム「…………クッ!」


その時…………


職員「大変です! 人工衛星が突如何かに破壊されました!!」


博士1「隕石の検出ミスは無いのかね?」


職員「何も異常はなく…………寧ろ…………限りなくフレイムスターに垂直な方向から石のようなものがぶつかった感覚です」


博士2「クロム、お前は人工衛星にも悪さをしたのか? とんだ害虫だな」


クロム「あ、ありもしないことまで」


博士3「残念だがここには君の味方はいない。潔くお払い箱になってもらおうか」


クロム「お前ら…………覚えておけよ…………この恨みは絶対にィ……………………」


そして時は流れ、現在のチキュウ。山賊の根城のような場所で、4本の腕を持つ亜人が周囲の女達に埋もれて寝ていた。しかし悪夢を見ているのか、うなされているようだ。


~夢の中~


腹…………へった。ん? 前に蜘蛛? 逃げなきゃ…………ガッ!??……………………私、死ぬんだ。


場面は暗転し、次の場所に移る。


大量のゴキブリがひしめく場所で、生まれ落ちた。しかし次の瞬間…………


な、何だ!?大人に…………食べられ…………て……………………


再び暗転した。


…………ここは、道路?車が通っていないな。


と、その時


???「ゴキブリじゃねーか!ゆっくり観察したいけど、車道が青になりそうだからやめとけ」


うわっ! 人間か!


???「いや、観察するわ」


近づいてくる!


???「は?何言ってっわーーー!車来てるーー!!!!」


他の巨大な丸い物も来た…………間に合わないよ。


???「え?」


またしても暗転した。


ここは…………寒い、寒すぎる!!どうしてこんなところに居るの…………?


しばらく何かないか探し回った。


こ、苔だ。早く…………食……………………べ…………


場面は暗転し、次の場所へ


お腹は空いたまま。回りには私の同族達…………この感覚は…………ああ、またしても同族に食べられる。餌がないところでは、弱い同族から食べられるのが当然だもんね…………(うら)めしい…………許せない……………………。


こんな感じの出来事が100回は続いたのかなぁ?


もう、許さないぞ。私の運命をこんな風にするやつも、私を食べようとするやつも、同族も、なにもかも…………世界だって、神だって!!…………許さない、許さないぞおおおおおお!!!


刹那、脳裏に技が浮かび上がる!


メタモルフォーゼ・ギガバグ!!


今まさに食い殺されそうになっていた幼体のゴキブリが、40cm程の大きさになった。


お前達、良くも今まで私を弄んでくれたな? 今から弄ぶがわに回るのは私ぞ、手始めに貴様らを血祭りにあげてやろう。ウオオオオオオ!!


~現実~


刻蝋値「おおおおおおおおおお!!!!!…………夢か」


ダイア「かかれっ!!」


突如団の女達が全員で俺を押さえ込み、端から見ると、動けないようにした。


刻蝋値「何だ?」


何がなんだか訳がわからない。


ガーネット「ローチ、てめぇ朝っぱらから乱暴なことしてんじゃねぇぞ!」


刻蝋値「どう見てもお前らの方が乱暴だろ!?」


けど、過去1レベルの阿修羅(あしゅら)(づら)だと思う。俺に怒っているのは間違いなさそうだ。


シトリン「思いきり胸を掴みやがって! 相変わらずの変態ぶりだな!!」


シトリンが、顔を真っ赤にして両手で巨乳を抱えながらキレている。


刻蝋値「そこまで激しく(つか)んだことねぇだろ…………」


あれ? 確かに少し圧迫で赤くなってる?


刻蝋値「……もしかして、マジで危険行為してたのか?」


マリン「ええ、突然うめきだしたかと思いきや、私たちをいつもよりかなり乱暴に触ったり、壁を殴り壊したり、極超音速の蹴りを何もないところに放ったり…………平社員達も怯えていますわよ」


な、なんてこった!?…………それは、


刻蝋値「すまなかった、すげぇ胸糞悪い悪夢を見ていて…………。何故か俺がメスのゴキブリ視点になっていて、ことごとく捕食者や他のゴキブリに食われたり、交通事故にあったり…………あれ? たしかあのとき、聞き覚えのある声が聞こえたような…………気のせいか?」


パール「…………前世のことは、ここの誰もわからないわよ」


刻蝋値「それもそうか。取り合えずあいつらに事の次第を話してくる」


俺は食堂へと向かった。多分皆そこにいる時間帯だからな。


刻蝋値「皆、脅かせてすまねぇ! 悪夢にうなされて、暴れちまったらしい!」


上下ともの両腕を合わせて謝罪した。


社員達「なんだぁ、悪夢なら仕方ないっすね。壁、業者に頼んで強くしやしょうか?」


刻蝋値「そうだな。頼んどいてくれるか?」


社員「お任せを!」


こいつらは、ラズリと出会った頃に、アジトを長期不在にしていたときに侵入していた元・ニート山賊モドキ達だ。不法侵入の軽い刑罰を受けて警務作業が終わった後も、要領が悪いだので中々職が決まらなかった。たまたまばったりと俺と遭遇したこいつらは、いきなり職場を探してくれとか言いやがったので、発想の逆転でうちの傭兵団に雇うことにしたのさ。今では鍛えられまくり、見違えるほど有能になったぜ!


刻蝋値「さて、俺も食うか。いただきマウス」


今日のメニューはスーパーホグジラステーキ。豪華だぜ!


刻蝋値「ふー、ごちそうさマメハチドリ」


社員「社長、電話ッス」


刻蝋値「サンキュ、お電話ありがとうございます。こちらBODWMCの刻蝋値です」


ライト『あ、刻蝋値さん、いつもお世話になっております。ライトです』


刻蝋値「おお、ライトか! 何か困ったことでもあったのか?」


ライト『はい、刻蝋値さんでなければお願いできない問題が発生しておりまして…………』


刻蝋値「聞かせてくれ」


話の内容はこうだ。500年前だかに、計画が始動した他の星をアースのような、人の住める環境に変える計画で放ったゴキブリを駆除できず、それを俺に頼んできたのだ。


刻蝋値「確かに俺が適任なのはわかるが、駆除だけなら業者とか、何なら機械でも出来るじゃねぇかよ。後、聞いちまった以上、ゴキブリ達は"保護"するぜ!」


しかしそれができない理由があった。30年ほど前、その星、フレイムスターを周回していた人工衛星が、豪速球の投石と思われる攻撃によって破壊され、今の星の状況が分からない。異星人か、フレイムスターで進化した俺のようなゴキブリの仕業か分からないので、何かあっても早々死なない俺に行って貰いたいとの事だ。


刻蝋値「いいぜ、面白そうだ! スパークとかウィントとかには声かけたの?」


ライト『いえ、お二方には連絡に時間がかかるので、先ずは連絡の取りやすい刻蝋値さんにかけることにしました』


刻蝋値「それは好都合だ。俺に万一の事があるような星だったら、後続隊としてラピス、ウィント、スパーク辺りの最強クラスの奴等を組ませて行かせられる。最悪は想定すべきだろう」


ライト『そうですね。何から何までありがとうございます。明日、迎えの宇宙船を出しますね』


刻蝋値「おう! それじゃ!」


どーでも良いけど、最近ウチに転がり込んでくる依頼は、必ずしも戦闘を伴わない事が多い。要するに、最早便利屋と化しているのだ。


~広場~


刻蝋値「ってな訳で、俺は長くて一月程ここを開ける。お前達は各自治安維持とか惑星防衛、外交補助を頼むぜ!」


ガーネット「ローチ、あたしらからも話がある」


刻蝋値「何だ?」


ガーネット「あたしら…………ローチに釣り合うようになるために…………」


ダイア「花嫁修行をすることにしたよ!」


刻蝋値「…………は???」


コイツら何言ってるの? 俺は心の底からそう思った。


エメラルド「だってアタイ達、コックと比べたら、あまりにも何もできないし弱いんだもん!」


アメジスト「この星に何かあったら必ず守り抜くから、修行させて! ね?」


刻蝋値「はぁ、勝手にしてくれ。そう言うわけで、上層部が軒並み居なくなっちまうが、問題だけは起こさないようにな。ま、どちらかと言うと問題児は上層部だから大丈夫だろうがな!」


全員が笑い転げた。


刻蝋値「まぁ、アレスに全体の指示を頼むから、いつも通り過ごせるはずだ。以上!」


早々に集会を切り上げた。その日はいつも通りすごし、翌日、宇宙船がやって来た。


レフト「刻蝋値さん、こんちゃーっす」


刻蝋値「よう、レフト! 危険運転でさっさとフレイムスターにいくか?」


レフト「危険運転なのは変わんないですが、アースで宇宙食だのを備蓄した専用の船でフレイムスターに向かいます。皆さんとお別れは済みましたか?」


刻蝋値「済ませたぜ、行こうか」


レフト「はい!」


この日はレフトとくだらないことを話して終わった。団員一人につき3回ほどのロメオコール的なそうでない的な、何かがかかってきた事には苦笑いしか出てこなかったな。


~アース・センター帝国第一宇宙基地~


刻蝋値「おおー、立派な基地だぜ」


???「闇影!」


刻蝋値「ん? 閃影じゃねぇか。お見送りに来てくれたんだな!」


華やかな着物をまとった姿も、これまた美しいぜっ!!


閃影「兄者も来たがっていたが、セーム活動だかで忙しいらしく、来れなかったよ」


実は、イースト国の新しい将軍にはスパークがついたのだ。前将軍の血と魔王討伐の立役者となったことが要因らしく、持ち上げられてしまったのだ。ま、あいつなら悪いことはしないだろ。しようとしたら、俺が黙ってないし。因みに政務活動は俺もよくわからんからスルーして…………


刻蝋値「そっかー、残念だが、もしかしたらスパークとはフレイムスターで会うかもしれん」


閃影「ああ、先程ライトから聞いたぞ。私は行ってはいけないのか?」


刻蝋値「いや、敵の強さ次第じゃ来てもらうかもしれん。ま、流石に俺が死にかけることは無いだろうがな。そろそろ行くよ」


閃影「ああ、健闘を祈る!」


こうして俺をのせたフレイムストライク1号が、フレイムスターへと発進した。


刻蝋値「待ってろよー!ゴキブリども! 俺が保護してやるぜー!!」


第59話 マイネームイズコックローチ!アーユーネームコックローチ?に続く。

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