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第40話

ある意味1つのエンディングかな? 遅ればせながら、投稿しました!

第40話 色々見て回るぜ!


~ヒュージシティ、海岸~


刻蝋値「着いたな。お前ら~、取り合えずどこ行きたい?」


多数「アジト」

少数「ヒュージシティ」

初見「と言われてもわからないや…………」


刻蝋値「よし、アジトに行こう。メタモルフォーゼ、ケンタウロス! さぁて、乗るんだ!!」


ライブステージを歌い終えたロッカーの如く、光を浴びるように両腕を広げたのだが、誰も背中に乗ってくれなかった…………否、乗れなかったのだ。


ガーネット「っおい! 誰か降りて走れよ!」


アメジスト「何よ!こんな人数、蝋値様に収まらないじゃない!」


マリン「…………困りましたね」


ダイア「ガーネット、お前2番か3番目に足速いだろ? 持久力トレーニングと思って走っとけよ」


ガーネット「ああ!? ダイアてめぇ、あたしより速いくせして何さりげなくローチに乗ろうとしてるんだよ? お前こそ走れ!」


ダイア「何だと? 私は現在増量中だ。無駄な有酸素運動はしたくないのさ。あんたは減量中だろ?」


ガーネット「それでもある程度は強度と運動時間を抑える必要があるだろ!」


刻蝋値「おいおい…………何でそんな険悪に」


ダイア「どうしたって譲れないようだね…………」


ガーネット「それはてめぇもだろうが…………」


完全ににらみ合いになった。


刻蝋値「あれ? こんな感じの図式、何かの漫画で見たな」


ルビー「刻蝋値様…………お止めになった方が」


エメラルド「これ絶対ヤバイって!」


刻蝋値「お、おう、そうだn…あ!」


刹那、両者の回し蹴りが相殺しあう局面から喧嘩が勃発した!


ガーネット「だったら身体(カラダ)で語り合って決めるぞ!!」


両手斧を豪快に振り回しながら叫ぶ。


ダイア「望むところだ! おおおっ!」


ダイアはそれらを避け、逆立ち回転回し蹴りを叩き込む。ガーネットは腕でガードした後、両手斧と持ち変えた両手剣を片手で横凪ぎし、たまらず間合いを取ったダイアにエアカッターを飛ばすも、後ろ回し蹴りでかき消され、両者再び間合いを詰め、互いの攻撃を避けたり受けたりしている…………


シトリン「こ、怖い! 巻き込まれたら終わりだよ…………ラズリ、アタシを守って!」


まだまだレベリングが足りないシトリンは、2人の鬼気迫る接戦に圧倒されている。


ラズリ「了解、危険レベル5を超えたら複数人用逃走プログラムを実行します」


エメラルド「ついでにアタイも守って~」


マリン「お世話になります」


ラズリ「…………定員オーバーにつき、プログラムの実行を断念」


シトリン「そ、そんなぁ~…………」


そして喧嘩中の二人は…………


ガーネット「ローチに乗るのは…!!」


ダイア「私だああ!!」


剣と足がぶつかり合い、辺りに衝撃波が巻き起こる!


ダイア「隙あり! 爆砕拳!!」


僅かな隙をつき、渾身の連打を繰り出す。


ガーネット「…………ボコスカボコスカと」


急所だけは守る構えを取りながら隙を伺い…………


ガーネット「一方的に殴ってんじゃねぇ!!」


極僅かな隙をつき、鎧格闘術(よろいかくとうじゅつ)(と言ってもビキニアーマーだから籠手(こて)とブーツ以外ほぼ軽装だが…………)の技、メタルナックルを繰り出した。


ダイア「グッ!」


腹に入った一撃は、ダイアを大きく後ろに飛ばした。


ガーネット「覚悟しろぉ!!」


ダイア「それはこっちのセリフだぁ!!」


刻蝋値「お前らストーーッブゥン!!」


何か永遠に続きそうで、これ以上やってると、海岸が荒野に変わりそうだったので、止めた。


刻蝋値「取り合えず喧嘩を止めてくれ。大体にして自分が強くなりたいがために、無計画に団員を勧誘した俺に責任があったよ」


パール「…………え? それって」


トルマ「誰かをリストラするって事なの!?」


 途端に、全員の表情が絶望に染まった。


刻蝋値「いや、それは無いから安心してくれ。要は移動方法を増やせば良いってことさ」


ルビー「…………しかし、刻蝋値様に肉薄するライドモンスターなんて義賊団に居ないのでは?」


刻蝋値「おいおい、これは改めて親睦を深める必要があるな…………なぁ、ニクス、サファイア、トルマ」


ニクス「グアオォ(任せろォ)ーーー!! ガウガッガウ(エンチャント)()グァオオ(イーグル)!!)」


翼と嘴を生やし、グリフォンのような姿になった。


サファイア「ヒッヒーーン(お、ま、か、せ)ブルルルッ(エンチャント)()ブルルルルルッッ(エンジェルウィング)!!)」


背に羽を生やし、ペガサスのようになった。


トルマ「竜化、飛!!」


トルマに眠る竜力を解放する宝玉を輝かせ、より飛行に特化した飛竜の姿になった。


刻蝋値「十分すぎるだろ? 相棒を持つ奴は相棒にのるんだ」


ルビー「ニクス、アジトまでお願いね」


 グリフォンライダー参戦。


エメラルド「私も乗りたーい!」


ルビー「ええ、構いませんわ」


パール「サファイア、思う存分駆け巡ろう!」


 ペガサスナイト参戦。


マリン「相乗りしてよろしいですか?」


パール「勿論よ」


ガーネット「トルマ、よろしく頼むぜ!」


 ドラゴンライダー参戦。


アメジスト「あ、私も相乗りしていい?」


ガーネット「構わないぜ!」


刻蝋値「よし、ダイア、シトリン、ラズリは俺に乗れ!空の旅を始めるぞ!!」


こうして俺らは飛び立った。


サファイア「うふん、こうしてあなたと並んで走り…………飛びたかったのよね~」


刻蝋値「そう言えばこうして共に飛ぶのは初めてだよな。二人乗せて飛ぶのは大変か?」


サファイア「そんなことないわ~」


刻蝋値「平気そうで何より、これからはこんな機会も増えてくる。頼りにしてるぜ」


サファイア「嬉しいこと言うじゃない♪」


マリン「二人は何を言ってるのでしょうか?」


ダイア「正直ヒヒーンしか言ってないように聞こえるな……」


ニクス「がうぅ~…………」


ニクスが密な会話をしたそうに見てるな…………


刻蝋値「ああ、わかったわかった。今度走るときは獣形態になって、お前とクリアな会話をしてやるから」


ルビー「フフ、すっかりニクスの言葉がわかるようになったのですね…………」


エメラルド「ニクスの気持ちもわかるなぁ~」


刻蝋値「そんなことを言っていたら、もう着いちまった」


俺らのアジトに到着したが、貧相な装備の山賊団と遭遇(そうぐう)した。


山賊「え?…………何で戻ってきてるんだよ。話が違うじゃねぇか、お頭よぉ」


山賊達は俺らが戻ったや否や、泣きそうな顔をし始めた。


刻蝋値「逃げても無駄だ。見たところ山賊成り立てって感じだな? 無抵抗なら色々と酌量を与えてやる。大人しく降参、な」


山賊「はい…………助かった」


こうして一先ず以前に山賊から奪い取ったアジトを再び新たな山賊達から奪い返した。コイツらはうちらのアジトを奪った以外に悪さをしてなかったので、不法侵入のニート扱いで刑務所に突き出した。数ヵ月そこそこの警務作業をすれば、解放されるだろう。


刻蝋値「さて、明日はプアビレッジに顔を出すか。子供らに勉強をさせたいから、マリンとルビー、後…………ラズリも来てほしいかな?」


3人「構いません(わ)」


刻蝋値「そうか、助かった。他は自由参加な」


ルビー「あ、でも明後日は今のオーシャンズシティを見てみたいです」


刻蝋値「そうだな。プアビレッジには金を上手く使えているかと農業が順調かを調べに行くだけだからな。明後日はオーシャンズシティに行こう」


エメラルド「あ、それじゃあアタイは明日、ヒュージシティの現状について調べるね!」


パール「私も協力しよう。個人的に王城兵の皆がどうなっているのかも気になっているしね」


ラズリ「特殊部隊だった方々の様子も見てもらえますか?」


パール「そう言えばラズリは特殊部隊の隊長だったな。勿論構わないぞ」


刻蝋値「じゃ、明日それぞれの任務を果たそう」


シトリン「…………あの、前にここでやったこと、もう一度やりたいのだけど…………良いかな?」


刻蝋値「ん?…………ああ、あれか」


ガーネット「シトリンもすっかりはまっちまったか」


シトリン「そ、そういうわけでは!!」


刻蝋値「良いぜ、程ほどにならな。そういう気分の奴らは今から楽しもうぜ」


ダイア「何か最近のろうち、ノリが良いよね」


エメラルド「草原を出た辺りからこんな感じだよね~」


~次の日、プアビレッジ~


村長「おお! これはこれは! 刻蝋値様!!」


刻蝋値「よう!…………じゃなくて、お久しぶりです村長さん、黒狼血義賊団の刻蝋値です。やって来る商人との金物交換や、農作物の出来具合、俺たちが掘った井戸の役立ち具合はいかがですか?」


村長「いやー、どれもこれも順調で! 本当に感謝してもしきれません!」


刻蝋値「それは何よりです! 早速俺も確認しますね」


村長「ええ、きっと驚くでしょう。ささ、こちらに」


子供「あ! お姉ちゃんだ。剣術教えて!」


ガーネット「お、よしきた! それとお前らに遠距離攻撃を教えるために、今日は弓の先生も連れてきたぞ!」


シトリン「あ、うん。よろしくね!」


女の子「あ、マリン先生! 算術教えてください!」


マリン「ええ、勿論よ。ルビーとラズリもよろしくね」


算術・数学の先生。


ルビー「お任せください!」


語学・世界史の先生。


ラズリ「承知!」


科学全般の先生。


こうして各々村で出来ることをやった。村ではベーシックな米や小麦の他、敢えて干ばつさせた土地に、トマトの苗を植えている。当然殆どが育たないのだが、育ったトマトは名産品になること待ったなしと考えられる根拠があるのだ…………驚いたのが、俺が教えた魔物の調理法が(ゲテモノ系を含めて)役立っているらしく、輸出のメインになってるそうだ。


~夕方~


刻蝋値「じゃ、また近い内に来ますので、繁栄を願ってます!」


村長「何から何までありがとうございます」


ガーネット「ガキんちょ共ー、元気にしとれよー!」


シトリン「的当て頑張るんだぞ~!」


子供たち「ばいばーい!」


~夜、アジトにて~


エメラルド「で、新しい王さまを決める投票が始まるんだってさ」


刻蝋値「実質民主主義の王政ってことか? やっぱ社会は苦手だからピンと来ないな」


ルビー「国民一人一人が考えて意見を出し会うって事ですよ。後で一時間程勉強しましょう」


刻蝋値「わ、わかったぜ…………だが、こうなってくると教育がより大切になってくるよな」


パール「ああ、万が一にも悪いやつが大臣になったら、民を家畜化しかねない。まだまだ政治の不完全さは残るな」


刻蝋値「よし、明日はオーシャンズシティの新領主でも見に行くか」


ルビー「はい!」


~翌日、オーシャンズシティ~


刻蝋値「黒狼血義賊団の刻蝋値と申します」


新領主「おお、貴方がかの有名な刻蝋値殿ですか! 私はオーシャンズシティ新領主のゲルマンと言うものだ。貴殿方に粛清されるような不祥事を起こさずに、町を豊かにしていく所存でありますので、以後厳しめに見張って頂きたい」


刻蝋値「これは立派な志の方ですな。お言葉(どお)り、見張らせて頂きましょう。その分期待していますよ!」


ゲルマン「ええ、折角貴殿方がくださったご機会です。前領主に心を痛め付けられた者の為にも繁栄に尽力する所存にございます」


刻蝋値「お、これはルビーが期待しそうなお言葉ですね! ああ、ルビーと言うのは…………」


~刑務所~


ルビー「まさか貴方の勤務先が看守だったとはね、調子はどう?」


看守「お世辞にも楽しい仕事とは言えませんが、町民を守る責任ある重要な仕事であるから、誇りを持って行えます! しかし、本当に良いのですか? その…………精神的に無理をしてはいけませんよ…………」


ルビー「ええ、大丈夫」


目の前には過去にルビーを虐めていたエルジューベドとウラドが丁度隣り合わせで収監されていた。


エルジューベド「ああ、愛するウラド…………私にそのお顔を見せて頂戴…………ああ、愛する(以下略)…………」


ウラド「や、やめてくれ~…………や、やめてくれ~…………(以下略)」


ルビー「フフフ、二人とも随分と落ちぶれたものですねぇ~」


エルジューベド「いやあああ!! 鞭女!! ああ!! 古傷が痛む!!! ウラドを取られる!!」


ウラド「あああ!! 今度こそ殺されるぅぅぅううう!!!!!」


突如、運命の決戦の記憶が(よみがえ)ったのか、二人ともパニックになった。


看守「コミュニケーションをとるどころでは無いですね。これが他者を虐げて喜んでいたものの末路ですか…………」


ルビー「哀れ、これ以上に似合う言葉が見つかりませんね」


看守「…………この辺にしてお帰りなさいますか?」


ルビー「ええ、私にここでの用事は無いみたいです。案内してくれてありがとうね」


看守「いえ、お互いの正義のために頑張りましょう。罪滅ぼし…………ではないですが、応援しています」


ルビー「フフ、貴方の幸せも祈っていますよ」


~5日後、ヘルデザート~


町の人達「あ、英雄様! いらっしゃーい!」


刻蝋値「よう! またしても来てしまったぜ! 用事は特にねぇな!」


男性「おお! またしても女性が増えたのでは!? くーー、羨ましい!! ハーレムをつくる秘訣を是非お教え下さい!!」


刻蝋値「んー? 圧倒的な強さと…………困ってる娘をマメに助けること? かなぁ…………実際俺もよくわからん。ま、頑張りなよ」


男性「アザーッス!」


アメジスト「蝋値様は恵まれているって、はっきりと分かるんだね!」


刻蝋値「まぁ、実際そうなんだろうな」


エメラルド「ねえ、新入り達にもゴキブリタイツ買おうよ!」


刻蝋値「!!、そうだった! お前ら、メタモルヒーローズって店に売っている、英雄タイツを買ってこい! 俺の小遣い使っていいからさ!!」


ラズリ「承知しました!」


シトリン「ん? 何でだろう…………悪寒がしたよ?」


トルマ「そう?」


このあとラブホで鼻血を出しすぎて、天井を突き抜けるとは夢にも思わなかったぜ⭐


~2日後、コリアンダー大陸沖~


刻蝋値「すうぅ…………外国から異邦人がやって来ましたーーー!お出迎えお願いしまーーーーす!!」


遊牧民「…………あ、刻蝋値さんじゃありませんか! 遊びに来られたのですか?」


刻蝋値「おう、産業や輸出入が上手くいってるか確認しに来たぜ!」


遊牧民「ええ、たまに変な奴等が来ることもありますが、それ以外は順調です。お陰さまで食糧難も解決し、今度は肥満が問題になりつつあります。はっはっは!」


刻蝋値「よし、だったら初心者向けダイエットプログラムでも作ってみるわ。皆の所に案内してくれ、ゆっくり1日ずつ全部族を見回って、最終日に統合新部族を確認するぜ」


サファイア「ヒヒーン!」


パール「そうだな、お前の仲間とも会えるもんな!」


ニクス「ふにゃ~…………ゴロゴロゴロ…………」


ルビー「もう、この子ったら~」


ゆっくりじっくり見回り、かなり順調であることを確認した俺たちは、新部族の所へ移動し、お祭り騒ぎを起こしてしまった。いや、それ事態は良かった。


司会「格闘大会、エキシビションマッチは…………刻蝋値選手VS義賊団の部下の皆様~!!」


刻蝋値「よーーし! お前ら全力でこーーい!!」


俺としたことが、こんなことを言ったせいで、闘技場が穴だらけになっちまった…………まぁ、修復作業で団結力が高まったから良いのかもしれないが、基本的に金をかけすぎないようにせねばいけないだろう。


~更に翌日、深海~


刻蝋値「よう、人魚の皆さんお久しぶり~」


リシア「あ、ゴキブリ君だ!」


ケイ「トルマも久しぶり~!」


トルマ「皆~、会いたかったよー!」


~積もる話をした3日後、グレイテストシティ~


ラピス「ああ! 黒狼血義賊団の皆さん、こないだぶりです!」


刻蝋値「よう! ラピス」


ガーネット「久しぶりって程でもねぇな!」


ラズリ「皆さんと仲良く出来ていた?」


ラピス「はい、少しずつ嫌な顔をされなくなりつつあります。サイボーグの能力のお陰で仕事に困りませんし、何だか…………人の心が戻りつつあるのかな?」


マリン「確かに…………初めてあったときは、あなたには何かが欠落していると感じました。心だと納得ですね」


パール「それに、改造されたり姉と引き離されたりで余裕が無かったのもあるだろうな。私は悪ささえしなければ、お前には頑張って欲しいと思っている」


ラピス「パールさん、ありがとうございます!」


しかし、先の戦いで重傷を負ったダイア、ルビー、ニクスはこの後、一言もラピスと話をしなかった。やはり理不尽につけられた深い傷は、心まで抉ってしまうのだろう。俺は二人になった時にそう言うことがあることをラピスに教えた。そして、


刻蝋値「アレスの奴は何処に行ったんだ? あいつは良い意味で能天気だから、お前とも上手くやってたと思ったのだが」


ラピス「アレスさんなら前々日、北の氷地に行くって言ってました。何やら後輩だった勇者ああああに所縁がある土地だとか言ってましたね。本格的に旅をしたいと言ってもいましたので、ここへは後数年戻らないと見て良いでしょう」


刻蝋値「そっか、じゃあ俺らもそこへ行くわ。ラピス、色々教えてくれてありがとな。お前が投票した人、当選すると良いな!」


ラピス「はい! まだまだ嫌われがちとはいえ、俺はもう、ここの住民です!」


こうして別れを告げ、北へ北へと向かって3日後


~アイスバーグ~


刻蝋値「1つ忠告しておくぜ。幽霊が苦手な奴は…………」


トルマ「そんなのゴッキーがいれば怖くないよ」


アメジスト「また一緒に寝ようね!」


刻蝋値「じゃ、全員で行こう」


そして館でアレスとも会い、やはり俺たちと居るときだけモテないことに悲しむアレスを横目に日を跨いだ。


刻蝋値「おはよう、アレス。特性シチューだ」


アレス「刻蝋値殿、ありがとう。うん、とても美味いよ!」


刻蝋値「ま、こんなイケメンが料理を誉めてくれたら普通の女ならイチコロだよな~。つくづくうちのメンバーが特殊なのが伺えるな」


アレス「はは、メイドのルビーさんだったっけ? 晩に彼女の料理も美味しかったから誉めたんだけど、営業スマイルを返されて終わったよ、ははは」


刻蝋値「実にルビーらしいな。まぁ、一般の女性ならほぼ全員お前を選ぶだろうから気にすることはないさ」


アレス「だといいけどなぁ。それはそうと刻蝋値殿、他の星の魔王についてだが…………」


刻蝋値「…………ああ、以前にも話したと思うが、奴はこの星、ネオアースを支配する腹積もりだ。奴には他者に憑依し、力を増幅させる能力がある」


アレス「あくまで僕の勘だけど、奴は自分の星でも僕らの星の王にしたように、誰かに憑依してると考えている」


刻蝋値「実際こないだうちらの星の魔王さんと会ったときに、再び強いエネルギー反応を見てもらったんだ。そしたら、太陽を挟んだ裏にある小さかった反応が、やや大きくなってると言っていたぜ。あれが他の星の悪い魔王の事を差してると考えられるぜ」


アレス「成る程、…………って、この星の魔王は一体どういうつもりで君に協力してるんだい? 今一真意がわからない…………」


刻蝋値「彼とは喧嘩友達さ。ってか、伝え忘れていたけど、お前にあったら俺のところに来いと伝えとけって言われてたんだったわ! いや~、忘れてたわ」


アレス「ええ!?」


刻蝋値「何か鍛えてやるとか言ってたな。あの人も、他の魔王に星を取られたくないと躍起になってたぜ。いざってときは戦力にすらなり得る」


アレス「そうだったか、早速行かねばな!」


刻蝋値「おう、お互い…………強くなろうぜ!」


アレス「ああ!…………って、君は更に強くなるのか」


刻蝋値「当然よ! な、皆」


ガーネット「剣もまだまだ修行不足の奴に、仙人面はさせねぇぞ」


ラズリ「魔王討伐、私たちも協力します!」


ダイア「まだまだ強くなる!」


エメラルド「長所を伸ばし、他の人の短所をカバーする!」


刻蝋値「おうよ、俺にだって短所はあるから、皆で助け合おうぜ! いきなりの相談だが、俺、黒狼血義賊団を国際傭兵団にしたいと思ってるんだ。他星の侵略者からこの星を守ったり、逆に友好関係を結ぶ努力をしたり、後は空飛ぶ船とか宇宙に行ける船とか」


ルビー「あ、あの…………宇宙に行くって…………そんなこと出来るのですか?」


刻蝋値「…………まだ何とも言えねぇな。まぁ、頑張ろう」


アレス「でも、他の星とコミュニケーションをとるためにはそうするしか無いからね!」


刻蝋値「ああ、俺たちの活躍は、これからが本番だぜ!!」


第41話 次の敵は…………宇宙人!?に続く。

そう、まだまだゴキブリ少年の無双(?)は続くのです!

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