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第39話

色々投稿できずすいません。これからは通常ペースに戻ります。たまに2話連続投稿もするかもです。


第39話 喧嘩したら仲直りな!


刻蝋値「ゼエッ!……ゼエッ!……倒した……のか?」


傍らにはすっかり元の姿に戻ったラピスが大の字で倒れている。


ラピス「うぐぐ……」


刻蝋値「おお? お前まだ意識あるのか。やっぱ強ぇーな!」


これだけの攻撃を食らってまだ生きているなんて…………普通の奴ならば、得体のしれない男だと考えるだろうな。と俺は思った。


ラピス「ま、だ、終わって…………ません」


弱々しいパンチ(マッハ0.5)を打ってきた。


刻蝋値「そうだった…………な、オラァ…………(力でねぇ~)」


負けじと俺も、弱くしか打てない猫パンチ(マッハ0.6)を打った。


ラピス「負けるかぁ~~」


刻蝋値「こっちのセリフだぁ~~」


お互い殆どダメージを与えられない応戦を繰り広げ、遂に体が動かなくなった。


ラピス「うぅ……」


先に倒れたのはラピスだった。


ラピス「…………ボクシングだったら10秒以内に立てないとダメでしたっけ?」


刻蝋値「おう…………」


俺も横に倒れてしまった。


刻蝋値「立ちさえすれば、合計3ラウンド戦える…………」


ラピス「俺立てないんで、刻蝋値さんの勝ちでいいっす」


刻蝋値「ハッ…………こんなん勝った内に(はい)んねぇよ…………」


引き分け?…………超絶甘く見積もって辛勝ってところか?…………どうでもいい。そんなことより


二人「腹、減ったよぉ~~」


刻蝋値「俺、餓死したくないからただのゴキブリに変身するわ。弱くなったのを良いことに、攻撃とかするなよ」


ラピス「ははは…………今更そんなことしませんって。というか、仮にしたくても体動かないんで無理です」


刻蝋値「そっか~、空腹我慢勝負なら俺の圧勝だな」


ラピス「そんなことありませんよ、俺だって省エネモードにすれば、常人の10分の1まで基礎代謝を落とせるので」


刻蝋値「…………サイボーグって、中々便利なんだな。メタモルフォーゼ・解除」


俺は久々に、普通のゴキブリの姿に戻った。


ラピス「省エネモード・発動………………」


…………何もしゃべらなくなった。生きては居るようだが、起きてるのかわからんな。それじゃ、俺も少し寝ようかな


こうして二人揃って寝ることにした。


~1時間後~


んん!? なんか重てぇな? あらよっと!


目を覚ますと、何かに思いきり潰されていたので、6足で跳躍のような動きを行った。


ガーネット「うわっ!…………何だよ、尻餅ついちまった」


トルマ「あれ?…………何かが足元にいるわよ」


シトリン「ぎゃあ!? ゴキブリ!! どうしてこんなところに…………」


やれやれ、メタモルフォーゼ・


刻蝋値「ヒューマン! よぉ、ガーネット、今回はよくも踏んづけてくれたな?」


ガーネット「ローチ! そこにいたのか! 手をかしてよ」


刻蝋値「自分で立てるだろ…………しょうがない」


多分わがままだろうから、手を出してあげた。


ガーネット「ありがと。…………見つからなかったから、爆発でもして死んじまったのかと思ったぜ…………」


シトリン「正直ゴキブリになっていたのは驚いたけど、あなたが普通の人間な訳ないもんね」


刻蝋値「そうだぜ、俺はゴキ…………」


うん?真っ暗になったぞ…………これは、貧血か。


トルマ「…………もしもーし? ゴッキー大丈夫?」


刻蝋値「うん? 立ちくらみが起こっていたらしい。もう治った」


ガーネット「当然! あたしの胸に顔を乗っけていたんだ。治らないわけないだろ」


刻蝋値「…………それは失礼した」


立ち上がろうとしたが、上がらせてくれなかった。


ガーネット「オラオラ、もっと癒されてもいいんだぞ?」


刻蝋値「くっそぉ…………疲労と空腹で力が出ねぇ。て言うか、ご飯頂戴。隣で寝てるラズリの弟分にもな」


ラピス「え? 良いのですか?」


刻蝋値「ん? お前は随分と元気そうじゃないか…………」


ラピス「はい、ラズリ姉さんに電力を少し分けてもらいましたので」


刻蝋値「やっぱサイボーグって便利だなぁ。俺も一部改造しよっかな?」


ガーネット「無理だろ、鉄でお前の甲皮を切断とか出来ないだろ。はい、あーん」


刻蝋値「そうだな、モグモグ…………だから一人で食えるんだよ!! はい、道具袋もらった! ガツガツモグモグ!!!」


トルマ「病人の癖に無理しちゃダメだよー! はいあーん」


刻蝋値「モグモグ、関係ねぇ!俺は箸も持てないガキじゃねぇ!」


シトリン「じゃあ、女性の体に興味津々なエロガキね。はーい、あーん」


刻蝋値「モグモグ、だから俺は1人で食えるんd…ブフォ!! 出会った時のことはマジで謝るから! ってか、回りがあまりにも積極的過ぎるだけで、俺は至って普通だ!!」


ラズリ「あの…………刻蝋値様ってそんなに変態なのですか?」


シトリン「ああ、大将は圧倒的な実力で私の腰を抜き、動けないことを良いことに、逆さまにして下着を覗き見するような奴なんだよ」


ラズリ「…………少々失望しました。あ、忠誠心自体はあるのでご安心を」


刻蝋値「何も良くねぇよ!! 御馳走様!! ラピスも食ったか?」


ラピス「はい、お陰様で動けるようになりました! 御馳走様でした。…………まぁ、女性への対応にはがっかりしましたが」


刻蝋値「だから誤解なんだよぉ~~…………」


色々誤解を抱えつつも、魔王と竜爺(トルマと一線を超えたことについてこっぴどく叱られた)のケガを手当てした後、砂漠を経由し、グレイテストシティに戻った。ラピスは開口一番都市の人たちに土下座で謝ったが、当然と言うべきか許して貰えるはずもなく、人々との溝は深いままであった。姉代わりのラズリまで批判を浴びる姿は流石に見ていて複雑な気分になってしまった。


刻蝋値「わかったか?人々を傷つけたらこういう風に見られるようになる。俺の仲間も大半はお前の事を受け付けないだろうし、何より、関係ないはずのラズリが非難されている姿を見て、思い知っただろ?」


ラピス「…………はい、どんなに非難されようとも、都市への貢献で少しずつ信頼を取り戻します」


刻蝋値「それしかないだろう。家の建築、部品の溶接、その他力仕事を馬車馬のようにこなすんだ。少なくとも、俺やラズリ、魔王城に来た仲間たちは、これからのお前に正しい道を歩んでほしいと願っているはずだからな」


ラピス「こんな俺のために…………ありがとうございますっ…………グスッ!」


刻蝋値「さっさと働け、そして一刻も早く"こんな俺"を誇れるようになるんだ」


ラピス「はい!」


俺も復興作業を手伝いつつ、団員達に、少なくともラズリだけでも受け入れてくれるよう説得を重ね、これを達成した。ラピスも復興作業に一番貢献したお陰で、石を投げられることはなくなり、現場の人たちとは良好な関係を築き、姉貴分が非難されることもなくなった。しかし、全員との和解にはまだまだ貢献と時間が不足している。…………いや、万人に認められることは不可能なのかもしれない。


刻蝋値「さて、俺らはそろそろいくぜ。ラピス、戦いたくて(うず)きが止まらなくなったら、俺の元へ来い。いつでも相手してやるぜ」


ラズリ「ラピス、都市の人達と仲良くね。直ぐには無理でも、いつかは絶対に認めてくれるから」


ラピス「はい、皆さんありがとうございました! 今後のご活躍を祈ります!」


こうして俺らは新たなる旅路へと向かったのさ。


第40話 色々見て回るぜ!に続く。

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