第30話
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第30話 さて、仲直りの方法は、これとこれとこれだ!
石像「ゴキブリ! 貴様ヲ押シ潰ス!!」
刻蝋値「当たるか、よっ!」
押し潰しを避け、今度は超音速のアッパーカットで胴体全てと顔半分を粉々にした。
石像「オノレ! アイビーム!!」
刻蝋値「クソッタレ! よりによって高熱線か!」
俺は奴が悪あがきで遊牧民達にレーザービームを撃とうとしていることを読み、眼前へと立ち塞がって代わりに受けた。俺の体表は限りなく黒! 要するに熱を吸収してしまうから、いくら俺でもあまり長時間受け続けるのは良くない。
石像「!!、バカメ! ソノママ焼ケ死ネ! ワッハッハッハ!!!」
刻蝋値「焼け死ぬのもてめぇだ! ダークリフレクター!」
石像「何!? ヌオオオオオ!!」
俺は奴のレーザー光線を防いでいた腕を退け、他の手でピッカピカに磨いた腹筋で文字通り反射してやった。
ザ・黒・光・り! だぜっ!!
ガーネット「おおお!!」
アメジスト「ステキーー!!」
…………筋肉好きと、キラキラ好きが何か言ってるのはおいといて、反射した光線は石像の目に蓄積し、膨大な熱となって石像ごと爆散したのさ。
クミン族長「ぬお? 何だか肩が軽くなったかの?」
バジル族長「ワシも何やらスッキリしたわい!」
ミント族長「どうやら、刻蝋値殿が言っていたことは本当じゃったようだな。しかし…………」
壊れた大地の神を象った石像を前に、遊牧民達は肩を落としていた。と、その時
トーガ・ラッシー族長「んへ? おわーーー!? 石像が壊れとる! 呪いも解けとる!! 大地の神なんぞを信じとる馬鹿者どもなら壊さないと踏んでいたのに! というか、どうやって壊したんじゃーーーー!?」
俺の背に縛り付けてたクソジジーが目を醒ましたと思ったら、何か叫んでやがる。言っちゃいけねぇこともマルッ! マルな☆
刻蝋値「ああ、皆に壊させるのを酷だと思った俺が壊した。部外者だし、恨まれてリンチにあっても、誰も俺を殺すことなんてできないだろうからな」
トーガ・ラッシー族長「…………血を求めるワシの欲求が、こんなゴキブリ小僧に阻止されるなんて…………うう…………」
クミン族長「トーガ・ラッシー族長、これでお主が大罪を犯していた事が分かった」
バジル族長「貴様さえ居なければ! ワシらや他の民族も争わずにすんだかもしれぬ! 少なくともここまで犠牲者が出ることは無かった!」
ミント族長「貴様は公開処刑だ。詳細は、族長3名で協議しよう」
ま、そうなるわな。でも、俺が遊牧民達にしてほしかったのは、こんな小物の処遇なんかより…………
刻蝋値「あのさ、部外者の俺が言うのも何だけどさ。食料問題の解決とか、平和条約の締結とか、後、石像を皆で直そうぜ!」
クミン族の少年「!、確かに、このままでは神の怒りが落ちる!」
ミント族の青年「よし! 力仕事が得意な若者は早速動くぞー!」
バジル族の中年「!、いかん! 俺達も他の民族に遅れをとってはならん!!」
そして遂に族長が首になったトーガ・ラッシー族も…………
部隊長「ひとまず我らも石像の再建に取りかかる! これ以上トーガ・ラッシー族を衰退させるな!」
粗削りながらも、神の怒りを沈める目的で、全部族が協力することになった。
刻蝋値「さてと、これから上手いこと皆仲良く過ごせるように企画を立てねぇとな」
ルビー「お手伝いします!」
刻蝋値「おう、頼りにしてるぜ」
それから族長会議により、トーガ・ラッシー族長は明後日処刑されることになり、手始めに石像の再建が本格的に進められることになった。
~明日・午後~
刻蝋値「うし、終わったか」
回りを見渡すと、共同作業で仲良くなった違う部族同士の者達が多くいた。
刻蝋値「皆に提案があるんだけどさー! 釣り大会なんてやってみないかーー?」
遊牧民達「釣り?」
クミン族の青年「ああ、あれですか! 魚を糸で引き上げる方法!」
刻蝋値「そう、それ! 1番多く釣った奴と、1番デカイ魚を釣った奴には、外国産の肉料理を振る舞うぞ~~!」
とたんに大歓声があがり、皆して海岸に行くこととなった。大会は大成功を納め、大量の魚が釣れたことで、食糧難の解決策の1つにもなった。
ミント族の女性「暫く魚を釣って、家畜達を肉にしないようにすれば、食糧難が解決しそうです!」
ガーネット「ああ、今団長とルビーが美味い魚料理を振る舞うから待ってな」
~厨房~
刻蝋値「ルビー、俺の方は後十秒で揚がるぜ」
ルビー「はい、私は今揚げきったところです」
刻蝋値「よーし、これで長アジフライと白身魚のソテーの完成だな。本マグロの解体は皆の前で見せようか」
俺が本マグロの解体を行うと、食卓も盛り上がり、楽しい夜が明け……る前のこと。
~ミント族のゲル前~
トーガ・ラッシー族・元族長派「へっへっへ、俺たちは戦を好むのさ。このお祭り騒ぎに紛れ、数人の他部族を殺してやる。そうすりゃ罪は全て新族長になったあのクソ部隊長に被る! 戦乱の再開だ!」
???「ガルルルルル…………」
元族長派「な、何だ?」
ニクス「ガオオオオーーーー!!!」
元族長派「モンスターだー! にげろーーー!!」
ニクスは彼らを海まで追い回し、突き落とした。
元族長派「た、助かった…………?」
~石像の前~
ニクス「ガウガウ!」
刻蝋値「お、よくやってくれた。ご苦労様」
俺が以前ニクスに頼んだこと、平和条約を脅かすものを追い払うをやってくれたようだ。
次の日は、午後にトーガ・ラッシー元族長の公開処刑が行われた。但し、残酷な行事であるため、成人していない者は参加禁止である。その間も含め、全部族合同で陸上競技、武術・格闘技、競馬大会を行ってみたところ、これが大盛況となり、皆の仲が一気に深まった。
パール「サファイア! ラストスパートgo! go!」
サファイア「ヒヒィーーン!!!」
パールも遊牧民達との生活で仲良くなった馬、サファイアと共に競馬に出場しており、文字通り勢いだけで優勝してしまった…………。
エメラルド「コックもルビーと組んで競馬に出てみなよー!」
刻蝋値「俺のは人馬だから規則違反じゃね? 後、ここでは亜人形態以外になってないから、混乱を防ぐためにこのままで居るよ」
ルビー「いえいえ、私が責任を持って刻蝋値様を調教して見せますわ。フフフ…………」
両手で鞭を握ったメイドさんを見て、ちょっと戦慄した。
刻蝋値「…………ルビーって時々怖いことしようとするよな。ニクスもビビってるじゃねえか」
馬達を美味しそうに見ていたニクスも、ルビーの方を怯えた表情で見ていた。
ルビー「あら? 私そんなに怖いかしら?」
エメラルドに問う。
エメラルド「ぜーんぜん」
刻蝋値「あからさまに忖度するな。良くないぞ、忖度は」
ニクス「ニ"ャーーー?」
刻蝋値「なんでかって? それはなぁ…………」
俺は前の世界でしょーもないことをして、人々を苦しめていた奴らの話をしてやったのさ。
~次の日・海岸~
クミン族長「行ってしまわれるのですね」
刻蝋値「おう、行くことにしました。皆さんも平和で元気にお過ごしください!」
新・トーガ・ラッシー族長「蝋値様! 此度のトーガ・ラッシーへの手厚いご好意、本当に感謝致します!!」
刻蝋値「新族長頑張れよ! そして、絶対に紛争なんか起こすなよ。ムシャクシャは陸上競技か武術で解決だ!」
新・トーガ・ラッシー族長「はい!」
バジル族長「また来ることがあったら、特産品の各種動物のミルクを物々交換しようぞ!」
ミント族長「遊牧民皆があなた方の再来をお待ちしております!」
刻蝋値「またこれたら来ます! さよーーーならぁーーーー!!!」
こうして俺らは遊牧の大地を発った。ニクスも最終日に草原でごろ寝を出来、満足しているようだ。そして…………
刻蝋値「メタモルフォーゼ・ケンタウロス!…………サファイア、これからよろしくな!」
サファイア「うふん、よろしくね、ろおち様」
刻蝋値「お、おう。よろしく…………」
人馬形態で話せるのは朗報だが、こんなしゃべり方だったのか……………。なんと言うかなぁ………………
第31話 おい、そこの人魚を侍らすドザエモン!俺と一騎討ちだ!!に続く。




