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第3話

無双が始まるよ!

第3話 レベル上がればスキル獲得、それを使うと……?に続く。


俺の名前は(こく)蝋値(ろうち)!っといってる場合じゃねぇ!


カラス『ガーーーー!ガーーーー!ガーーーー!』


うわっ、とっ、とうっ!!


俺は連続のついばみ攻撃を紙一重で避け続けていく。


カラス『ア"ーーーーー!!!』


!、先回りするつもりか!ターンライトだ!


素早く右方向に切り返すと、カラスとの間に距離ができた。


ゴキブリの敏捷性(アジリティ)ってすげぇな!殆ど思考とのタイムラグがねぇし、常に最高速度(トップスピード)だ。


カラス『ガーーーッ!』


遅い!


奴のついばみ攻撃を、またも真横の切り返しで避けた。


カラス『ガッガアッッ!!』


こんなフェイントバレバレだっつの


フェイントだって、奴の向ける殺気から即座に見抜き、容易く避けられる。ゴキブリマジパネェわ!!


それでもカラスは追いかけてくるので、何か無いかを探していると、洞窟を発見した!


よっしゃ!入るぜ!


そして俺は身を隠すことに成功した。カラスのヤロウ、(くちばし)を突っ込んで俺を食べようとしてるけど、全然届いてねーの。ダッセェ!


カラス『ガーーーー!カーー!カー……』


お?行ったか?だけどアイツは賢い鳥。上から待ち伏せしているかもしれん、暫く待つか。


と、その時だった!


うおおお!?


突如目の前に大木……いや、木の枝が突き刺さった!!


あのやろう!俺の事を銛で突くようにして捕獲するつもりだな!!おもしれぇ!ゴキブリの回避能力を舐めるなよぉ!!


俺の右半身を潰す突きは、左に避け、その逆は右に避ける。フェイントらしき突きは、洞窟の天井までぐるりと駆け上がることで回避。それでも奴は諦めない。


そりゃそうだ。カラスからすれば、ゴキブリはこれ以上なく手頃なオヤツ。ましてや格下一匹捕まえられず、どうやって飢えを凌げるってんだよ!


ここからは約15分ほど俺様の神回避が続いたのさ。


カラス『はぁ、はぁ、カアッ!カァー……』


うー、やっと諦めたか……スタミナは全く問題ないけど、精神的に参るな…………野生のゴキブリ達ってやっぱりすげぇよ。


俺は改めて、野生のゴキブリの偉大さを思い知った。そして、時間も大分過ぎたし外へ出ることにした。


???『ゴポポポ……』


は?何これ?


俺は目の前にいる"ソレ"が何かを認識するのに大分時間がかかった。何故ならソレは、現実世界にはいない…………


???『ゴポァーー!!』


まさかのスライムかーーーー!!


スライムの飲み込みをロケットスタートでなんとか回避しつつ、どうにかその存在を受け入れることに成功した。


うおお!アイツが跳躍して移動する度に揺れる!!


確かにひとっ跳びの移動距離は大きいのだが、動きにロスがある跳躍では、俺のスピードについてこれてないようだ。

時間がたつ程、距離は開いていった。


あばよー!非、現実生物!!


俺は大分ゴキブリの姿を使いこなせるようになったらしい。


暫く歩き……


俺は目の前に油虫の集団が集まっていることに気づいた。そして周りを見渡す。てんとう虫ならタイマン勝負で負ける気はしないが、集団の蟻はゴキブリなぞただの餌になってしまう。……今回は何もいねぇから、遠慮なく頂こう。


そして、油虫を一匹、二匹、三匹と食べた。


あー、やっぱり幸せなひとときは、飯を食ってるときだよなぁ。油虫、こんなに美味かったとは知らなかったぜ。


俺は料理が好きだから、ゴキブリに唯一可哀想な点を挙げるとするならば、料理された飯を食べれないことだと思っていた。しかし、生食には生食の良さがあることをこの時凄く噛み締めたんだ!


ああ……、ゴキブリに転生できて良かった……………………


???『レベルアップ!初めてのレベルアップ、おめでとう!!』


うぉ!?ビックリした!誰だよ!?


???『僕はこの世界の人々や魔物たち、動物達の誰にでも現れるナビゲーター!君は今、油虫から経験値を得て、レベルが1上がったんだよ!』


へぇー、それで?レベルが上がったら何かあるの?


ナビゲーター『当然!スキルポイントが入るんだ!スタートボタンからメニューを開き、スキルポイントの欄を開いてみな!』


いや、スタートボタンって……あったああ!!説明のしようがねぇけど、なんかあるんだ!うん、そういうことにしてくれ!


俺は早速スキルを見てみた。


メタモルフォーゼ


アンテナ


アゴ


前肢


中肢


後肢


羽根


尾葉


外骨格


神経節


内分泌系


残り1pt


………………昆虫解剖図かな?でも最初のメタモルフォーゼがスッゲェ気になる……取り合えず、これに割り振ろう。


スキル:メタモルフォーゼ・ヒューマンを手に入れた!


ナビゲーター『おめでとう!初スキルゲットだね!じゃあ、僕はそろそろ消えるけど、何か質問はあるかい?』


さっきのスライムといいスキルといい、ここって俗に言うRPGみたいな世界なのか?


ナビゲーター『ビンゴ!そうさ、生きるか死ぬかの世界で勝ち進み、強くなったものだけが人生を謳歌できるのさ!頑張ってねー!』


フッ、いよいよ面白くなってきた。ソレじゃ早速……メタモル…


刻蝋値「フォーゼ・ヒューマン!!」


ん?今、喋った!?


刻蝋値「おおお!?二足歩行になってる!けど手足合わせて6本……そうか!腕が4本なのか!」


成る程、ゴキブリ人間って訳か。お?あのスライムはさっき俺を食おうとした奴だな。仕返しだ!


刻蝋値「オラァ!!」


渾身のサッカーボールキックをお見舞いすると、ソイツは吹き飛ぶどころか体の中央が消しとんでしまった。


刻蝋値「……そうか、ゴキブリって1秒で自身の身長の50倍位進めるんだったな。足一本だけでも筋力ははかり知れねぇよな」


改めて思った。ゴキブリすげぇ!俺以外に人間大にならなくて良かった!と。


刻蝋値「よし!こうなったらモンスターを殺しまくって経験値と飯確保だ!!」


いくらスタミナが無限でも、このサイズだと腹減りは早いと考えた俺は、モンスターと言うモンスターを引き裂き、貫き、食いちぎった。俺の圧倒的速度により、周辺には強風が吹き荒れることとなった。


刻蝋値「獣っぽい奴の毛皮に3つの穴を開けてズボンを(こしら)えて…………この蛇、妙にキレイに皮剥ぎしたし、ベルトにするか!」


この姿で人扱いされるかは分からないが、一先ず下半身を隠す程度の品性アピールをすることにした。


刻蝋値「レベルも8になったし、城下町も見えてきた。お?この特技は……グフフフ。次のスキル割り振りは、このスキルだ!!」


内分泌にポイントを振り分け、"新たなスキル"を獲得した。


第4話 性フェロモンでモッテモテ!ってお前ら近すぎぃ!!に続く。

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