第22話
大航海時代の最大の敵は、ビタミン不足による病気だったらしいよ……栄養バランスには気を付けよう!
第22話 海には海の良さがあるなぁ~
俺の名は刻蝋値。今は海賊ライフを堪能中だ! 役職は勿論、船長!…………と、コックだ。だから皿洗いをやっている。お、最後の一枚か。
刻蝋値「よっしゃ! 皿洗い終わり!」
ルビー「はい、お疲れさまです刻蝋値様」
メイドのルビーが笑顔で返してきた。
刻蝋値「へぇ~、皿洗いも早いねぇ~。俺は料理人の母さんに鍛えられたから、皿洗いの精度とスピードに自信があったけど、ほぼ同時に終わりとはなぁ」
ルビー「フフ、メイドですから。それにしても刻蝋値様があんなに料理がお上手だなんて、私こそ驚かされっぱなしですよ。炒め物なんて私より上を行ってますし…………」
刻蝋値「いやいや、豪快に焼く料理以外負けっぱなしだぜ。昨日の料理対決は盛り上がったなぁ!」
ルビー「はい! 皆さんも喜ばれてましたし、…………まさかサイクロプスの大殿筋を料理することになるとは思いませんでしたが」
刻蝋値「あれ実はうめぇんだよな! 見た目はゲテモノだから、多分黒狼血義賊団しかわからねぇ珍味だぜ!」
ルビー「私、刻蝋値様となら、いつか料理店でも開きたいと思ってしまいました」
刻蝋値「良いな、それ。機会があったら移動式の料理店でも開いてみようか!」
ルビー「…………刻蝋値様、このあとお時間頂けますか?」
刻蝋値「ああ、1時間くらい誰とも予定は立ててないぜ。付き合うよ」
ルビー「ありがとうございます。では私に着いてきて下さい…………」
~ルビーの部屋~
刻蝋値「ここ、お前の部屋じゃねぇか。何するんだ? んっ!」
いきなりキスか…………ていうかさ、
ルビー「んんっ…………んちゅ」
刻蝋値「ん…………ぷはぁ」
なんと言うか……凄いテクニックを詰め込みまくったキスだったぞ。
ルビー「フフフ、これから〰のご奉仕をしようと思います!」
刻蝋値「…………え?」
また一体何を言い出すのやら…………
ルビー「はい、〰のご奉仕です」
刻蝋値「あのな、無理してあいつらに合わせる必要なんてないんだぞ。ルビーも生きてりゃその内運命の…」
ルビー「無理じゃあありません。私だからこそ出来ることをしようとしているまでです。…………失礼します」
…………なんてことだ。彼女、プロじゃねぇか!
刻蝋値「…………ルビー、いつどこでそんなテクニックを磨いたんだ!?」
ルビー「フフ、はじめて仕えた領主様にご奉仕すべき時があったので、その時技術を磨きあげました」
刻蝋値「あの理想の領主様に? あの辺の土地勘があるエメラルドに聞いても完璧超人だったって言ってたから、てっきり女関係も完璧なんかと思ってたぜ?」
ルビー「残念ながら、領主様は女性との会話が非常に不得手でありまして…………いつもそれが原因でフラれていたのです…………」
刻蝋値「嘘だろ…………?この世界に転生するまで殆ど女友達がいなかった俺すら普通に話せるようになったのに…………う~む、わからん」
ルビー「ですから、その度にひどく落ち込まれていた領主様を見てられなかった私は…………」
刻蝋値「〰なご奉仕をしてしまったと…………いや、そこはコミュニケーションの特訓をすべきだろ。〰の特訓したって、その前に結ばれなきゃ意味ないし」
ルビー「いえ、いきなり〰におよぶ方もいらっしゃるので、無意味ではないかと!」
刻蝋値「俺は、絶対君が奉仕したかったからっていうのが大きな理由だと思うぞ。領主様も止めてきただろ」
ルビー「はい! 傷心中にも関わらず、メイド達を思って止めていただかれました。しかし、領主様をストレスで無くす訳にはいかなかったので、私は無理をしてでm…」
刻蝋値「うん、スッゴクわかったからもういいよ。とにかく、尚更俺が〰の奉仕される理由が無ぇ」
ルビー「いえ、大有りです! 1つ、命をお救い下さった刻蝋値様への多大な恩! 2つ、私は刻蝋値様をloveの方で好いてるから!」
刻蝋値「え?俺…………命救った以外になんかしたっけ…………?」
ルビー「刻蝋値様の強さを追い求めるあまり、自分よりも弱い他人へ躊躇いなくアドバイスを求める姿…………、ろくな重りが無いにも関わらず、一瞬で筋肉を追い込む方法を考え抜く強者の発想力…………、何より、実力的に、刻蝋値様の足元にすら及ばない私たちにこんなに優しくしてくれる、その優しさに惚れました!」
刻蝋値「う~ん、大体俺の自分勝手な部分な気がするが…………」
ルビー「刻蝋値様自身が気づいてないだけですよ♪ それに、第3の理由を聞いたら、間違いなく〰の奉仕を受けたくなるはずです…………」
刻蝋値「…………一応聞いておこうか」
ルビー「私なら、少ない戦車砲の発射で満足させられます。刻蝋値様は枯れずに気持ちよくなれるのですよ?」
刻蝋値「………………確かにそれは他の色欲魔達にはない魅力だな」
ルビー「フフ、技術力の差です。もうひとつ付け加えるならば、皆さんにも私の技、伝授しますy…」
刻蝋値「それは是非ともお願いします!!!」
ルビー「は、はい…………」
しかし、ここであることに気づいた。
刻蝋値「あ、でも俺がよくなってもあいつらがよくならんかったら、いつまでも終わらねぇな」
ルビー「その点は私を使って、刻蝋値様が技を磨いていけば良いと思います」
刻蝋値「そうだな。悪いけどよろしく頼む。ってルビー、その言い方だと、領主様と体験したこともあるのか?」
ルビー「いえ、これからが初めてです。ですが、この本にポイントはほぼ全て書いてあります!」
ルビーが取り出した本には、『メイド用・禁断の〰奉仕術』と書かれていた。因みにバトラー用もあるらしい(学ぶ意義あるのはイケメンだけな!)。
刻蝋値「こんなの持っとりゃあ、直ぐにコツくらい掴めるわな」
ルビー「ええ、では早速始めますね♪」
~1時間後、甲板~
刻蝋値「いやー、よかった。そして助かったぜルビー、今夜はよろしく!」
本当に良かった。普段は倦怠感が残っちまうのに、今は爽快感の余韻のみが全身を駆け巡っている。
ルビー「はい!」
ダイア「お? ルビー、遂に今夜やるんだな!」
ルビー「ええ、遂に皆さんのお仲間への道を1歩踏みます!」
ダイア「これからは兄弟…………いや、姉妹だ!」
刻蝋値「ダイア、スパーリングやるんだろ? 行こうぜ」
ダイア「あ、そうだった。うん! 行こう」
ルビー「あ、私も一緒にスパーリングしてもよろしいですか?」
ダイア「おお、良いけど、メイドさんって格闘技もやるの?」
ルビー「はい! いついかなる時もその場にあるものを用いて、万が一、例え武器が無くとも体ひとつでご主人様を守るのが、メイドやバトラーの仕事です!」
刻蝋値「俺は強いから、荒事の時は皆の手助けをしてやってくれな」
ダイア「よし、2人と1人でスパーリングと自主連を回して行おう!」
ルビー「はい!」
~1時間後~
ダイア「ルビー、お前本当に強いな! また明日スパーリングやろうぜ!」
ルビー「はい!」
空を見上げていると、陽光を隠す影が真上を通過した。
刻蝋値「んー…………あいつ旨そうだな」
俺は真上を飛んでるカモメを見て、調理したら美味しそうだと思った。
ルビー「お任せを! それっ!」
鮮やかな2振りのナイフ投げで、カモメを2羽、船に落とした。
ダイア「ヒュウ♪」
エメラルド「わぁ! さっすがルビー!」
遠くから見ていた同じナイフ使いのエメラルドがキラキラした目でルビーの方を見ている。
刻蝋値「何でも出来るなぁ! 俺も負けてられねぇ!」
燃えてきた俺は跳躍を行い、一瞬で逃げ始めたカモメの群れとの距離を詰めた。そして、連続・超音速デコピンによって発生させた衝撃波で、残り8羽を気絶させて船に落とした。
ルビー「え!?刻蝋値様、今何をなされました……?」
刻蝋値「跳んだ後、指からソニックブームを発射して、カモメを気絶させた。こうすれば生け捕りに出来るから、更にキレイな肉をとれる」
ルビー「な、成る程…………」
エメラルド「慣れだよ慣れ、それよりも一緒にナイフ投げの練習をしようよー!」
ルビー「ええ、勿論。だけどカモメの解体が先です。よかったら手伝ってくれませんか?」
エメラルド「もっちろん!」
刻蝋値「俺もやるぞ。多くは俺が捕獲したからな。ダイアも一緒に解体する?」
ダイア「うん、たまにはこういうのも悪くない。ろうち、教えてね」
~5分後~
刻蝋値「関節部に達したら、方向を変えるんだ」
ダイア「…………こうか?」
刻蝋値「大丈夫だ。後は、筋繊維に沿ってナイフを滑らせろ。これぞ筋肉道だ!」
ダイア「おおおお…………キレイに出来た!」
エメラルド「おめでとー!」
ルビー「始めての解体成功、おめでとうございます」
ダイア「へへ、まぁ殆どろうちに手伝って貰ったけどな」
刻蝋値「よし、後は俺が冷凍とかしとくから、各自やりたいことをやっていいぞ」
ダイア「うん、新メニュー楽しみにしとるぞ」
ルビー「後でカモメの特徴などを教えてください。私もメニュー考えますから」
刻蝋値「ああ、うまい飯作ろうな!」
~5分後~
刻蝋値「よし、筋トレだ。今日は腕の日」
俺はそういって、4つの腕を曲げ伸ばしし、上腕二頭筋と上腕三頭筋の収縮感覚を強く感じ取った。
刻蝋値「1セット目は筋収縮感覚を脳に刻み込み、これから筋トレが始まることを強く意識する…………」
そう言いながら海に降り、水面をリズムよく蹴って海の上を歩き始めた。
刻蝋値「2セット目!ほおおお…………」
俺は強く水面を蹴り、高く飛び上がって再び着水するまでに、超スピードで腕を振ることで、上腕二等筋と上腕三頭筋を追い込む寸前まで動かした。
刻蝋値「ざっと20秒か。2セット目は本番前の練習試合。だから、反動を使わないようにはしつつも、スピーディ・加速度的に動作を行い、アドレナリンを超分泌する!」
再び海の上を歩きながら、しばし筋肉に休息を与える。
刻蝋値「来た、3セット目を始めよう。本音を言うと、クソ重いダンベルが欲しいが、無いから加速度で負荷を作る! アドレナリン過剰分泌!! シャアっ!! オラアアアアアア!!! うおおおおおおお!!!!」
2セット目同様に海を跳躍し、今度は正真正銘最大加速の最高速度で4つの腕を振りまくった。本番は兎に角野生を解放するから、多少反動を使ってしまうのは仕方無い。…………因みに何で船じゃなく、海の上かって?俺の腕が速すぎて、衝撃波が発生するから、船を壊さないように移動しているだけさ。
刻蝋値「っおおおっ!…お!!…………動かそうにも動かなくなるまで17秒か。着実にコツをつかめてきた!」
そう、筋トレもスポーツ同様うまい下手がある。目的にもよるが、俺のように筋肥大をしたいのなら、短時間の動作で筋肉を追い込める方が上手いと言える。何故なら、速筋繊維と呼ばれる大きくなりやすい筋肉は、高強度・高速度・短時間の運動で使われる筋肉だからだ!
刻蝋値「よーし、後は2セット位パンプアップするか!」
本番セットが成功したら、後は更に動かすことで、筋肉の中に溜まる乳酸やら疲労物質やら血液やらを限界まで貯めて、筋肉を膨らます。…………よく、この手の物質は、筋肉を長時間動かさないと溜まらないとか言われるが、素早く動かせばわりと直ぐに溜まってくるぞ。マジで。
刻蝋値「うし! 上出来だ! 今日の筋トレは終わり! 寝よ」
こうして俺はバグズ・シェイク・プロテインを飲んだ後、船首で寝ることにした。船首で寝るわけは、敵船が来たときに直ぐに動くためだ。
~1時間後~
ガーネット「ローチ、ちょっと相手してくれ!」
刻蝋値「んぁ? なんの相手だ?」
ガーネット「素早いやつに攻撃を当てる練習の相手。パールとも合わせる約束してるから来てくれ」
刻蝋値「それなら引き受けよう」
~1時間後・食堂~
ルビー「刻蝋値様、カモメの調理法、何か思い付きましたか?」
刻蝋値「おう、出汁をとったら中々美味かったから、一先ずスープだ。夜は焼き鳥でも作ろうと思ってる」
ルビー「そうですね…………揚げ物なども試してみましょうか?」
刻蝋値「どっちが適しているか、皆に食べ比べて貰おうか」
~1時間後~
刻蝋値「…………そう言えばルビーは鞭も得意な武器だったな」
ルビー「ええ、寧ろナイフよりも得意な位です」
刻蝋値「ほぉー、あのバトラーを敢えて2番目に得意な武器で倒したのか」
ルビー「古い鞭ですけど、初めてメイドになったときに、領主様がくださった思いでの品です。あんな男に傷つけられたくありませんでした」
刻蝋値「…………成る程な。でも鞭ってリーチが長い武器として以外に何かに使えるのかな?」
ルビー「調教です」
刻蝋値「ゑ?」
ルビー「侵入してきた賊を打ち、行いを後悔させて、2度と悪事をしないように調教します」
刻蝋値「ヒュー♪コワイコワイ。メイドさんって結構恐ろしいね」
ルビー「フフ、刻蝋値様も体験してみますか?"調教"」
刻蝋値「おう! 俺にダメージが通るとは思わんが、洗脳効果だけ出たりするかもしれねぇ! やってみるぞ!!」
ルビー「あ、も、申し訳ありません!今のは…………冗談…………です」
スッゲェ顔を赤らめてる……。普通は応じないもんな。
刻蝋値「え? そうなの? 俺としてはルビーから鞭の使い方も学ぼうかと思ってたんだがなぁ。先ずは受けてみようか! とな」
ガーネット「お、なんだ? ローチはMだったか! あたしが良い一撃を入れてやるぞ! オラァ!!」
降り下ろされる斧を指一本で制止した。
刻蝋値「…………あのな、今はそういう意味で承諾した訳じゃないぞ。後、早とちりして人を直ぐに殴らない!」
ガーネット「なんだよー、その言い方。まるであたしが子供みたいじゃないか」
刻蝋値「…………そうだ。ルビー、ガーネットを調教してみてくれ」
ルビー「え、良いのですか?」
ガーネット「いや、何言って…………」
刻蝋値「おう、頑丈だから全力でやっても薄皮一枚剥がれるかどうかだ。存分に検証するぞ」
ルビー「それもそうでした。ガーネットさん、ご協力お願いします」
そう言って、礼儀正しくお辞儀をした。
ガーネット「あたし許可出してねーよ!」
そう言って逃げ出そうとしたので
刻蝋値「捕まえた。へっへっへ、今までダメージが無いからって俺を殴り続けてきたろ?」
ガーネット「だって本当に練習台がローチしか無いんだもん…………」
刻蝋値「今度はお前が身をもって俺の思いを体験する番だ。前払い報酬をやるから、観念しな」
そう言って、今朝練習した相手を気持ちよくさせる触り方を実践してみた。
ガーネット「うわあああ! な、何なんだ今の…………??」
これは想像以上に効果抜群だ。
刻蝋値「さぁルビー、やっちまえ!!」
ルビー「では失礼します。ホアチャーー!!」
耳をつんざく音が、船中に響き渡った。
~10分後~
ルビー「これで100回目…………ガーネットさん、おすわり!」
ガーネット「…………」
反応がない。
ルビー「どうやらダメージが無いと、効果を発揮しないみたいですね」
刻蝋値「つまり、俺が鞭を使えるようになったら、誰だろうと洗脳できるわけだな」
ルビー「す、末恐ろしいです…………」
刻蝋値「ま、そんなことしねぇけどな」
ルビー「それは安心しました。ガーネットさん、お疲れさまです。ヒール! かすり傷1つ消しておきました。被験者になっていただきありがとうございました」
深々と頭を下げ、去っていった。
ガーネット「…………うう、終わったぁ?」
刻蝋値「おう、お疲れさん」
ガーネット「ルビー…………怖い。確かにダメージ無いけど、あの一撃、凄く精神に来る」
刻蝋値「近々俺も習得予定だ。実験台は勿論…………」
ガーネット「うわぁ!! それだけはやめてぇ!!」
刻蝋値「冗談冗談、無理に拘束して悪かったな。けど、これで俺の気持ちもわかったろ」
ガーネット「うん、もうちょっとのことで殴らない。今までごめんな、今夜は最高の気分にしてやるからな!」
刻蝋値「おう! 期待してるぜ!」
俺は敢えて満面の笑みを返して去っていった。
ガーネット「…………へ? ローチが〰〰の申し出を喜んだ??」
~10分後~
アメジスト「キャアア!!」
刻蝋値「アメジスト、どうした?」
アメジスト「大物かかった! つれてかれちゃう!」
刻蝋値「俺に任せろ、そらよっ!」
いい手応えの竿を引き上げると、5メートル程の魔獣が釣れた。
パール「あれは、魔獣アイアンシャーク! 私に任せて!」
パールが空高く跳躍をした。
刻蝋値「おお」
あんな鎧をつけて、中々の脚力だなと思った。
パール「メテオストライク!」
槍を垂直に全力で投げ、アイアンシャークの脳天に突き刺して、絶命させた。
刻蝋値「よっと、いい一撃だったぜ」
俺は、パールをお姫さまキャッチしながら素直に誉めた。
パール「あ、ありがとね」
顔を赤らめながら槍の回収に向かっていった。甲冑を脱いでるから表情がよくわかり、素直に可愛いと思った。
~夜・食後~
全員「ご馳走さまでした!」
俺が背伸びをすると、"彼女"がやって来た。
ガーネット「さぁ、ローチ君、お姉さんがたーっぷり癒してあげるわよぉ」
なれた手つきで準備を始めたので
刻蝋値「いいや、今日は俺が癒してやるぜ、お姉さん」
ガーネット「…………ローチ、本当にどうしちゃったの?」
俺の思わぬ発言に、目をパチクリさせている。
刻蝋値「細かいことは気にするな! いくぞ!」
鍛えた俺のテクニックにより、ガーネットは一瞬で戦闘不能に陥った。
ダイア「うそ…………」
アメジスト「あのガーネットちゃんが」
マリン「いとも容易くイかされるなんて…………」
パール「コクロウ、何をしたの?」
刻蝋値「ちょっとメイドさんと練習したのさ。な、ルビー」
ルビー「はい、皆さんのあまりにも強引すぎる〰のやり方に見かねて、私が刻蝋値様の才能を開花させました」
エメラルド「す、凄すぎる…………」
ダイア「でも、私達だけが楽しむのも、それはそれで不公平だよ」
ルビー「ええ、ですから先ずは皆さんに、刻蝋値様を楽しませる〰を教えようと思います」
刻蝋値「よーし、皆よく見て覚えろぉお!っそれ、最高…………」
ルビー…………とんでもないやつを仲間にしたのかもな。これは革命だ。上手く団員に彼女のテクニックを伝えられれば、俺は朝、枯れ果てることもなくなるんだ!あ、戦車砲を発射しちまった…………
ルビー「ハァ……ハァ……こんな感じです。刻蝋値様の弱点は…………」
今日の宴は地獄じゃなくて天国だったぜ。最後はルビーが教えて自らも鍛えた俺の技で、ルビーに恩返しが出来た…………いい夜だったぜ
~次の朝~
刻蝋値「ふぅ、いい朝だ」
ガーネット「ロ、ローチ、おはよう…………」
刻蝋値「おう、おはよ」
ガーネット「き、今日はあたしが主導権握るからな!! 覚悟しとけ!!」
ふふ、もう2度と主導権を握らせてたまるか。ん?あれは
~敵船~
船長「野郎共!あの腹立つ金ぴか船から全て奪い尽くすぞーーー!!」
クルーたち「おおーーーー!!」
~ゴールデン・ヴィクトリア号~
刻蝋値「皆! 敵船だ!起きて戦闘準備を行え!!」
ダイア「ろうち! 前衛3人とエメラルドと一緒にこっちから乗り込もう! 撃たれる前に絞める!」
刻蝋値「賛成!一人ずつ腕にしがみつけ!」
パール「うん!」
ガーネット「いつでも行けるぜ!」
エメラルド「お宝~♪」
刻蝋値「跳ぶぞ!」
俺は敵船へ、放物線を描くようにして跳んだ! お宝を奪うために!
第23話 密漁・密売は許さんぞ!に続く。




