第2話
続きです。昨日まで更新している小説共々よろしくお願いいたします。
第2話 オイオイ、この姿って!?
ん……、ここは?高い草に囲まれてるな。少し歩いてみるか。…………やけに体が軽いし、歩行速度も速い。走ってみるかってうおおおおお!?!?なんつースピードだ!?え?荒野に出たぞ!?うむむ……どうなっているんだ?目線は低いし脚が6本あるし、見えない部分も空気の流れで大体わかr…ってちょっと待てえええ!?!?
俺は重大なことに気づいた。
人間は手を含めて脚は4本だろ!!気配もこんなにビンビン感じねぇし、何より何故地面に這いつくばっている!?…………この特徴を持つ奴は一匹しか居ねぇよなぁ…………俺は…!
ゴキブリになったんだあああ!!!!!
いやー、ゴキブリ好きだけど、とうとう本物になっちまったんだなぁ。感慨深いわー!体は軽いし、足は速い。いくら走っても疲れる気配が無いし、巨大な岩石もこの通り!
くいっと巨岩を押すと、巨岩は容易く7m程飛んでいった。
いやー、ゴキブリサイコーーーー!!
『ヂュウ!』
ッーーー!なんだ……この…………おぞましい気配!?
俺は声の主が、絶対に勝てないほどの力を持っていることを瞬時に理解しちまった。
巨大生物『チチッ!!』
うわああ!!!にげろーーー!!
俺は脇目もふらずに逃げ出した。奴の噛みつきを尾葉センサーで察知し、紙一重で避けて命を繋ぐ!スタミナは無限にありそうだから、当然全力疾走だ!だけどアイツも速い!!また死ぬのか!?俺!!!
???『ミャア!!!』
巨大生物『チュ!?』
おおお!?すげぇ震動!!別の更に巨大生物のお陰で助かったぞ!だけど小さい方の巨大生物の後で、俺も食われるだろう。ひとまずこっそり逃げよう。
俺はそそくさと逃げた。草むらに入ってからは少しスピードを上げて、兎に角進んだ。進んだ先で、湖(多分水溜まり)を発見したので、水分補給がてら自分の姿を確認する。
はあああ!!やっぱりゴキブリだーーーー!サイコーーーー!!
かわいい~ーー!!カッケェーーー!!ヒャッハーーー!!!
うん、改めてゴキブリの可愛さとかカッコよさとか再確認できたわ……ん、誰かいる。ゴキブリか?
俺はソイツに近づいてみた。ソイツはゴキブリじゃなくてコオロギだった。まぁ、同じ触角を持ってるんだし、挨拶くらいしようじゃないか。
こんにちは、と、アンテナを当てようとしたら、相手も応じてくれて、物凄く早い動きの挨拶を互いに行った。そして途中で気付いてしまった。
……あれ、これアンテナフェンシングじゃん。近くに雌が居るときの雄コオロギ同士が行う行動で、確か決着がつかなかったら喧嘩に……
コオロギ『リリリリリリリリリリリ!!!!!!』
やっぱりいきり立ちやがった……俺はコオロギじゃなくてゴキブリだ。喧嘩したい訳じゃねぇから、よそでやってくれや
しかしいっこうに泣き止まない。
うるっせぇなぁ……ウオッ!?
突然アイツが頭突きをしてきた。どうやら奴は、自分の鳴き声を俺の鳴き声と勘違いしたらしく、喧嘩上等と、攻撃してきたらしい。
頭にキタぜ!!全速力突進!!オラァ!!!!
俺はゴキブリの超加速能力を活かした渾身のタックルで、奴を突き飛ばした。
ふう、アイツもビビって逃げていったな。情けねぇ野郎だったぜ!
???『ガーーーー!ガーーーー!』
おいおい……これはマジでやべぇぞ………………
カラスじゃねぇか
第3話 レベル上がればスキル獲得、それを使うと……?に続く。