第147話
お待たせしました! 今回の犠牲者は……夏を彩るあの星です……!!(笑)
第147話 最終決戦・宇宙歴に刻まれた俺達。
子供「おじーちゃん、夜空が綺麗だね~~」
グレイの子が、夜空を見上げ、祖父に話しかける
じいちゃん「そうじゃな。もうちょっとで調整が終わるぞ」
子供「早くアルタイル見たいなー!」
この家族が住む星の近くに、アルタイルが存在するようだ。
じいちゃん「ふぉっふぉっ……そう急かすでない。……よし、出来たぞ」
子供「どれどれ……うわぁ! すごい……あ! 光がぶあーってなった!! もしかしてチョーシンセーバクハツ?」
じいちゃん「そんなはずは……」
夜空を見上げると、明らかにアルタイルの光が拡散しており、この星すら輝きを増し始めている。
じいちゃん「ちょっと見せてくれ!」
子供「あっ……」
じいちゃん「こ、これは!?」
望遠鏡を見ると、アルタイルの爆風より早く、人影が迫ってきている。
じいちゃん「宇宙1の凶悪犯罪者、ボイド!? こうしちゃおれん! 逃げるぞ!!」
振り向いた先に孫は居らず……
子供「でもおじーちゃん、ゴキブリ星人? の誰かがボイドと戦ってるよ? あ、ボイド吹っ飛ばされた。……ああ! あの人刻蝋値だ!!」
じいちゃん「刻蝋値……とは、確か宇宙平和推進会の副会長をしておる、あの?」
子供「うん! スッゴク強いから、負けないよ! 頑張れーーー!!」
~数時間前・アルタイル周辺~
刻蝋値「キネティック・ラッシュ!!」
ボイド「亜光速極加重連撃!!」
互いに1歩も譲らない殴り合いを続けている。
ボイド「そこだ!」
俺の拳を掻い潜り、顔面まで拳の1つを持ってきた。
刻蝋値「キネティック・ファング!!」
俺はラッシュを中断して獣形態になり、奴の拳を食いちぎった。
ボイド「ぬぅ……!?」
思わぬ手に動揺した隙を突き、
刻蝋値「キネティック・ストライクーーーー!! うおおおおおっ!!」
得意技を、押し付けるように行い、周辺の星々を粉砕しながら、ボイドを押し進めていく
ボイド「ぐっ!……うおおおおおおっ!?」
ビーム系の技で、振りほどこうとするも、どんどん加速(俺とボイドの感覚的に)していく状態で、うまく撃てないようだ。
刻蝋値「いっくぜぇぇえええ!! スターブレイク・ストライク!!!」
俺はその勢いのまま、アルタイルに突撃した。夏の大三角形を形作っていたこの星ともお別れだ。さよなら、アルタイル。
ボイド「ぬうっ……ここまで力があるとなると、俺の本気を引き出せるのかもしれんな」
刻蝋値「何………!?」
恒星が超新星爆発する際に、飛んでいく粒子よりも速く動きながら、俺は奴の言葉に驚いた。
刻蝋値「だったら……見せてみろ!!」
亜人形態になり、蹴り飛ばす。
ボイド「変身……解除!」
その姿は、ルシファー程の筋肉に、光がまとわりついた、神々しいものだった。
ボイド「プレデーション・ブレイク!!」
刻蝋値「!?」
とっさに腕でガードしたが、腕だけでなく、顔まで骨折して吹き飛ばされた。
刻蝋値「うおおおっ!(さっき横に蹴り飛ばして正解だったぜ……)」
あの角度で飛ばされたら、下手すれば知的生命体が住む星に、衝突するところだったのだ。
ボイド「おおおおおおっ!!」
ボイドはそのまま相対論的にものすごい速度の連続攻撃を仕掛けてきた。相対論的というのは、光速付近で動いている俺基準という意味だ。現在、俺の感じる1秒が、実際は1時間、あるいは10時間であるレベルで時間感覚が鈍くなっている。つまり実際は、俺達は似たような速度で動いているのだ。
刻蝋値「くっそぉ……防戦一方は癪だぜ……」
そうこうしている間にも、数秒に1度のペースで岩石惑星やらガス惑星やら、白色矮星やらを破壊しながら、打撃の応酬が続いていく。
刻蝋値「やむおえん! アルティメット・デストロイチャネル!!」
少し前に施術したステロイド強化以外の強化も全て施し、完全にパワーブーストがかかった状態になった。
刻蝋値「スターブレイク・ストライクラッシュ!! うおおおおおっ!!」
俺は獣形態になり、連続の突撃でボイドを攻め立てる。
ボイド「ぬぅおおおっ!!? まだ隠し玉があったか……」
ガードがおいつかないスピードで攻撃を続け、肉体を削ぎ落とし続ける。
ボイド「1割のエネルギーと魔力の爆発……超新星の破壊力を食らうがいい!!」
刻蝋値「んにゃ!? そんなもの、こうしてくれる!! 」
ボイド「デストロイ・スタークラッシュ!!」
刻蝋値「キネティック・ストライク!!」
ボイドがベガの超新星爆発並に高い、エネルギーを炸裂させた瞬間、俺は最高速度で突撃し、真っ向からボイドに攻撃を仕掛けた。
刻蝋値「熱ちゃあああーーーー!!!」
ボイド「ぬおおおっ! 焼けるが良い!……なんだと!?」
俺の体は確実に進んでいる。これは……!
刻蝋値「もらったぁ!!」
俺はボイドが作り出した爆発を突破し、先程のアルタイルの爆発へ突っ込むことで、ボイドに追加ダメージを与えた。
ボイド「ゼエッ!……ゼエッ……! ふ……ハハハハハハ!!!! 刻蝋値、貴様は俺の想定を何処までも上回りやがるなぁ!!……いいぞ、こうなったらとことん本気を見せてやろう。アトミカル・グレードアップ!」
今度は強化型の変身を行ってきた。姿としては、エネルギーが増し、筋肉が膨れ上がっただけと、結構シンプルだ。
刻蝋値「ッシャ! キネティック・ナックル!!」
ボイド「ヌゥン!!」
互いの拳は拮抗し、またもや異空間に投げ出された。
~異空間~
2人「うおおおおおっ!!」
刻蝋値「今だ!」
俺の後ろ蹴りが炸裂!
ボイド「もらった!」
ボイドの拳が俺の頬を抉る!
刻蝋値「くたばれ!!」
猿形態の高速回転で、腕を切り落とす。
ボイド「お返しだ!!」
ボイドの踵落としが俺の右上腕、右中腕を爆砕する!
2人「この程度!」
同時に再生を済ませ……
2人「おんどりゃあああああ!!!」
最高出力の一撃により、別の異空間に飛ばされた。
刻蝋値「戻ってねーじゃねぇか!!?」
ボイドにラッシュを仕掛けながら、突っ込む。
ボイド「なぁに、その内当たりを引く……ぜ!!」
手痛いカウンターの突きを食らってしまった。
刻蝋値「うおおおおおっ!!」
ボイド「おおおおおおっ!!」
もう一度お互いの最大パワーをぶつけ、またしても別の異空間へ侵入し、そこで動けなくなった。
刻蝋値「さ、さすがのお前でも……これはキツいだろう…………うおい、マジか」
奴は更に変身していた。更なる力を解放して。
ボイド「フ、何もさっきの変身が最終手段とは言ってない筈だぞ。さて、かかってくるか、死ぬか」
……策ならまだある。使いたくなかったがな
刻蝋値「かかってくるに決まってるだろ!」
俺はふてぶてしく笑い、道具袋に変えていた、想いを具現化する剣、アガートラームを握った。
第148話 最終決戦・異空間トラベラーズバトル!に続く。




