第132話
第132話 極まりし剛と柔
酒呑童子「フシュウウウ……金棒なぞ1000年ぶりに使ったか。久しく見る、強者だったな」
酒呑童子は、流石に5tの金棒をぶつけたことで、バレットが死んだと思っており、気を抜いているらしい。加えて……
酒呑童子「これを全速力で振れば、さしもの己も筋肉痛になるか」
どうやら右腕がかなり筋肉痛らしく、動かし辛そうだ。と、その時
バレット「ネオ・グングニール!!」
酒呑童子の一撃で、融解した大地からバレットが飛び出し、酒呑童子の顎をマッハ1800でかちあげた。
酒呑童子「ヌオッ!!」
マッハ900で吹き飛び始める。
バレット「逃がさねぇぞ!! 断斧・バルディッシュ!!」
が、瞬時に真上まで上昇したバレットの踵落としを食らい、マッハ1000で再び地面に落とされた。
バレット「まだまだぁ!! 雷鎚・ミョルニール!!!」
止めとばかりに気功で急速落下を始め、衝突寸前に人馬形態となり、マッハ2100もする蹄の一撃を食らわせた。
酒呑童子「ガハッ! ヌウッ!!」
バレット「当たるかぁーー!!」
不意討ちの金棒を避け、今度は超接近戦を仕掛けていく。
バレット「グングニルラッシュ!!」
亜人形態になり、4本の豪腕から、一撃が大山1つ粉砕するような拳の嵐を繰り出していく。
酒呑童子「痛ぅ! ヌオオオオオ!!!」
極大剣でつけられた大胸筋の傷や、蹄でつけられた腹筋や内蔵の傷に響いているようで、確実にダメージが入っている。
バレット「ぐっ! ってぇ!! オラオラッ!!」
酒呑童子もバレットに引けを取らない拳を放っており、幾つかはバレットを苦しめているが、手数の違いにより、バレットが優勢である。
酒呑童子「ならばもう一度食らわせるまでだぁ!」
再び5tの金棒を取り出し、回転を始めた。
バレット「させねぇぞ!」
が、1度痛い目を見たバレットは、金棒を掴んだ。そして
酒呑童子「ぬおっ!?」
酒呑童子から奪い取ったのだ。
バレット「食らいやがれ、トールハンマー!!!」
使い手の酒呑童子よりは弱めのマッハ1200でぶつけたが、既に消耗していた奴を気絶させるには十分だった。
バレット「ゼェ……ゼェ……これぞ、柔の奥義だな……マジで死ぬかと思ったぜ」
勝ったバレットも、横たわった。
~ファングサイド~
鬼童丸「攻の太刀・蛇行空裂斬」
気功の力を利用し、蛇のようにしなる斬撃を放ってきた。
ファング「遅くとも、残るってのは厄介だな……」
音速で飛ぶ斬撃……最早ファング達にとっては遅すぎる攻撃なのだが、それが残せるのであるならば、威力の重ねがけや行動の制限には非常に使えるため、厄介となる。
ファング「食らいな!」
しなる斬撃に対し、こちらも斬撃を放つことで、しなりの方向を変えて、鬼童丸に矛先を向けた。
鬼童丸「転の太刀・真円斬!」
蛇行していた斬撃を円に纏め、放つことで、防御と攻撃を同時に行った。
ファング「こうなったら……トリリオン・ゴッドアンピュテート!」
ファングは超スピードのヒットアンドアウェイを繰り出し始めた。
鬼童丸「牙で斬らず、高密度な飛ぶ斬撃をぶつけまくるとは……なにがしたい?」
当然、鬼童丸は全てガードしている。
ファング「ゴッドアンピュテート・ビジテーション!」
おしまいに、直接牙で挟み込んだ。
鬼童丸「この時を待ってい…何?」
ファングの勢いを使った串刺しを狙ったが、太刀が破壊されて阻止された。
ファング「かかったな。ソニッブームで、その太刀の耐久度をがた落ちさせたぜ!」
そして、止めとばかりにスパーキングダガーで切り裂き、勝利した。
鬼童丸「見事……」
ファング「まさか俺が……あいつみてぇに剛の奥義を行うなんてな」
第133話 認識すら……出来ぬのか!?に続く。




