表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
131/151

第131話

主人公がおかしい小説を書いてる自覚はあったが、他のキャラの実力も大概になってきたな……

第131話 史上最大のバトルをしに行こうぜ!


刻蝋値「……」


身長が220cmもあるゴキブリ少年が、目の前のVRPC とにらめっこしている。


刻蝋値「……お、返事来た!どれどれ……よっ…しゃあああああっっっつ!!!!!」


突如施設中に響き渡る大声をあげ、大狂乱し始めた。


アリアドネ「うるさいわよ! 何なのy…」


あまりにもうるさかったので、今まさにコーヒー2カップを持ってきたアリアドネが忠告をしようとするも……


刻蝋値「聞いてくれ、アリア!」


一瞬でコーヒーを奪った上、抱きつき……


アリアドネ「キャッ…ちょ、何なn…グビグビグビ……」


動揺した隙に、片方のコーヒーを飲ませ……


刻蝋値「ネットで応募した、サタンへの挑戦が承諾されたんだよ! グビグビグビ!!」


説明するだけしたら、自分もコーヒーを飲み干した。


アリアドネ「ああ、私も参加することになっている、命がけの挑戦のことね?」


刻蝋値「それそれ、けどよ、何も無理に出ることはねぇぜ? 殺されても文句なしの真剣勝負らしいし、サタン城に着くまでなら、メンバーの除外は自由だし」


アリアドネ「何言ってるのよ。私だって、傭兵団に入って半年間、鍛え続けたのよ。以前より、腕は格段に強くなったわ」


刻蝋値「まぁな、じゃ、覚悟を決めとけよ」


アリアドネ「ええ」


やぁ、俺は(こく)蝋値(ろうち)。いつの間にか魔王より強いのが、ゴロゴロ居るようになった傭兵団の団長だ。もうそろそろ16歳になりそうだぜ!


刻蝋値「さて、明後日に備えて訓練でもしようか」


そう、俺は鍛えながら、最上級魔王最強のサタンがすんでいる星、サンデースターをネットサーフィンで検索していたところ、星の座標どころかサタン自らが主催する、殺し上等の真剣勝負を見つけ、応募したのだ。

そして、参加人数を聞かれたので、参加すると答えた奴等と俺を合わせた11人で登録し、今、承諾の返事が届いたのだ。開催日は明後日、参加費はタダ。負けるときは、命の保証無しだ。……燃えてきたぜ!!


~明後日・サンデースターの王宮~


刻蝋値「お初にお目にかかります。シャマシュ国王。サタンへの挑戦状を出した刻蝋値です」


シャマシュ「初めまして、刻蝋値君。まずは、怖じ気づかずに、ここへ来たことを賞賛しよう」


刻蝋値「いえいえ、来るだけなら誰でも出来ますよ。所でシャマシュ王、王とサタンがこうして繋がっており、更には一般に知れわたっているのは、何故なのですか?」


シャマシュ「うむ、サタンが強く、そして高潔故に、先祖代々の王と繋がり、お互いに悪さをせぬよう、監視しておる関係が続いているだけだよ」


刻蝋値「へぇ、この星の歴史を調べた限り、文明の黎明期以降に戦争が無いのも、その関係のお陰なんですか?」


シャマシュ「無論だ」


刻蝋値「1つだけ、身も蓋も無いことを聞きますが、サタンは何故、こんな催しを開催しているのですかねぇ?」


シャマシュ「う~む……恐らくだが…………暇だからだろう」


刻蝋値「と、言いますと?」


シャマシュ「嘗てサタンは星の侵略者の撃退や、個人的に強者と死闘を繰り広げていたのだが、気の遠くなるような年月が過ぎれば、自身に匹敵する強者も居なくなってしまったのだ。故に、このような催しをしているのだと、ワシは思っている」


刻蝋値「……確かに、強いと暇になるってよく聞きますね」


と、その時、バーチャルモニターに映像が浮かび上がった。


サタン「諸君、初めまして。俺は最上級魔王の1人、サタンだ。挑戦状を送ってきた刻蝋値が居るなら、手をあげろ」


黒髪で美形な顔立ちながら、威圧感の強さも出ている竜人の男だ。


刻蝋値「俺ッス!」


サタン「やはりお前か」


刻蝋値「ん? 知っていたのですか?」


サタン「ああ、召し使いが購入したアクション映画に出ていたのでな。少し気になっていたのだ」


刻蝋値「タイトル"亜光速拳"でも見てくださいましたか。うれしい限りです」


サタン「それだ。柄にもなく楽しませてもらったぞ。それと、敬語は要らん」


刻蝋値「そっか。じゃ、本題に入ろうぜ」


サタン「ああ、今からお前達は、俺の城へ来てもらい、組分けを行ってもらう。城へ入った時点で、勝敗が決まるまで抜け出せなくなるから、怖じ気づいた奴はここで待っていろ」


刻蝋値「お前ら、覚悟は良いか?」


全員が首を縦に振った。


刻蝋値「そーゆー訳で、うちは全員命知らずだぜ! 門を開けてくれ!」


サタン「心得た。楽しみに待っているぞ」


シャマシュ「では、こちらのワープゲートを潜るのだ。健闘を祈る」


ホネット「あれ、乗り物で行くんじゃ無いんですね」


刻蝋値「さりげなく高度文明アピール。抜かりねぇよな!」


俺達はワープゲートを潜り、一瞬でサタン城へ到達した。


サタンの声『よくぞ来たな。今からお前達には4つに別れてもらい、それぞれの門の先に居るやつと戦ってもらう。3人グループ3つと2人グループ1つを作れ』


刻蝋値「よーし、だったら……」


グループ1 俺、ルシファー、インフィニティ

グループ2 スパーク、バレット、ファング

グループ3 ラピス、ホッパー、アリアドネ

グループ4 ホネット、ソルトイル


刻蝋値「じゃ、全員勝つぞ!」


俺達は別れていった。


~グループ2~


バレット「こうしてお前と組むのは久しいなぁ、ファング!」


ファング「ああ、ようやく実戦でコンビネーションを生かせそうだぜ」


スパーク「フッ、久々の実戦……か。血がたぎるな。対戦相手が複数なら、最強の奴を俺に寄越せ」


バレット「ったく相変わらず尖ってるなぁ!」


ファング「臨機応変さも大事だぜ? スパーキングさんよ」


スパーク「妙なあだ名をつけるな……相手はお前達か」


目の前には、いかにもパワー系らしき大鬼と、技巧派を思わせる、渋さのなかに幼さが残る顔立ちの鬼が立っていた。


大鬼「よくぞ参った!!己はかつて横暴を繰り広げていたところ、サタン様に思い知らされた鬼! 酒呑童子だ!!」


小鬼「息子、鬼童丸と申す」


スパーク「2人? 3対2では話にならん」


酒呑童子「奥に親父が居る。己らを倒せぬ者が相手にならぬぞ」


スパーク「俺を行かせろ。お前達は後ろの2人で十分だ」


鬼童丸「自惚れるな、祖h…」


誰も気付かぬ間に、スパークの姿が消えた。


スパーク「では、鬼2人を任せるぞ」


更に奥の門を通った。


バレット「おう、バッチリ仕留めてやるぜ!」


酒呑童子「まぁよい、奴と親父、1対1で競り合うなら、己らもそうしようか!」


ファング「面白そうだな、鬼童丸さん、俺と斬り合おうぜ!」


鬼童丸「心得た。相応しき場に案内しよう。着いてこい」


ファングと鬼童丸が場所を変えたのを見計らい


酒呑童子「己らも場を変えるぞ!」


バレット「住居を壊すのは嫌だもんな」


2人もワープゲートで場所を変え、土俵のような場所に降り立つと……


酒呑童子「行くぞ!!」


バレット「オラァ!!」


酒呑童子の巨大日本刀と、バレットの極大剣がぶつかり合い、衝撃波とプラズマ、切断力を持つ旋風が巻き起こった。


酒呑童子「ふん、図体に見合う力はあるようだな!」


バレット「オッサンこそなぁ!」


しばらくは、武器の重さに見会わなさすぎる高速の剣撃が繰り広げられ、剣と剣が互角にぶつかり合う度、旋風が巻き起こり、辺りの建物や地面は砂塵と化した。


酒呑童子「ぬおおおっ!! 暴風山裂斬!!!」


バレット「裂斬剣・デュランダル!!」


お互いに100mずつ離れた後、十分な距離を走って最高速度に到達し、それぞれマッハ800と1200の状態から急停止。その勢いを得物に伝え、最大火力の斬撃を放った!


2人「ぬぅおおおっ!!!」


その衝突たるや、2人が踏み込んだ大地にツングースカ大爆発を思わせる規模のクレーターが生じ、島のプレートに巨大な亀裂を走らせ、交わった武器から放たれた衝撃と熱風・プラズマは、たちどころにあらゆる物を気化・融解させ始めた。


酒呑童子「ヌウゥウン!!!!!」


バレット「グオッ!?」


体格で優る酒呑童子が僅かに力を制し、バレットを彼方へと吹き飛ばす。吹き飛ぶバレットの速度が桁違いに速いので、現在走っている亀裂や気化・融解現象すら追い抜かしていった。


バレット「宇宙に投げ出されて……」


腕に力を込め、


バレット「たまるかぁ!!」


全力で振り抜き、衝突寸前だった2000m級の山を、粉微塵に粉砕した。こうすることによって、自身の運動量を0にし、星に身を留めれるのだ。


バレット「そうこなくちゃな。見せてやるぜ、俺の最強斬撃! うおおおおっ!」


獣形態に変身し、最高速度マッハ2000に加速。酒呑童子がガードした日本刀目掛け、亜人形態に変身したバレットが全力で極大剣を振り下ろした。

その一撃は、刀を容易く叩き斬り、酒呑童子に達し、大地に更なるクレーターを作った。


酒呑童子「ぬぅ……!! 堪えたぞ!」


そうは言うものの……


バレット「刀で減衰させられたって言ったって、大胸筋位斬り飛ばせるだろ!?」


なんと、酒呑童子のボディが頑強すぎて、極大剣が大胸筋の中央付近で停止してしまったのだ。新たに出来たクレーターと比較して、軽傷過ぎる酒呑童子が不気味さを醸し出す。


酒呑童子「ふん!ぬおおっ……」


今まで固めていた大胸筋を、急激に伸ばすことで、極大剣を弾き飛ばし、バレットの体制を崩した。

そして、その隙に何か取り出しながら、超高速回転をし始めた。


バレット「ヤベ…」


酒呑童子「雷鳴怒号撃!!!!!」


マッハ1500で……5tは超えるであろう金棒を振り下ろされては、極大剣は当然砕けるし、バレットも星のマントルまで叩き落とされた上、遅れてクレーターの更新と、衝撃波が伝わってくるのであった。


バレット「ゴブッ!(マントルの味がしやがる……不味い!! だが、こんなに燃えるバトルは久々だな……ぜってぇ勝つ!!)」


圧力を感じさせない速度で上昇していくのであった。


~ファング、鬼童丸サイド~


こちらも飛ぶ斬撃の嵐が舞うものの、動きが幾等か滑らかであり、技を感じさせられる。


ファング「スパーキングダガー!」


お得意の高速斬り伏せは、マッハ500になるまで鍛え上げられている。


鬼童丸「(もり)の太刀・硬重(こうじゅう)受斬(じゅざん)


対する鬼童丸は、自身の太刀を地面に刺し、気功と魔力の複合技で、凄まじく硬化・加重し、ファングの勢いを利用して真っ二つにする腹積もりらしい。


ファング「っと、アブねぇ……なっ!」


すんでの所で横に避け……る寸前で、ついでで飛ぶ斬撃を繰り出した。


鬼童丸「フム、咄嗟の反応も悪くないな」


不意討ちにも関わらず、鬼童丸は太刀に施した術を解き、普通の高速斬撃で、飛ぶ斬撃を打ち消した。


ファング「やれやれ、俺より厄介そうなカウンター型かよ。どうしたもんかな?」


ファングは基本、攻めてくる相手の動きを利用して、的確に急所を斬るタイプなのだが、鬼童丸も基本的にはファングと似たタイプであり、柔の太刀使いであるようだ。


鬼童丸「読み合いは久しいものだ。父上から学びようが無い要素ゆえ、己を高める良い機会と言えるな」


ファング「奇遇だな。俺も相方が脳筋だから、あんたとの戦いが新鮮なんだ。踏み台になってもらうぜ!」


お互いが飛び出し、流れるように斬り合い始めた!


第132話 極まりし剛と柔に続く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ