第122話
下克上、成功なるか……!?
第122話 結局は行動できるかなんだな。
インフィニティ「オリジンナックル!」
マッハ400まで加速した拳がレヴィアタンに炸裂する。
レヴィアタン「があっ!!」
体長50メートルはあろう巨体が、魔法で強化された部屋の壁に何回も衝突し、部屋中に衝撃が駆け巡る。
インフィニティ「オリジンレッグ!」
続けざまに、壁から自身に向かって飛んできたレヴィアタンに蹴りを入れる。
レヴィアタン「蟒蛇縛り!!」
蹴りの衝撃を利用し、インフィニティの体に瞬時に巻き付いた。
インフィニティ「うおっ!?」
これは反応が出来ない!
レヴィアタン「潰れろ! オーシャンプレス!!」
巻き付く自身とインフィニティの間に、魔法で水を発生させることで、1億気圧にも達する圧力で潰しにかかった。
レヴィアタン「私を認めないからこうなるのだ! 貴様は部下共の餌にしてやる!」
インフィニティ「……へへ」
レヴィアタン「なっ……何故潰れない!? 竜宮城前の海も、精々1万気圧だっただろう!」
インフィニティ「こうやって押し潰されると……俺自身のエネルギーも凝縮されて……ますますパワーがみなぎってくるぜ!!」
レヴィアタン「ぬ、おおおおおおおおおっ!潰れろ!潰れろ!潰れろ!潰れろ!潰れろおぉお!!」
インフィニティ「ハアッ!!!!」
インフィニティはエネルギーを瞬間的に爆裂させ、レヴィアタンの束縛を振りほどいた。
インフィニティ「デストロメテオナックル!!」
マッハ600に加速した拳でレヴィアタンを殴り飛ばす。
インフィニティ「隙は与えねぇ!! デストロメテオレッグ!デストロメテオブロー!デストロメテオストライク!」
色々な肉弾を絶え間なく繰り出し、確実に追い詰めていった。
レヴィアタン「破水光線!!」
猫を噛むネズミのごとく、最後の最後に特大の破壊光線と水圧カッターが混ざったような何かを繰り出してきた。
インフィニティ「ビッグバン・ストライク!!!」
対するインフィニティは、全エネルギーを放出し、真正面から光線に突っ込んでいく。
レヴィアタン「くたばれぇ!!」
インフィニティ「俺のセリフだぁ!!」
徐々にレヴィアタンとの距離を詰めていき、インフィニティの若干消失した拳が、レヴィアタンの口に到達した瞬間、レヴィアタンはのけぞり光線をそらしてしまった。
インフィニティ「どりゃあああ!!!!」
インフィニティは最後の最後まで力を出しきり、マッハ1000でレヴィアタンに衝突した後、壁に叩きつけて魔法防壁をも粉々にした。
インフィニティ「ぜぇ、ぜぇ、やっぱり昔の俺を育てただけあって……全然強いじゃねーすか。全力だせなけりゃ、負けは俺だった……」
右の拳を代償に、辛くも掴んだ勝利であった。
レヴィアタン「は……は……は。お前に好かれているのは何となく分かった。……だが、結局はこれが私だ。力が無いゆえに、森羅万象に嫉妬を抱く無能」
インフィニティ「……俺が知っているあんたなら、さっきの光線で俺を寄せ付けずに完封していた。……何故、半端な鍛え方しかしてないんすか?」
レヴィアタン「…………認めたく無かったのだよ。私が天才でないことをな」
インフィニティ「……なるほど、俺もアイツに負けたときはこうなっていたのか」
レヴィアタン「アイツ?」
インフィニティ「ああ、俺がこの部屋に入るのを見届けていた奴がいたでしょう。そいつに俺、負けたんだ」
レヴィアタン「……そやつは魔王か?」
インフィニティ「いや、ただの星にすむ原住民だ。当時、才能に浮かれて暴虐の限りを尽くしていた俺は、やつに負けて初めて未熟だったことを知ったんだ」
レヴィアタン「……私も未熟だと言いたいのか?」
インフィニティ「はっきり言えばそうです。だが、負けることがあるならば、成長も出来る! この、俺のように!!」
レヴィアタン「!…………」
インフィニティ「霧で包まれたときも言いましたが、あんたは俺が尊敬する数少ない人物の一人だ。よって俺のエゴの都合上、ちょっと力で他の最上級魔王より劣るからといって、役職は止めさせねぇぞ! そして、今度俺が来るまでの間、全力で鍛えてください。次に俺が来るとき、最上級魔王のイスを賭けて戦います!」
レヴィアタン「フ、今の言葉、取り消し効かんぞ。お前がそこまで覚悟するなら、私も限界を超えていく。それこそ、サタンすら一捻り出来るほどにな」
インフィニティ「おっ、以前のレヴィアタン様らしくなってきたんじゃないッスか?」
レヴィアタン「ふん、過去は置き去りにするまでよ。しかし、お前の右腕、どうしたものか」
インフィニティ「ああ、これなら……オラァ! 刻蝋値!! さっさと来やがれや!!!」
5秒後に刻蝋値はやって来た。
刻蝋値「どうした、勝ったのか?」
インフィニティ「おうよ! それで、俺の右腕を再生しろ」
刻蝋値「……魔法石減るなぁ。しゃあない、30個使うか。」
そういって、インフィニティの火傷で壊死した部分を手刀で切断してから、再生の魔法を唱えた。
インフィニティ「おおっ! こいつは良い! ありがとよ!!」
刻蝋値「どういたしまして、と。あんたがレヴィアタンさんですね? 俺は刻蝋値。インフィニティの……主人です」
レヴィアタン「ほう、主人……どういうことだ?」
インフィニティ「戦闘の際に、負けた奴は勝者に従うことにしたんで、成り行きです」
刻蝋値「……え!!? お前に敬語を使う分別があったの!?」
俺はインフィニティが敬語を使っていることに、とても驚いた。
インフィニティ「あ? 俺だって使うときは使うんだよ」
刻蝋値「ま、俺以下のお粗末さだけどな」
インフィニティ「うっせぇ! まーあ、さっき俺の腕を容易く切断したので分かったと思いますが、こいつは訳のわからん力を持っているんすよ。最上級魔王の一人を一撃でしとめる位には」
レヴィアタン「……ハハハハハッ、私はとんだ思い上がりをしていたのだな。これからは鍛練漬けだな」
刻蝋値「ま、結局は行動できるかなんだと思いますよ。あ、これ効率の良いトレーニングルーティーンの一例なんで、参考にでもしてください」
レヴィアタン「うむ。……とても良く纏められているな。これは画期的だ」
刻蝋値「それよりも、城内のクエストボードにあった、危険生物の討伐ですけど、俺の仲間たちがクリアしたんで、インフィニティとレヴィアタンさんも一緒にパーティーに参加しませんか?」
インフィニティ「奇遇だな!戦闘後は飯が食いたくて仕方ねぇんだ!」
レヴィアタン「たまには部下たちと親睦でも深めるとしようか」
刻蝋値「じゃ、食いまくりましょう!」
俺達はパーティーを楽しみ、レヴィアタンが酔ったタイミングで竜宮城の連中の魔界観光の話をすると、あっさりと許可を取れた。
~翌日~
刻蝋値「昨日はお世話になりました! 暇ができたら、また飲みましょう!」
レヴィアタン「ああ、健闘を祈っているぞ!」
インフィニティ「レヴィアタン様もなー!」
バーデッド「シックル、また会おう!」
シックル「おうよ! また喧嘩しようぜ!」
そして道中、魔物をたくさん討伐し、その度に料理を編み出していった。
~竜宮城裏門~
刻蝋値「さーて、戻って参りました、竜宮城。トルマを筆頭に、麗しの人魚たちとご対面~~!」
魔王城と違い、含みを持たせてゆっくりと門を開いた。
第123話 人魚姫と結婚だと!?に続く。




