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第12話

白熱のラストバトル…………書いていたら、日をまたいでしまった……。遂に魔王討伐編も終わりの終わりです!

第12話 やっぱ魔王と言えば、第2形態だよな!ま、最後に勝つのはゴキブリだけどな!!


魔王「ごあああああ!!!」


魔王デストロイ・ブラスト…………第2形態!


刻蝋値「おおー!でかくなったなぁ!!」


その大きさは、10メートルにも達し、筋肉もより肥大した姿になっていた。


魔王「おおっ!大破拳!」


相変わらずマッハ2前後の速度を誇る、超巨大な拳を振るってきた。


刻蝋値「あらよっと!」


拳が大地を揺らしているのをよそに、刻蝋値は攻撃を回避してから魔王の腕を伝い、眼前まで迫った。


刻蝋値「百烈後ろ蹴り!!」


ケンタウロスらしく、無数のマッハ4の後ろ蹴りを放っていく!


魔王「おおお、顎の緊張がほぐれていくぞ」


刻蝋値「にゃにぃーー!!」


なんと、第2形態になった魔王には、刻蝋値の攻撃すら効果が薄いようだ!!


魔王「超破壊砲!!」


極太の破壊光線により、刻蝋値が城の外まで吹き飛ばされる。


~城の外れの空中~


刻蝋値「満員列車でギューって押し潰されかけた事を思い出すなぁ……」


破壊規模を考えると、刻蝋値はあまりにも超軽傷ですんでるらしい。


刻蝋値「空中じゃあ音速を超えれねぇな…………」


現状羽根を使わずとも、空気を蹴ることで走ることは出来るのだが、土台が空気では魔王に通用する速度が全くでない。


刻蝋値「体も暖まったから、大地に降り立ち、走る!」


コンマ3秒で最高速度のマッハ7に到達した。


刻蝋値「跳ぶ!!」


その速度のまま、魔王がいる部屋まで一直線に跳んだ!もしこの場を遠くから撮影したら、走り出し付近と刻蝋値が跳躍した場所に、きれいなマッハコーンが見えるだろう。


~壊れた魔王の部屋~


魔王「はっはっは、流石の奴もすぐには起き上がれまい」


超破壊砲の威力によほど自信があるのか、魔王は傲りに満ちている。


刻蝋値「キネティック・スタンプ!!」


魔王「ゴブァア!?!?」


マッハ7の蹄による踏みつけ(パンチ?)を食らい、流石にダメージを食らったらしい。のみならず……


魔王「痛てぇ、おあ!?俺のハンサムフェイスが!?!?」


魔王の顔が歪んでしまったのだ!


刻蝋値 (は…………?)


魔王「てめぇ!何してくれるんだぁ!!怒ったぞおおお!!」


刻蝋値「いや、あんたどちらかと言うと不細工な方だろ。イケメンとは言えない俺が言うのも何だけどさ…………」


そう、これは顔がぱっとしない2人の戦いでもあったのだ。


魔王「許さん!超大破拳!!」


刻蝋値「おお!速ぇ!!うおおお!??」


巨体からは想像のつかない速さの拳をどうにか避けたのだが、発生した衝撃波があまりにも大きく、刻蝋値の体は凄まじい速度で回転を始めてしまった。


魔王「はっはっは!!いくら筋肉バカでも、周りに空気しか無い状態で、体勢を整えられまい!」


刻蝋値「はっ!体勢なんて整えなくて結構!メタモルフォーゼ・マンキー!」


六本腕の猿形態になった!


魔王「血迷ったか!猿が第2形態の俺に敵うと思うなよ!!オラッ!」


再度超高速の巨大拳で攻撃してくる!


刻蝋値「おおおおっ!!!」


魔王「何っ!?」


魔王は驚いた。なぜなら、超高速で回転している刻蝋値が、自身の拳で吹き飛ばされるどころか、自身の腕に切り傷を着けながら迫って来たからだ。


刻蝋値「ソーサーブレーディング!!」


超高速で、手刀を魔王の肩に当て、切り傷を深く深く抉り込んでいく。


魔王「うわぁぁ!!こういうじわじわ傷を深くしていく攻撃はやめろ~~!!」


人はゴキブリに恐怖する。どう考えても負ける要素の無い相手が、意表をつく有効打を与えてくるからだ。


刻蝋値(体表と手の外骨格を厚くするのは正解だったな!体表の外骨格は重心の安定に寄与し、手の外骨格は斬撃の威力向上に貢献している!…………戦闘に不向きだと思っていた形態が、まさかこんな使い方を出来るとはな)


魔王「くそっ!それ以上やめろ!!」


魔王が肩を逆の手で叩いてきたので、全身をぐるぐる回って浅めの切り傷を増やした。


魔王「くっそお!こうなったら走って降りきってやる!!」


…………この魔王もゴキブリなのだろうか?1秒足らずでマッハ4の速度まで達し、刻蝋値を振り落としたのだ!


刻蝋値「おお、腕だけじゃなく、脚も速いんだな。見直したぜ!」


魔王「その通り!伊達に筋肥大させてないぞ!絶望したか!?」


刻蝋値「いいや、全然」


そう、魔王の走力が亜人形態の自分と同じくらい速くても、刻蝋値には余裕があった。


刻蝋値「俺もそろそろ本命の形態を見せようかな?」


魔王「ふん、俺もそんなに馬鹿ではない。その形態の初手で俺を沈めなければ、貴様に勝ちはない。別の言い方をすれば、同じ手は効かないぞ!」


刻蝋値「問題ない!メタモルフォーゼ・ビースト!それと、外骨格強化!」


豹やチーターのような美しく、尚且つ脱皮による筋肥大でボリューミーなフォルムの獣形態になった上、外骨格を分厚くした。こうすることにより、加速力が微妙に落ちるが、最高速度は空気抵抗の影響が少なくなるため、外骨格を厚くしない時よりこちらに軍配が上がる。…………しかし


魔王「フン、一瞬の勝負で加速力を捨てるか。やはりゴキブリの知能なぞたかが知れてるな」


刻蝋値「そう言うことは、俺をねじ伏せてから言いな」


魔王「言われなぐはぁ!?…………っつ、どんな手段で加速しやがった!?」


刻蝋値「何、立ち幅跳びしただけだ。これだけでマッハ5以上は余裕で出せる」


魔王「ぐぬぬ…………デストロイダークホール!!うごっ!?ぐあああっ!!!」


闇の最上位魔法を放つも、その直前に後ろに回った刻蝋値に、今度は僅かな加速で速度を増した、マッハ6.5のタックルに押され、自滅的な結果に終わった。


魔王「ごふっ!はぁ…………はぁ…………これで加速力が少ない方だと…………笑わせてくれる…………がはっ!」


結構な血ヘドを吐いており、ダメージが軽くないことを伺わせる。


刻蝋値「おいおい、これで終わりじゃねぇよな?何なら外骨格を極限まで削って、最高加速の連撃を叩き込んでやろうか?」


早速外骨格を極限まで薄くしたようだ。


魔王「ほざけ!おあああああ!!!!」


魔王の決して遅くない連打が刻蝋値に襲いかかるが、刻蝋値は使い勝手の良い体を巧みに扱い、最小限の動きで的確な神業的回避を行い始めた。


刻蝋値(何か雰囲気で外骨格を削ったけど、この状態は守備力がメチャクチャ低いから、一発も食らえないんだよなぁ…………。そろそろ攻めに転じるか)


魔王「おおおおおごばっばばばばばば!?!??」


刻蝋値が攻めに転じた瞬間、魔王は手も脚も出なくなり、遂に肘までついてしまった。


刻蝋値「俺のとどめで終わりにする?」


魔王「ほざけ!ッゲホッ!はぁ……はぁ……これだけは使うまいと思ったが、仕方ない…………アルティメット・デストロイ・ブラストモード!」


すさまじく中二臭い名前の変身を行った。


刻蝋値「だったら俺も、最高出力で行くぜ、ステロイドホルモン、大量分泌!!」


一時的に筋肥大、リミッター解除を行い、外骨格も通常の厚さに戻した。


魔王の姿は、5メートル程の大きさになり、最初の姿と似ている。しかし、全身から禍々しいオーラを放っている点が違う。

対して刻蝋値は、先程の姿から筋トレでパンプアップし、一回り大きくなったように見えるだけと、そこまで姿に変化が見られない。


刹那、何もない時間が流れ、両者とも動かなかった。


刻蝋値「ガルル……」


魔王「ゼアッ!!」


刻蝋値「グワォッ!!」


魔王のパンチが刻蝋値の突進を弾き返す!


刻蝋値「おおおっ!ア"ッ!!!」


魔王「ぬ!ガアッ!?」


飛ばされた刻蝋値は、地面に足がついた瞬間、ジグザグ走行を行い、魔王に不意打ちを決めた!


魔王「オ"!オ"!オ"!オ"ァ"!!」


刻蝋値「ガウ"ッ!!」


今度は魔王が刻蝋値を追いながら拳を振るい、4発目の拳と、刻蝋値の突進がクロスカウンターの形で互いにダメージを与えた。


刻蝋値「オオオオオオッ!!」


魔王「オオオオオオッ!!」


その後は互いに1歩も譲らぬ電撃戦を繰り広げ、周囲の建物や岩は砕け散り、岩盤には大きなクレーターがいくつか残り、二人の打ち合いが起きた現場は、二人が別の場所へ移った瞬間に、大地が砕け、粉塵が巻上がる荒れ地と化していった。


魔王「神破剛脚!!」


全速力+口から最高出力で破壊砲を放って加速した飛び蹴りを放つ!


刻蝋値「必殺!キネティック・ストライク!!」


こちらはお馴染み、運動エネルギーの暴力だ!ただし、威力は以前の比じゃないほど強くなっている…………


二人の攻撃は、偶然の一致で互角となり、両者ともマッハ9の速度で反対方向に飛んでいった。


刻蝋値(ATPチャージ!!)


刻蝋値は大きく息を吸い込み、全身の体脂肪を酸素で燃やし、エネルギー通貨であるATPを大量生産・貯蓄を行った。


魔王「グウッ!破壊砲を撃ったせいで、止まれん!!」


こちらは逆にエネルギーを使いきったらしく、暫く何も出来ないようだ。


刻蝋値「グオオオッ!魔王!覚悟しろおおおおお!!!外骨格強化!超全力ダッシュだああ!!」


刻蝋値は全力で走り出す!その速度は今までの最高速度、マッハ9.2を超え、更にその先の極超音速へと達しようとしている!


魔王「とにもかくにも体勢を!っあれは!?」


魔王は大きな過ちを犯してしまった。斜め衝撃波を後ろになびかせながら迫り来る刻蝋値に対し、自身はその場で停止してしまったからだ。これでは速度の差だけダメージを受けてしまう。


刻蝋値「俺の技は新境地に達する!超必殺!!ハイパーソニック・ストライク!!」


魔王「がっっっ………………!!!!!」


遂にマッハ10に達し、プラズマを周囲に纏った刻蝋値のタックルが魔王に炸裂した!!刻蝋値から魔王が吹き飛ばされるまでに、少し速度が落ちるため、当然発生したプラズマも、魔王に命中する。


魔王(あ…………これは死んだか?だったら………………(きん)()を使ってみるのも悪くない)


身体や周囲に電気(プラズマ)を帯びながら、魔王は極超音速で飛んでいき、崖に衝突した。当然崖はその威力によって、盛大に崩れ、魔王は下敷きになったのだ。


刻蝋値「ハァッ!ハァッ!………………勝ったぞ。魔王に!正面から!武器なしで勝ったぞおおおお!!!うおおおおおおお!!!!!!」


獣の姿をしたゴキブリは、人智を超えた力を持つ魔王を正面から打ち倒したことで、勝利の叫びを上げるのであった。


第13話 RPGのエンディングが終わったら、新しいことをやらねぇとなぁ?に続く。

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