第108話
人は無意識に傲慢となる。
第108話 傲慢ってなんだろうな?
刻蝋値「とどめだぁ!!」
俺は直線的に、魔王・ルシファーにマッハ1500のドリルキックを放った。
ルシファー「ブラックサンシャイン!!」
魔法さえ唱えられればルシファーの勝ち。闇の光線はサイズダウンした俺を容赦なく包み、意識を吹き飛ばした。
~数分後~
刻蝋値「ぉあっ!!……ありゃ、負けちまいましたか」
今回の俺の敗けで、通算6勝4敗になった。
ルシファー「これで10戦か。私をここまで負かせたのは、君が初めてだよ」
刻蝋値「なんだか久々に暴れられて、スッキリしたんじゃないですか?」
ルシファー「ああ、随分と心の霞が取れたよ。って、そう言う君こそ思いきり戦いたかっただけだろう?」
刻蝋値「バレましたか……いやー、あんなにあった小惑星が殆ど蒸発しちゃいましたねぇ~~」
そう、俺達が一時間程戦った現場では、マッハ200~1000クラスの超スピードで吹き飛ばされる、俺やルシファーが小惑星にぶつかりまくり、あまりの運動エネルギーで蒸発を起こしまくっていたのだ。結果
ルシファー「まぁ、これはこれでキラキラしていて綺麗なんじゃないかな?」
気化したあと、水蒸気の要領で残った小惑星に粒として付着したマグマが輝いているのだ。
と、その時
刻蝋値「お?電話か。失礼しますね。もしもし、刻蝋値だ」
インフィニティ『こ、刻蝋値!……貴様、ルシファー様とどんだけ遊んでいるんだ!?』
刻蝋値「お、ルシファーさんのこと知ってるんだな。変わってやるぜ」
インフィニティ『ちょま…』
刻蝋値「ルシファーさん、上級魔王のインフィニティが話したいそうッスよ!」
ルシファー「おお、懐かしい名だ!……もしもし、久しぶりだね! 元気だった?……あははは! 彼は凄く素直で誠実で、私に足りないものを多く持っている。これからも仲良くするつもりだから、君もよろしく頼むよ。宇宙船の通行妨害の件は悪かったね、それじゃ!」
刻蝋値「インフィニティ、昔と変わってましたか?」
ルシファー「全然。でも、なんか少しだけ丸くなったかもしれないな」
刻蝋値「まぁ、今のところは誰にも暴力を振るってないから良いかな?」
ルシファー「それは随分と粘り強くなっているね。……ねえ、刻蝋値君」
刻蝋値「はいはい」
ルシファー「君にとって、傲慢ってなんだと思う?」
刻蝋値「傲慢……ですか?…………う~ん」
傲慢……要は自分が最強だと思って、いい気になってる奴だな。当てはまる奴は腐るほど見てきた。
前世なら、ゴキブリ達が暮らすケースをぶっ壊し、泣き出す俺を見ていた時の親父や、俺にトマトを投げ当てた直後のゴミトリオ。
転生後は俺に負ける前の多くの敵や、独裁政権の王、今の仲間達にしても、俺とで会う前のエメラルドやアレス、ラピス、スパーク、ホッパー、アリアドネ……つーか裏部隊の殆どの奴等が当てはまるか。インフィニティ……そして、結構な頻度で"俺"だな。
刻蝋値「自分を最強だと思い込み、色んな伸び代を潰す愚かな行為って所ですかね?」
ルシファー「伸び代を潰す……その通りだな。私はあの方……いや、ラーに"貴様は傲慢だ"と言われてね。ずっと引っ掛かっていた」
刻蝋値「俺はルシファーさんが傲慢だとは思いませんけどね……事実今、強くなるために俺と何度も戦闘を行いましたし。手を抜いてる様子も感じられなかった」
ルシファー「悪しき心の持ち主とは言え、神だから何か崇高な考えの発言だと思ってしまってね……」
刻蝋値「……何て言うか、深く考えすぎなくてもいいんじゃないッスか?」
ルシファー「……」
刻蝋値「そんな発言の意図くらい、俺達が強くなって直接聞きに行けばいいじゃん。だったら答えが出ない命題を考えてる暇に、トレーニングメニューの1つでも考えれば良いじゃないッスか」
ルシファー「……フフ、それもそうだ。何だか完全にスッキリしたよ。ありがとう」
刻蝋値「どういたしまして。そろそろ帰りますか?」
ルシファー「そうだな」
俺達は天界まで戻った。
ルシファー「……runクマ君、君がやられるなんて、珍しいね」
runクマ「クマッ!? ルシファーさん、ゴキブリさんの連れの王様、めちゃめちゃ強かったですよー」
刻蝋値「成る程、ここまで吹っ飛ばされたのは、アイ王の派手な魔法だったのか」
ルシファー「そうか。これから味方になると考えると、とても頼り甲斐がありそうだ」
刻蝋値「ん? 下にまだ誰か居るな」
ルシファー「二人とも、行こうか」
二人「はい」
~地上~
マシーヴ「……なぁ、お前らさぁ。まだ俺のことを雑魚だと言うのか?」
マシーヴは大勢の巨人達に、汚物を見るかのような目で見られている。
男「少し違うな」
女「あんたは……巨人族にとって、驚異なのよ」
マシーヴ「あ? 益々意味わかんねぇよ。お前ら頭イカれたのか?」
第109話 ちょww世間知らずにも程があるだろwwwwに続く。




