第105話
妙に長くなったなぁ……
第105話 愉快な四天王との大激戦
刻蝋値「…………」
シトリン「どうしたの? 大将」
刻蝋値「いや……天使長が言ってた"ダイアモンド・run・クマ"がどんな奴か気になってな…………」
パール「直訳すると……ダイアモンドを走るクマってことだよね」
アメジスト「そんなにダイアモンドがあるなら、ラルドちゃんのお土産にごっそりいただこっかな~?」
アイ「私も宝石学のサンプルとして頂いていこうか」
ローラン「僕も閃影さんのためにお土産として頂きます!」
ジークリンデ「ウフフ、人間誰しも宝石に目がないのね……」
刻蝋値「確かにな。……待てよ、ゴキブリ星人は宝石に興味を持つのか? 本部にいるホッパー、アリアドネ辺りにお土産としてあげてみようかな」
俺達は最早、ダイアモンドがある前提で思考を巡らせている。
エマ「お兄ちゃん」
刻蝋値「ん、どうした?」
エマ「ここって……地獄、なんだよね……?」
刻蝋値「そのはずだぜ」
ネフェルティティ「そのわりには、誰も襲って来ないよね!」
刻蝋値「そう、それだ」
全くもって、魔物1体すら襲ってこないのだ。
マシーヴ「まてまて、このままじゃ、俺が最強だって事を部族の女共に見せつけれねぇじゃねーか!」
刻蝋値「まぁ、いいんじゃねーの?」
マシーヴ「急に全否定するなよ!?!?」
おっと、説明不足だからこうなるか。
刻蝋値「だってさ、いくら口で言った所で、実際に見ていないことを女共は信じると思うか?」
マシーヴ「う……ひ、一人くらいは……分かってくれると…………」
刻蝋値「甘いな。お前の話を聞く限り、お前は絶望的にモテてない。そんな陰キャ君なんて、女達の眼中に収まっているはずが無いのだよ」
マシーヴ「ぐぬぬっ……だったらあんたはどうなんだよ!? 強いけど、顔だって特段よくねぇし」
刻蝋値「モテすぎて逆に辛いっすわーー」
マシーヴ「んな"っ!!!!」
刻蝋値「……って言うのは極々一部のコアな連中だけで、その他からはその辺の不細工以下の評価だぜ」
マシーヴ「……でも、その他の変わり者達からは評価されているんだろ?」
刻蝋値「おう、言い方悪いけどよ、"目の前で"力を示したらコロッとついてくるようになったのさ」
マシーヴ「ええ……」
アメジスト「もうっ! 違うでしょ? 目の前で暴漢に乱暴されてた私を救った勇者様よ!」
パール「私もセクハラ上司から救われた身だ」
シトリン「私は……逆にセクハラされまくりだったけど」
刻蝋値「それについては反省してるから、もう許して下さいよぉ~~…………」
シトリン「やだ。……でも、あの王様の元にいるよりも、今の方がずっと楽しいし、幸せだな…………」
キッド「ふーん、お前さんも色々あったんだな」
シトリン「大有りよ!悪い王様のアサシン軍団に屈服させられたかと思いきや、それすらハエ以下に感じちゃうくらい強いゴキブリにセクハラされるわ……」
刻蝋値「……言っとくけど、お前がサファイアに弓を放ったからセクハラせざるおえなかったんだぞ」
サファイア「ブルルッ!」
シトリン「うぅ……あのときはごめんね……」
刻蝋値「やれやれ……っておいおい、駄弁ってたら魔王の門前かよ」
アメジスト「いつもみたいにドカーン! って」
刻蝋値「いいや、結構話の通じる人かもしれねぇから、上品に入るぜ。確か面接時のルールだと、指で軽く三回ノック」
コン、コン、コンとノックしてみた
???「どうぞ」
キッド「……おいおい」
アイ「おお……これは魔王様ご本人かな?」
皆が声からあふれでる威圧感に押された。だが、こんなときだからこそ冷静に応対すべきだ
刻蝋値「失礼します!」
そういってドアを開け、45度のお辞儀をした。
天使らしき男「ほぅ……君は随分と礼儀正しいのだね。特に礼節を重んじる場面じゃないから、後ろの方々共々入ってくると良いよ」
刻蝋値「では、お邪魔しまーす!」
天使らしき男「名乗り遅れたね。我が名はルシファー。1万年前、とある神から裏切りを言い渡された堕天使だ」
刻蝋値「そして、現・最上級魔王……」
ルシファー「ご名答。マルドゥーク辺りから聞いたのかな? 彼は今、どんな様子だった?」
刻蝋値「う~ん、元気なのは間違いないのだけど……なんかあんたが堕天したことに負い目を感じているようでしたよ?」
ルシファー「え……何でだろう……」
刻蝋値「俺が知るわけありませんけど、常に地獄の門を見張らせて、地獄からルシファーさん達が復讐してくるための備えをしてるようでしたよ」
ルシファー「……私のことを怖がっている……そんな感じかな?」
刻蝋値「まさしく……」
ルシファー「……そうか。1万年もたったんだ。神がいないと考えれば、私が直接出向かった方が早そうだな。ありがとう、良ければ君の名を教えて欲しいな」
刻蝋値「俺は刻蝋値です」
ルシファー「刻蝋値か。お礼といっちゃなんだけど、私が出きることなら何かしてあげたい」
刻蝋値「あー、そうですね~~……」
エマ「あの!」
ルシファー「ん、何かあるのかい?」
エマ「わ、私……エマです。ルシファーさん、あなたを堕天させた神様って……"ラー"という名前ではありませんか……?」
ルシファー「……」
エマ「その……出すぎた事を……いっt…」
ルシファー「そうだ」
エマ「えっ」
ルシファー「君の言う通りだ。あの方がおぞましい計画をおっしゃった時、私はついつい反対意見を述べてしまった……既に計画は進行中であり、あの方は激怒された…………」
アイ「ルシファー殿、それは良心から述べた意見に他ならない。この場の誰もがあなたを責めることはありません」
ルシファー「神に逆らうことが"良いこと"……? 私の常識なぞ神と合わねば悪と同義……」
刻蝋値「んなもんどっちでも良いじゃねぇか。俺だってあんたと同じ意見だ。そして、そんな神は殺したいと思っている。」
ルシファー「ああ……そうだ。出きることなら…………いや、私の命に変えても奴だけは殺さねばならぬ!!」
大粒の涙を流しながら、それでいて目に光を宿しながら、本音を言ってくれた。
刻蝋値「その意気です! ま、偉そうに言っちゃったけど、俺自身強くなるのに悪戦苦闘中なんですよね~」
ルシファー「フム、ならば1度、私と全力で戦ってみないかい?」
刻蝋値「おおっ! 願ったり叶ったりですよ! 早速宇宙に行きましょう!」
ルシファー「わかったよ。……君達はここでゆっくりとしていると良い。エマ、君の好きそうな玩具はそこの角にしまってあるよ」
エマ「あ、ありがとう!(ルシファーさんも暇なときは、おままごとをしているのかなぁ?)」
シトリン「……本当に暇ね。中将、アタシの銃の腕前を見てよー」
キッド「それしかすることがねえってのも、虚しいなぁー…………」
シトリン「何よ、アタシの何が不満なわけ?」
キッド「……何も言ってねぇだろ」
マシーヴ「色々言ってるけど要は俺達、暴れる相手が居なくて困っているわけだよな」
アメジスト「マリンちゃんやルビーちゃんがいたら、大ケガしても回復してくれるんだけどね……」
アイ「う~む……一応、私も回復出来るのだがな…………」
ネフェルティティ「……以前スパーク君が、脱水症状の時にパパに下水を飲まされたって言っていたよ?」
アイ「ん? パパは水魔法を唱えただけのつもりだったのだがな」
と、その時
???「そーんな時は! 俺達にお任せっ!」
ガーゴイル「俺達テトラワンダホーが、君達を楽しませてあげるよっ!」
角が生えたクマ「愉快な四人組vsゴキブリの下僕達っ!」
パール「げぼっ……!?」
シトリン「違う!!」
半透明のクマ「細かいことは気にしなーい!そして俺は、ダイアモンド・run・クマ!!」
ガーゴイル「俺はガーゴイル兵長!」
角が生えたクマ「俺は亜クマ傭兵団長!」
巨大な悪魔「そして! 俺は! 全てぶっ壊す! デストロイ悪魔!!」
エマ「耳がキーンってなったよぉ……」
キッド「……で? 何をしたいんだ?」
ガーゴイル兵長「君達の退屈を和らげてあげるだけさ! さぁさぁ!」
シトリンとキッドの背を押し、兵士達の所へと連れていこうとするも……
シトリン「どこ触ってるのよ!」
ガーゴイル兵長「あだっ!」
手が胸に当たったらしく、思いきり殴り飛ばされた。
ガーゴイル兵長「し、失礼……そしたらついてきたまえ」
シトリン「中将、コイツの軍団全て射落とそうよ!」
キッド「……銃弾と火薬の無駄だぜ」
一方では
亜クマ傭兵団長「さて、僕らと5vs5なんてどうだい?」
アメジスト「面白そーう!」
ローラン「これも修行、これも修行……」
パール「肩の力を抜きなさい」
ジークリンデ「ネフェルティティ、アメジスト、私たちの援護がカギよ」
ネフェルティティ「任せて!」
更に一方では
ダイアモンド・run・クマ(以下runクマ)「あなたはそーとー強いとお見受けした。是非!ダイアモンドを蹴り砕くこの俺と戦って欲しい!」
アイ「良いだろう。お互い、存分に弾けよう!」
そして……
マシーヴ「俺はお前のような者を待っていた……」
デストロイ悪魔「奇遇だな。お前となら存分に暴れられる」
マシーヴ「それと……場所を変えようぜ?」
デストロイ悪魔「この水晶玉に念じれば、お前の好きな場所に行けるぞ」
マシーヴ「そんじゃ」
二人の姿が消え……
~巨人の里周辺~
デストロイ悪魔「……巨人族の住みかか」
マシーヴ「俺達の痕跡を残すことで、俺の力を示すのさ」
デストロイ悪魔「そうかい、それじゃ……」
二人は同時に地面を蹴った。
二人「オラァ!!」
悪魔の尻尾と巨人の斧が衝突した!
マシーヴ「オラァ!!」
パワーに秀でたマシーヴがつばぜり合いを制した。
マシーヴ「くらえっ!!」
デストロイ悪魔「あぶねっ! ソラソラッ!!」
マシーヴ「うおっ! わっ!」
自身の尻尾故、操作性に勝る悪魔がマシーヴに反撃の隙を与えない。
マシーヴ「うぐぐっ」
~ダイアモンドロード~
runクマ「ダイアブレークシュート!」
曰く、金剛を破砕する蹴りを放つ。
アイ「フォースリフレクト!」
魔法石を二つ消費し、強靭な反射壁を張ることで、攻撃を跳ね返した。
runクマ「こっちクマ!」
アイ「おおっ!」
とっさにダブルハンドバズーカを放つことで、どうにか距離を取り、拳を回避した。
アイ「これは……魔法石の節約なぞ考えれないな」
~地獄草原~
シトリン「連射!!」
ガーゴイル達は軽く回避する。
キッド「これならどうだぁ!!」
数匹の翼には命中するも、やはり多くが残っている。
ガーゴイル兵長「今だぁ!!」
シトリン「キャアッ!」
何匹かの突進を食らってしまった。
キッド「バカ野郎!これくらい避けろ!!」
シトリンより多くの引数を回避したキッドがついつい怒ってしまう。
シトリン「う、うるさいっ! ハジキの詰め替え遅いわよっ!」
銃の欠点を諸に言ってしまう……
キッド「何ーーー!?」
最早ただの激昂となった…………
~訓練所~
パール・ローラン「はぁっ!!」
亜クマ達「うわぁっ!?」
前衛二人が亜クマ二匹を圧倒する
亜クマ傭兵団長「今だ!」
その隙に、隊長達が後衛に襲いかかる!!
アメジスト「キャッ!?」
ジークリンデ「くっ……」
ネフェルティティ「助けて! ローラン!」
全員「愉快な奴等……侮れない!!」
第106話 宇宙なら思いきり暴れられるなぁ!に続く。




