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神は死人を好まない

えー、今回は過去編ですね。忘れ···取っていたあの人物達をピックアップしました。

「伊刀彩です、よろしく。」「泉誠です、これからよろしくお願いします。」

あの時は二人同時の編入、それも両方美男美女が来たってあたしも騒いでたんだよ。元々イベントが少ない学校だからさ、皆そうゆうのには敏感だった。でも、だからこそあんな奴らに目を付けられた。

うちの高校はさ、神に呼び出された37校の中でも一番治安の悪いとこらしくてねぇ、廊下を歩けば顔に傷やら痣やらをつけてる奴らがいっぱいいてね、それこそカツアゲなんてことも普通にあった。

誰かが止めなくちゃいけないって思ってても誰も止めようとしない、そんな所だったからね、皆変わってくるんだよ。

いつも何かに怯えるように身体を縮みこませて、皆に置いて行かれないようにしながら何かあった時の為に誰かを蹴飛ばせるように準備してる。

前のあそこは、そんな所だった。

「なぁ、例の転校生めっちゃ可愛いらしいじゃん。ヤっちゃわね?」

偶然だったよ、でも聞こえた。あたしは不良共があの女の子を襲う計画を聞いてしまった。

でもね、すぐに思ったんだよ。あたしには関係無い、あたしは何も聞いて無いって。

手が、膝が、全身が震えたよ、今あたしは人を見捨てた。あたしは、最低だ。

涙が止まらなかった。どれだけ無関係だ何も知らないって思っても、そのことが頭から離れてくれない。死にそうな気分だったよ。

「どうしたの?」

だからこそ、彼女には会いたくなかった。

「同じクラスの芝多···だよね。何かあったの?」

彼女は優しかった、でもその優しさがあたしには辛かった。

「どっか行ってよ···あたしに構わないでよ···」

「嫌よ」

彼女はあたしを抱き締めた。

「泣いてる子を見捨てられるほど私は大人じゃ無いの。」

心の中の、何かが溢れ出した。

「もう···嫌だよ···なんでこんな所で生きなくちゃいけないのさっ。毎日何かに怯えて、見捨てて、見捨てられて、もううんざりだよ!ねぇ教えてよ、あたしはあと何回見捨ればいいの、何回泣けばいいの。···ねぇ、教えてよ···。」

答えなんて誰にも求めていない、ただ溢れ出したものを誰かにぶつけたかっただけだ。

「もう見捨てなくていい!もう泣かなくていい!私は来たばっかで、ここの事は全然知らない。でもっ、あなたが悲しんでいることと、その悲しませた奴を絶対に許しちゃいけないってことだけは分かる。」

「伊刀···さん···。」

「彩でいい。」

ガンッと何かを殴りつけたような音が響く。

「さっきからうっせぇぞゴラァ」

五人の不良がこちらに近ずいて来た。

「···ねぇ、あなたたち朝に中学生相手にカツアゲなんてしてないわよね?」

彩の表情がどんどん険しいものへと変わっていく。

「はぁ、だったら何だよ。」

「あっそう、やっぱりあんたらなのね。···だったら、いっか。」

その時の事を、あたしはいまだに理解できない。

「がっ」

隣にいたはずの彩が突然消えて、不良が飛んでいく。不良がいた所には彩がいて、その姿は拳を突き出していた。それはまるで漫画でも見ているような光景だった。

次々と飛んでいく不良。だが誰かが呼んだのか、その数はどんどん増えていく。

「どうしよう、このままじゃ···」

「死ねぇぇぇ」

前にばかり気を取られ、後ろにも迫って来ていることに気ずかなかった。

降り下ろされる金属バット

ああ、これはきっとあたしに対する罰だ。

あたしはそう受け入れた。

「ダメだよ。」

だけど、またあたしは助けられた。

「女の子に手を出すなんて、絶対にダメな事だよ。」

もう一人の転校生に。

「えっと、ありがとう···泉君」

彼は優しそうな顔で微笑む。

「いえいえ、クラスメイトを助けるのは当たり前の事だからね。それと、僕の事は誠でいいよ。」

彼と彼女はとても似ていて、正反対な人達だ。

「舐めてんじゃねぇぞゴラァ」

相手が動く前に相手を倒す彩に対して誠は、相手が動くまで動かず、相手の行動に合わせて的確に流れるような動作で相手をいなし、その力に逆らわず投げ飛ばす。そんな、限り無く精練された動きだった。


決して自分を守ろうとせず、ただただ攻める彩と決して自分から手は出さず、全てをいなし守る誠。

二人はその戦い方から最強の『矛』と『盾』、『矛盾』と呼ばれるようになり、あたし達の希望になった。そしてその希望は、一人の男の命の代わりに···死んだ。

やっぱり平和なお話って難しいですね。前回よりも筆が進みませんでした。次回はもっとこう···何て言うか、ボキッとかバキッとかブシャァァァって感じにしたいです♪

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