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神は終わりを好まない

悠希の勝利に思えた最終決戦、だがその時にはもう神の望むものは手の内にあった。

「悠希さん!」


明らかに人間とは思えない異形の怪物、剣の生えた腕、虚ろな目、白い鱗に覆われた身体、だがそれでも弥羽はそれが悠希であると直感した。


急いで駆け寄る弥羽、悠希に反応は無い。


「悠希さんっ、悠希さん!」

「···」


まるで反応が無い。


そんな、どうして···


弥羽はそれの胸に耳を当て、鼓動を確認する。


ドクン···ドクン···


良かった、まだ生きてる。


弥羽がホッと胸を撫で下ろすと、少年がか細い声で笑っていた。


「フフフ···どうやら···今のが、最後の一撃だったみたいだね。···ゴホッ···」


少年はいつ倒れてもおかしく無いぐらいの出血をしながら笑う、まるで自分の欲しかったものを全部手にしてはしゃぐように。


弥羽、こいつを殺せ!今すぐにっ!


「彩···さん···」


様子がおかしい···。


「終わりだ。」


そう言って少年はテツを飲み込んだ。


「···えっ」


骨が砕け、肉が弾ける。もはや人間とそれとは全く異なったその口は味わうようにテツを咀嚼する。


「ア"ア"ア"ア"あ"ア"あ"あ"あ"あ"っ!!」


その口がテツを噛み締めるごとにその断末魔は音色を変え、時折血飛沫が雪よりも細かに舞う。


そして数十にも及ぶ咀嚼にそれはもうただの肉の塊となっていた。

もはやその声が届く事も、彼が助かる事もない。


少年だったものはそれを味のしなくなったガムのように吐き捨てると、今度は彼の下半身を咀嚼し始める。


またも始まった軽快に響く骨と肉のコントラストは少年だったものの傷を癒し、喜ばせる。

だが、その断末魔が聴こえない事に若干の順序ミスを感じながらも、少年だったものは咀嚼を繰り返す。


そしてまた、ガムのように吐き捨てた。まるでそれ自体には価値は無いと言うように。


もはや彼に傷は無く、それどころか段々と大きくなっていく。

例えようもないその姿は見た者にどこか此は神だ、と思わせる何かがあった。


「さあ、ラストステージだ。」

今回は特に悩みました。

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