神は偶然を好まない
過去編の中段と言う感じですね。
彼女達の事を知りたい。
私にとって初めての感情に私は戸惑いました。いつもなら強さと優しさに必要なもの以外は全て捨ててきた私達ですが、それだけは心の奥に残しました。
ですが、まだあの時の私達はそれがあるからと言って何か行動を起こすことは無く、不規則に変わる自分達の規則的な日常をただこなしていました。
それかも何度か彼女達に出会い、公園を清掃し、少しずつ交流を深めてゆきました。
「彩、誕生日おめでとう。これプレゼント」
「えっ・・・あっ今日だっけ?て言うかプレゼント?」
「ふふっ、忘れてたんですか?せっかく一生懸命選んだんですが」
「ゆっ、悠希もっ!!」
あの日は彩の誕生日で、私と誠は彼女の為に選んだプレゼントを出し合いっこしてました。
「ありがとっ、大切にするから」
「ほんとにしてよ?彩はすぐ物を失くすだから」
「わ、分かってるわよっ!」
いつもはすぐ暴力を振るう男勝りな彼女も、この時ばかりは優しい女の子の笑顔を見せましてね。
その表情ときたら、彼女の本性を知らない人ならその場で恋にでも落ちてしまいそうな破壊力がありましたよ。
実際に私も少しは心が揺れました。でもすぐに理性が働きましたし、だからこそ気がついたのかもしれません。
「おや、ここ赤く腫れてますよ。大丈夫ですか、彩」
「あー、ちょっとね」
彼女の右頬、丁度髪に隠れて見えにくくなっている場所が少し腫れていまして、私は心配になりました。
私が言えることではありませんが、ここいらは不良が多いのです。
「今日は少し来るのが遅かったですし。・・・もしかして虐めですか?」
「違う違う、ちょっと気が抜けてたの」
「・・・ならいいのですが」
「あはは」と言いながら首筋を掻く彼女が、私は彼女が何かを隠すときの仕草だと知っている。
こうゆう時の彼女は、何があろうと絶対に口を割ろうとしません。うっかり口を滑らせるほど頭は悪くありませんし。
「・・・あのさ、悠希。こうゆう事、誕生日に言うべきじゃないんだろうけど」
さっきの笑顔が嘘のように彼女は落ちこむ。
「明日から少しの間、会えなくなるかもしれない」
たった一言、それだけで私は身体中の血液が全て抜き取られたかのような感覚に陥った。
「私が何か気に入らない事を・・・」
「悠希は何もしてないっ」
私から見た彼女は、私を嫌っているようには見えない。大丈夫だ、私は彼女に嫌われてないし、優しさを失ったわけじゃない。
私は自分にそう言いきかせました。
「だから、心配しないで。ただ、かもしれないってだけ」
彼女はそう言って、仕切り直すようにプレゼントの入った紙袋を開け始める。
私のプレゼントには彼女に似合いそうな髪飾りが入っており、喜んでくれるか心配だったのだが、会えなくなるかもしれないと言う言葉に何故だか胸騒ぎがした。
会話文が多くなってしまいました、・・・気をつけます。




