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生の義務
身を投げた。
最期に見たものは、どこまでも続く果てしない空だった。その瞬間は、今まで味わったことのない快感で、何もかもから解放された。
誰の目から見ても、ろくでもない人生であっただろう。そもそも、真っ当に生きようなどと始めから考えてなどいなかったのだから、当然である。一度たりとも努力せず、その日暮らしで生きていた。しかし、後悔はしていない。人生など、差し出す労力に対してのリターンがあまりにも貧相なものであるのだから。楽な道だけを歩み、限界を感じたのならばこのようにして身を投げてしまえば、どうしようもなくつまらない人生というものにしては、それなりに上出来なものとして終わることができる。
他者にどう非難されようと構わない、これが俺の決めた人生プランだ。そして、成し遂げた。
これも一つの生き方だろう?