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6.  ? ? ? ? ?

熱い、まるで全身が灼けるようだ。彼女の心臓は今や限界まで鼓動を早め、

全身の血管という血管が膨張し、羽を羽ばたかす度に

まるで沸騰しているかのような熱い血潮が全身を駆け巡っていた。


憎い、奴らが憎い。


私たちが一体何をしたというのだ。奴らの住処を奪ったか。奴らの食い物を奪ったか。

奴らの仲間を殺したか。


確かに今まで幾人か奴らの仲間を突き殺したかもしれない、蹴り殺したかもしれない。

だが、奴らはそれ以上に私たちの仲間を殺してきたではないか。

私の父も兄も奴らに殺され連れ去られた。他にも私が知る限り数え切れぬ仲間達が奴らの手に掛かった。

どんなに苦しかっただろう、

どんなに痛かっただろう、

どんなに無念だっただろう。


奴らは小さき者たちだ。私たちからすれば恐るるに足らない存在だ。

しかし奴らは時によく分からない力を使う。私たちに棒っきれを向けたかと思うと、

まるで木の実を思いきり踏みつぶしたような乾いた音がし、気づいた時には仲間が倒れている。

私も何度か奴らの攻撃を受けたことがあったが、あれは傷口自体は小さく見えるものの、

まるで体の内側をえぐられるかのような強烈な痛みで、それがしばらくの間続く。

まさに地獄の苦しみだ。


奴らに追われ、住処を変えざるをえなかった私には石でできた建物の奥深く、

日の光も差し込まぬ暗黒の地しか安心できる場所は残されていなかった。

しかし、やっとの思いで見つけた安住の地でさえ再び奴らに脅かされた。


そして今日、奴らはついに私の元から大切な子供たちを『2人も』奪っていった。


許せない、許さない。もう我慢の限界だ。仲間と共に復讐してやる。

腕をもいでくれようか、腹を裂いてくれようか、頭を潰してくれようか。

奴らの仲間は皆殺しだ。一人残らず八つ裂きだ。

ああ早く、一刻も早く奴らの血しぶきをこの身に浴びたい。


おお、見よ仲間達よ。奴らの住処が見えてきたぞ。

さあ、我らの宴を始めようではないか。


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