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星霜の彼方へ  作者: 新藤康誠
第一章~すぐそこにある「邂逅」~
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第一話

作者コメント

あんまり文章を書くのが上手じゃないので雰囲気で楽しんで頂ければ結構です。アドバイスもお待ちしております。自分がこういう話が好きだ、という体で書いているので、性に会わない方は多いと思います。昨今の流行り等には一切そぐわないので多少古臭く感じられるかも知れませんが、お付きあいください。また、文章が縦書きで読むように調整して書かれているのでスマホの方は読み辛いと思います。(以後調整を行っていきますが…)僕が使っている作文アプリの設定の関係で一話一話が短いですが、サクッと読める、ということにしておいてください。

夏がもうすぐそこまで来ている、晴れ上がった皐月の空を見上げてそう思った。今は六時間目の現国の時間、誰もが満たされたお腹と柔らかな風に包まれて微睡みに身を委ねている。

 そんな一種詩人的な思考に身を浮かべている彼は特にこれと言った特徴のないーしかし、普通というにはどこかその定義から外れたような印象を受けさせる高校二年生、名前は篠宮奏志。

 そんな彼は今、耐えがたいほど退屈な毎日に辟易していた。別に普通の生活、学校に来て、友達と喋って、遊んで、真面目に授業受けて、バイトのある日はバイトに行く、そういったことが苦痛な訳ではない、それは彼自身が一番よく知っていることであったが、彼は「今」確かに言い様のない退屈さに苛まれていたのであった。しかし、それは退屈さのように見えてはいても、彼がなにか新たな事象の発生を期待していることの証明に他ならなかった。

 「今日の授業は終わりィ!」教師のよく通る声が教室に響く、彼はふぅ、と小さな溜め息をついてから、リュックを背負うと足早に教室を出て、レールウェイの駅へと急いだ。誰かと約束をしていたような気もするが、後で謝ればいいことだ。

 レールウェイに乗っている間、彼は考えていた。自分はこの先もずっとこのような退屈さに苛まれて毎日を過ごすのだろうか?大学に行っても、就職しても…いや、考えても無駄だ、どうせそうなんだから…

 ここで作者である私から一つ質問をさせて欲しい、読者諸君は「日々」に「鮮度」があることを知っているだろうか?知っているか知っていないかはともかく、彼の持論によると、新しい環境になってからの「日々」と言うのは最初の数ヵ月は新鮮で、そのうちすぐに「鮮度」が落ちてきて、また退屈な「日常」になってしまうらしい。

 最寄り駅についてレールウェイを降りてからもずっと彼はその事を考えながら家路を急いでいた。今歩いているこの道だって、さっき見ていた車窓からの景色だって、いつもと同じでただ退屈なだけだ。溜め息で濁した空気を吸い込み、ふと蹴飛ばした石ころを追って、というか半ば突然の予感に打たれて顔をあげる…

 なんて素敵な娘なんだーーーそこにいた一人の少女の姿に彼は息を飲んだ。

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