魔術解説 三章まで
主人公が今まで使用してきた魔術の解説です。読まなくても支障はありませんが、宜しければ暇つぶしにどうぞ。
主人公が使う無属性魔術、死属性魔術の解説です。
魔術ごとに必要な技術力、魔力は異なり、主人公はその時点での技術力が足りない場合魔力を大量消費して補う等無理をして発動させています。
また、それぞれの魔術はスキルレベルが上がる程威力や効果を増して行きます。
・無属性魔術
どの属性の影響も受けていない魔力を使った魔術で、オリジンには存在しない。
どの属性の影響も受けていない魔力を使うため、適性がどの属性でも使う事が出来る。そのため魔術の基本を教授する側も習得する側も都合が良く、魔術師見習いはまずこの魔術を習い魔力を使う感覚と制御法の訓練を行う。
無属性の魔力はどの属性の影響も受けていないため、体外に出ると容易に拡散してしまう。維持が難しく、また術の効果も単純なものしか無く、更に属性魔術を使った方が効率良くより効果的な結果が得られる為、ラムダでは見習いの練習用としか見られていない。
属性魔術を5レベルで習得している一流の使い手も、無属性魔術はレベル1という場合が少なくない。
ただ、無属性魔術を魔術の基本として修練を欠かさない者も少数存在する。
【念動】
・必要技術力 動かす物とその距離と速さによって極小から極大
・必要魔力 同上
魔力で物を動かす術。サイコキネシスに近い。
対象は小石から岩まで物理的に存在する物なら何でも可能で、魔力さえあれば距離も早さも自由に出来る。
だが人間大の岩を一メートル転がすだけで並の魔術師は魔力を切らして気絶してしまうだろう。
動く物にも使えるが、高度な【魔術制御】スキルが必要。
【飛行】
・必要技術力 安全性に目を瞑るなら小
・必要魔力 一秒毎に術者の体重によって小~中 スピードを上げたりや複雑な軌道をすると飛躍的に上昇する。
【念動】の応用。【念動】で自分の身体を持ち上げて移動するため、基本的に危険な術。制御を失敗すると自分で自分の身体を握り潰す事に成る。
また集中を乱すと、頭から地面に激突してしまう場合も多い。
【鑑定】
・必要技術力 小
・必要魔力 小
異世界物でお約束の万能スキル……では無い。
ラムダでの鑑定は、対象について術者の頭の中の情報から結果を出すと言う術で、術者にとって未知の存在を鑑定する場合は、術者の知識から推測を表示する事しか出来ない。
例えば茸に対して【鑑定】しても、術者が茸に付いて無知なら『謎の茸。茸である、菌類に分類される』といった事しか分からない。術者が茸に精通しているなら、近い種類の茸から毒の有無や味、植生を推測する事が出来る。ただし、それが正しいとは限らない。
ただ一度術者の頭に入った知識なら忘れていても表示されるため、脳内辞書として重宝している術者は多い。
各ギルドでは、この魔術を使った試験のカンニングの対策が行われている場合が殆どである。ただし、試験官に気がつかれない程巧みにこの魔術を使えるなら、それは別の意味で優秀さの証明だろう。(少なくとも、【詠唱破棄】スキルを持っている事になるので)
勿論他者のステータスをこの術で視る事は出来ない。例外は術者本人が所有する奴隷、従えている従魔等。
ヴァンダルーの場合は自分の眷属がここに含まれる。
【魔力譲渡】
・必要技術力 小
・必要魔力 小
自身の魔力を触れている対象に譲渡する術。ただし対象に魔力を譲渡出来る割合は、平均して消費した魔力の5%程である。
この割合は対象との相性によって異なり、双子同士の場合100%を超えた場合や、険悪な関係の者同士で行いマイナスになってしまった場合まで存在する。
この相性は生まれつきでは無く、術者と対象の心理状態や関係等によって変化する。そのため、一時期男女の魔術師が相性判断に使用していた。
【魔力弾】
・必要技術力 小
・必要魔力 小~極大
無属性の魔力を球状に圧縮し、打ち出す攻撃魔術。ただ射程距離が短く、弾速も早くないため実戦で使われる事はほぼ無い。相手が自分の得意とする属性に高い耐性を持つ場合、苦肉の策として使用する程度。
本来の威力はやや強いストレートパンチ程度。主人公は一発に一万程の魔力を込めて放つため、そこそこの射程距離と、直撃すればランク3の魔物(ヒグマ相当)なら肉塊に出来る威力を可能にしている。
しかし弾速は遅めで軌道も単純なため、命中させるには工夫が必要。
【治癒力強化】
・必要技術力 中
・必要魔力 中~極大
自己治癒力を魔力で強化する術。ただ他の属性に在る同じ効果の術よりも効率は悪く、普通は気休め程度にしかならない。
主人公はやはり莫大な魔力と、地球やオリジンで手に入れた人体の構造等の医療知識、そして自前の【高速治癒】スキルのお蔭で、この術で十分な治癒効果を出している。
更に、【霊体化】を同時に使用し他人と一部一体化する事で、他人の傷もこの術で癒す事が出来る。
【身体能力強化】
・必要技術力 小
・必要魔力 小~極大
身体能力を強化する魔術。主に筋力に対して使われるが、やはり他の属性の付与魔術よりも効果は格段に落ちる。
ヴァンダルーもこの魔術を使う事は出来るが、実際に使用した事はあまりない。迂闊に使うと、莫大な魔力に肉体が耐えきれず、筋肉が爆ぜ骨が砕けるからだ。
・死属性魔術
先天的にあらゆる属性の適性を持たない者のみが習得できる魔術。「生まれつき他の属性への適性が無い」事が適性と言い換える事が出来る。後天的に何らかの呪い等で属性への適性を失った場合は、習得できない。
オリジン、ラムダ両世界でヴァンダルー以外に適性を持たない属性で、過去に類が無い。
ただし、伝説の魔王グドゥラニスが振るった特殊能力と一部似ているらしい。
【危険感知:死】
・必要技術力 極小
・必要魔力 極小
術者や、術者に近しい者に対して死を齎す危険を感知する術。他者が術者に対して持つ明確な殺意や害意、悪意や、術者のカップに仕込まれた致死毒や、術者の近くにある爆弾等、直接的な危険以外にも、「術者の前を歩く人を狙う、銃を持った殺し屋(流れ弾の危険がある)」等、間接的な危険にも反応する。
距離に関係無く危険を知らせる為、有用な術。
ただ死に繋がらない危険には反応しない。術者の背後に、ただのクリームパイをぶつけてやろうと忍び寄るいたずら小僧が居ても、この術が反応する事は無い。
更に術者以外の死を感知する事に関しては、術者が近くに居なければ完全とは言えない。
【殺菌】
・必要技術力 小~
・必要魔力 小
一定空間内の菌、カビ、麹、ウィルス、バクテリアを殺す術。効果範囲は使用魔力によって拡大する事も可能。又、特定の微生物に絞って殺す事も出来る。(酒蔵で麹に影響を与えずインフルエンザウィルスだけを殺菌する等)
死体等の中に在る微生物を対象にする事も可能だが、生物の体内菌は対象に出来ない。何らかの方法で術者がその生命体と一体化したり、体内を直接調べられるように出来れば可能。
また、魔物化した菌類やカビにはこの術は効果を十分に発揮できず、精々活動を弱める程度しか効果は無い。
【殺虫】
・必要技術力 小
・必要魔力 小
殺菌の効果を蟲に限定した術。術者が虫と認識している生命体を殺す事が出来る。
ヴァンダルーの場合、ダンゴムシやワラジムシ等は甲殻類だと認識しているため殺せない。
この術も生命体の体内に居る虫は殺せず、何らかの方法で直接体内を調べられるようにするか、同化しなければならない。ただ、身体の外から見える状態(眼球の粘膜にいる寄生虫)等は殺せる。
この術も魔物化した虫には効果が無い。ただ、不快な気分には出来る為追い払う事ぐらいは出来る。
【アンデッド化】
・必要技術力 小
・必要魔力 大
死体や無生物に霊を憑りつかせ、アンデッド系の魔物にする術。どんな魔物に成るのかは霊の状態や憑りつかせる物、込める魔力によって変わる。
術の効果だけでは創ったアンデッドは術者に従うとは限らないが、ヴァンダルーの場合は【死属性魅了】の効果で従えている。
【ゴーレム化】
・必要技術力 小
・必要魔力 大
霊を無生物に憑りつかせてゴーレム系の魔物にする術。
実際にはゴーレムではなく、死体の代わりに無機物に憑りついているアンデッドであるため光属性の対アンデッド用の魔術が効く。
尚、ゴーレムが形を変えるのは【ゴーレム錬成】スキルの効果であるため、この術だけでゴーレムの形を操作する事は出来ない。
【鬼火】
・必要技術力 小
・必要魔力 小
周囲の熱を奪う青白い炎を作る術。空中に漂わせて照明にする事が出来るほか、物を冷やす事が出来る。
触れてもすぐに凍傷に成る事は無いが、家庭用冷蔵庫の冷凍室ぐらいの寒さがあるため長時間は危険。
物が燃えている訳ではないので、水をかけても水中に落としても消えない。
【奪熱】
・必要技術力 小
・必要魔力 小
対象から熱エネルギーを奪う魔術。火を消す等の用途に使う事が出来る。生物の熱を直接奪う事は出来ない。
奪った熱エネルギーは消えるだけで、何かに使う事は不可能。
【殺傷力強化】
・必要技術力 小
・必要魔力 小
武器や肉体に施す付与魔術で、生命体(ステータスに生命力が表示される存在)に対する攻撃力を上昇させる術。
対生命体に特化しているため、ただの死体や障害物にこの術をかけた武器で攻撃しても術の効果は発揮されない。
【エネルギー奪取】
・必要技術力 小
・必要魔力 小
かけた物に外部から加わる攻撃力を吸収する付与魔術。運動、熱、衝撃、電気、魔力等、どんなエネルギーでも吸収する事が出来る。そのため物理、魔術、両方の防御力が上昇する。
しかし毒や病気等の、魔力を伴なわない状態異常には無力。更に実は眼球にかけると光エネルギーを吸収してしまうため視覚を失うと言う弱点がある。ただ、【闇視】スキルを持っている場合は問題の無い弱点である。
【消毒】【無毒化】
・必要技術力 中
・必要魔力 毒の強さによる
毒性のある物質を無害にする術。解毒と違うのは、この術は毒そのものを対象にしている点であり、生物の身体に入る前の毒も無害にしてしまえる点にある。
【消毒】の対象は無生物限定で、調理済みネギを犬にとって、蜂蜜を赤ん坊にとって、暗殺者が懐に忍ばせた短剣に塗られた猛毒を生物にとって、無害にする事が出来る。
対して【無毒化】の対象は生物も含まれる。生きているフグや毒蛇、毒蜘蛛、病人を犯す菌やウィルスが出す毒素等を消す事が出来る。
ただ、フグや毒蛇等が毒を溜める、若しくは作る能力を封じる訳ではないので、長く放置しておくと新しく毒を作り、元に戻る。
【消臭】
・必要技術力 小
・必要魔力 小
対象や範囲内の臭いを消す事が出来る。どんな悪臭でも消す事が出来るが、術をかけた後対象が新たに発生させる臭いは、通常通り臭う。
例を上げると、新しく流した汗や、腐敗が進む等。
【生命感知】
・必要技術力 小
・必要魔力 小
範囲内の生命反応を感知する術。ゴーレム等の人工生物やアンデッドの反応は弱く、ステータス上に生命力が表示されない物体は完全に感知されない。
【鮮度維持】
・必要技術力 小
・必要魔力 対象の大きさによる
対象の鮮度を維持する。対象の酸化、乾燥、分解を防ぐ事が出来、この術をかければ天日に干そうが有機物は新鮮な状態を維持する。
ただ炎で燃やす等すれば普通に焼かれるので、無敵に成る訳ではない。
また、生命体はこの術の対象にはならないので老化を止める事は出来ない。例外として髪が荒れるのを予防できる。
【鮮度回復】
・必要技術力 中
・必要魔力 戻す鮮度による
対象の鮮度を戻す。腐敗した有機物を元の状態に戻す事が出来るが、腐敗した事で出来た損傷までは戻せない。なので白骨にかけても元の死体に戻る事は無い。
また、ミイラにこの術をかけても水分をかけながらでなければ効果は無い。
発酵食品にこの術をかけると、発酵する前に戻ってしまう。
【腐敗】【発酵】
・必要技術力 小
・必要魔力 促進させる腐敗や発酵の度合いによる。
対象を腐敗、若しくは発酵させる術。地球やオリジンに置いて腐敗現象と発酵現象に厳密な違いは無く、単に人の役に立つかどうかの違いである事から、この術も厳密に言えば同じ物である。
違うのは【腐敗】は対象を腐敗させる期間や結果に際限が無いのに対して、【発酵】は人に有益な結果を出す期間に限定される。
仕込んだばかりの味噌樽に【腐敗】をかければ、期間を加減しなければ中身の大豆どころか樽が塵に成るまで腐敗を進める事が出来るが、【発酵】の場合はどんなにかけても味噌が出来上がるだけだ。
そのため、【発酵】は発酵食品や、糞尿から堆肥を作る等に用途が限定される。ただ酒の材料にかける場合は環境を整え、加減しなければ発酵が進み過ぎて酢になってしまう。
また【腐敗】は生命体や、腐敗しない物体にかけても効果は無い。
【熟成】
・必要技術力 小
・必要魔力 小
【発酵】の効果を更に限定した術。
肉や魚、果物や野菜を腐らせずに熟成させる事が出来る術。
【老化】【経年】
・必要技術力 小
・必要魔力 中
対象を劇的に老化させる術。ただ効果は術を使っている間しか持続せず、また対象に成るのは触れている部位のみになる。皮膚を老化させるには対象の皮膚の一部に触れれば、全ての皮膚年齢を老化させられるが、骨や脳を老化させる事は出来ない。
【老化】と【経年】の違いは、対象が生物か生物でないかの違いしかない。
また、【老化】させても成長する訳ではないので、子供に【老化】を使うと子供の体格のまま老化する事に成る。
また、【経年】は干し昆布等の作成に使う事が出来る。
【霊体化】
・必要技術力 小
・必要魔力 中
自身の肉体を霊体にする魔術。全身、腕のみ等、霊体にする部分は調整可能。霊体に変化した部分は半透明に成るが、【霊媒師】等の特殊なジョブに就いている者でなくても肉眼で見る事が出来る。
霊体化した肉体は物理的な影響を受けず物質を透過する事が出来、他者が傷つけるためには【武技】や魔術を使うか、銀や、ミスリルなどの魔導金属製の武器で攻撃しなくてはならない。
また、基本的に霊体の形は自分自身を形作るものなので、故意に形を崩す(腕を触手状に枝分かれさせる、頭を分裂させる)と、精神の崩壊や記憶の喪失、発狂などの危険がある。
既に上記の状態にある場合は問題無い。
【若化】
・必要技術力 高い
・必要魔力 大
対象から「老い」を吸い取り、若返らせる術。対象に成るのは術者が触れている部分のみで、全身全て若返らせたい場合は、対象の皮膚だけでは無く骨や内臓、神経にも触れている必要がある。
内臓器官や神経を若返らせ続ければ、理論上不老であり、何百年何千年でも生きる事が出来る。
ただし時間が戻る訳ではないので、記憶を失ったり体格が子供に戻ったりする事は無い。記憶力が戻って過去の出来事を思い出し、骨や軟骨が若返る事で身長が若い時に戻って伸びると言う場合はある。
【毒】【猛毒】【業毒】
・必要技術力 小~高
・必要魔力小~大
毒を作り出す術。指先などから毒物を作り出し、触れている物質に猛毒を含ませる事等が出来る。
名称は異なるが、それぞれの術の違いは作り出せる毒性の違いのみ。作り出す毒の毒性の強さや、効果の複雑さによって必要な魔力や難易度は異なる。
また、術者が知っている毒物しか作る事が出来ない。ヴァンダルーは地球での科学知識と、オリジンでの実体験を主に使って作成している。
また、実はこの術で薬の原料に成る魔物の毒を作り出す事や、麻酔薬、睡眠薬、筋弛緩剤、筋肉増強剤等を作る事が出来る。
【病】【死病】【業病】
・必要技術力 低~高
・必要魔力 小~大
病を発生させる病原菌やバクテリア、ウィルスを作成する事が出来る。指先や、触れている物質にそれらの微生物を発生させる事が出来る。
感染力の強さやその対象、致死率や症状によって必要な魔力や術の難易度は変わる。
全てを自由自在に出来る訳では無く、既存の病原を作る時以外は研究や試行錯誤が必要。又、何より前提として正確な医療知識が必要。
ヴァンダルーの場合は、オリジンで地球より進んだ知識を学んでおり、また多くの死病に感染させられた経験があるため、専用の実験施設が無くても新しい病原を作り出す事が出来る。
【レムルース作成】
・必要技術力 中
・必要魔力 中
ほぼ透明な髑髏の形状をした使い魔を作成する。空を飛び、物理的には存在しないため【実体化】の術をかけない限り無音で移動する。
術者は視覚や五感をレムルースから借りる事が出来、離れていても命令を出す事が出来る。
また、レムルースは自爆命令を受けると自爆し、対象の生存本能に訴える強烈な殺気を放つ事が出来る。
他の属性魔術で作成する使い魔よりも自意識は希薄で、自己判断はほぼ下せない。
因みに、他の属性魔術では使い魔を作成する術は【使い魔作成】と呼称される。この術の名称が異なるのは、ヴァンダルーがレムルース以外の使い魔を作れないため。
【吸魔の結界】
・必要技術力 低
・必要魔力 小~極大
魔力を吸収する黒い靄のような結界を生じさせる術。この結界に包まれると、術者以外は一切の魔力を体外に放出する事が出来なくなる。
また、自分の身を包めば外からの魔術攻撃を完全に無力化する事が出来る。
弱点は物理的な物は一切防ぐ事が出来ない事と、靄が追って来るよりも早く動けば結界から脱出できる事。
例えば、【念動】の魔力で石を撃ち出す攻撃を受けた時、この術では【念動】は解除できでも既に撃ちだされた石を止める事が出来ない。
また、体や武器の内部に魔力を通して発動させる【武技】はこの術では解除する事は出来ない。
結界が吸収できる魔力の量は、術者が使用した魔力の量に比例する。
【停撃の結界】
・必要技術力 低
・必要魔力 小~極大
魔力以外の運動エネルギーを含めたあらゆるエネルギーを吸収する結界を張る術。この術は術者を中心に発動し、内部では術者以外は自由に動く事が出来ない。
【吸魔の結界】の物理Verだが、この術は術者に対してしか使用できないため、防御専門の術となっている。
だが、術者本体から斬り飛ばした腕を【遠隔操作】で操って、腕の周りに発動させると言った応用も可能。
【枯死】
・必要技術力 中
・必要魔力 中
対象から水分を蒸発させ、ダメージを与える術。最終的に死に至るかどうかは、対象の生命力や魔術防御力、生態、すぐ水分を補給できるか否かによる。ただ、この術の攻撃力は低く、瞬時に人をミイラにするには高いスキルレベルと数千以上の魔力が必要。
この術で減少した生命力は、自然治癒では回復しない。水分の補給が必要。又、この術は既に死んでいる物体や、効果は薄くなるが無機物にも使用できる。
生魚を即席の干し魚にしたり、ぬかるんだ道を乾かしたり、そう言った応用が可能。
【治屍】
・必要技術力 低
・必要魔力 治す損傷による
アンデッドや死体用の治癒術。部位の欠損も、欠損した部分を集めたり代用パーツを欠損部位に当てたりする事で、元通りに治す事が出来る。
この術では死者の蘇生等は不可能で、更にあまりに多くの部位が欠損している場合は治せない。
また、種族上治せない損傷も存在する。 首無し騎士の首等
【無治】
・必要技術力 高
・必要魔力 中~極大
対象の自然治癒力、【再生】系のスキル、魔術やアイテムなどの生命力を回復させる効果を無効にする術。
対象が近くに居なければ術をかけられず、対象の回復しようとする力が大きければ大きい程大量の魔力を必要とするが、傷を負った状態でこの術をかけられた対象の多くは出血多量で死ぬ事に成る。
ただ対象の近く(最大でも二メートル圏内)に居なければならないので、あまり実戦的な術では無い。
【可視化】
・必要技術力 中
・必要魔力 小
ヴァンダルーがラムダに転生してから開発した術。本来は見えないはずの霊を、他人にも見える様にし、声を聞く事が出来るようにする。
ただ触れられる訳ではない。
【実体化】
・必要技術力 中
・必要魔力 大
ヴァンダルーがラムダに転生してから開発した術。霊に魔力を注ぎ込み実体化させる事が出来る。ただ、霊である事に変わりは無いので食事などは出来ず、ステータス上も生命力は0のまま。物理攻撃も効かない。
霊も生前のスキル等は使用できず、筋力も平均的な一般人をやや下回る程度でしかない。
尚、この術は本来実体を持たない精霊や悪霊と言った存在も実体化させる事が可能であり、対象が同意するなら一時的に御使いや英霊、神を受肉させる事が可能。
ただし、その場合魔力が数千万から数億必要であるため、ヴァンダルー以外は現実的ではない。
因みに、スキルの【実体化】はスキルの保有者の身に作用する物で、この術とは別物である。
【気配消し】
・必要技術力 小
・必要魔力 小
ヴァンダルーが無意識無自覚に、常に発動している術。対象の気配を消す事が出来る。
殺気や鬼気、覇気と言った類のものを消す為、まるで存在感を覚え無くなる。この術を発動している術者は、他者にとって白昼夢か幻覚のように感じられるだろう。
ただヴァンダルーの場合は【死属性魅了】が術の効果を上回るため、【死属性魅了】の対象内に入る存在には気がつかれてしまう。
【死弾】
・必要技術力 中
・必要魔力 高
生命力を奪う死属性魔術の弾丸。外見は黒い指先程度の大きさの球体で、あまり威力があるようには見えない。しかし、触れた者の生命力を直接奪う効果があり、鎧や盾越しに触れてもその効果に影響を受けない。
弾速と射程距離に優れる、死属性魔術の中では数少ない攻撃魔術。
ネット小説大賞に参加しました。宜しければ応援よろしくお願いします。
1月10に魔物ランク解説 14日に冒険者ギルド解説、15日に四章67話を投稿する予定です。