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四度目は嫌な死属性魔術師  作者: デンスケ
第二章 沈んだ太陽の都 タロスヘイム編
54/514

一章&二章キャラクター紹介

これは一章と二章で出てきた、次章でも登場予定がある主だったキャラクターの紹介を行っています。


ストーリーには関係ないので、読まなくても三章を楽しむ事ができ、その上長いです。ですが、良ければご覧ください。

・ヴァンダルー


 もうすぐ五歳のダンピール。地球での名前は天宮博人、オリジンでの認識番号はD-01。

 オリジンに転生時まだ未発見だった死に関する属性、死属性を操る魔術を習得する。


 人種生まれの従属種吸血鬼とダークエルフの間に産まれたダンピール。

 白い髪に紅と紫紺の瞳のオッドアイ、蠟のように白い肌と言う容姿を持つ。後、髪に隠れて目立たないが耳も尖っている。

 意識しなければ表情を変えられず、声も平坦。瞳も常に光が無く死んだ魚の様で、何処を見ているのか分かり難い。その為、余程慣れなければ何を考えているのか伺う事が難しい。


 生まれつき一億、現在二億を超える魔力を持つ魔力チートだが、使える魔術が無属性と死属性だけであるため、微妙に活かしきれていないと思い込んでいる。


 地球では贅沢アレルギーの伯父に酷い目に遭わされた関係で、贅沢コンプレックスの持ち主。「お金持ちは皆持ってる」と言われると、要らない物でも欲しくなる。更にラムダに来てからマザコンを発症。ダルシアを殺されたトラウマから、異性が虐げられている事に強い殺意を覚える。

 筋肉への憧れや、魔物娘でもアンデッド娘でも気にしない、一度恨んだら晴らすまで忘れない根に持つ性格等業が深く、感情優先で自分の損得を無視して判断を下す傾向がある。


 そしてチョロイ性格の持ち主。


 本人は自覚していないが狂っており、他者を殺し命を奪う事に一切の罪悪感を覚えずそれを疑問に思わない。ただ別に殺人を好んでいる訳でも無い。

 更に家族や友人に対する情は地球やオリジンで恵まれなかった分深いので、その命を大切にする。


 オリジンで和食を初めとした様々な情報を霊達から聞いているが、全て聞いただけの知識であるため再現に苦労する事がしばしばある。


 将来の夢は男性ホルモンの塊のようなマッチョに成り、温かな家庭と恵まれた人間関係を築き、贅沢で安楽な暮らしをする事。

 ただしダルシアの蘇生と復讐の達成が大前提。




・雨宮寛人


 プロローグにしか登場していない主人公と間違えられた青年。

 オリジンでは【全属性適性】(時間属性・死属性を除く)や【無詠唱同時多発動】(詠唱破棄と同時発動の能力の同時使用)等のチートを活かし、転生者達のリーダーとして国際的に活躍中。


 天宮博人の事を「自分と名前が似ている、あの船に乗っていた学生」としか知らず、ロドコルテが勘違いして天宮博人の分もチート能力等を渡した事や、自分達が倒したアンデッドが彼だった事にも気が付いていない。

 成瀬成美とは、やはり天宮博人と勘違いされて礼を言われた後誤解だと判明し、色々あった結果親密な関係に成る。


 因みにイケメン。




・ロドコルテ


 地球、オリジン、ラムダ、その他複数の世界の輪廻転生を司る神。ただどの世界でも信仰されておらず、システムの管理者である事を徹底している。


 彼から見れば各世界の人間達はシステムを流れるデータ、処理されるビットの様な物で、各世界の神は同じ会社に勤めるが地方の支店で働く人と言った認識である。


 そのため基本的には無関心という名の平等で各世界を眺めるが、その彼が初めて世界に干渉しようとした結果この物語が始まった。


 ただ各世界の神にとってロドコルテがする事は「余計な事を」の一言に尽きる。特に法命神アルダにとっては、「たった一人残った管理職として会社の立て直しに尽力していたら、連絡も打診も通知も無く、国から『優秀』と言うお墨付きだけで前歴不明の人材が送りつけられる事に決まっていた」と言う状況である。


 唯一歓迎しているのは『生命と愛の女神』ヴィダぐらい。




・ダルシア


 ヴァンダルーの母親。ダークエルフの女冒険者で、依頼の最中に偶然ヴァレンと出会い一目惚れされ、そして彼女自身もヴァレンに惚れて結ばれる。つまりチョロイ性格の持ち主。

 冒険者としての腕はD級で、精霊魔術と弓術の使い手だった。


 霊体に成ってからは自分が火炙りの刑に成ったからか、それともただの教育方針かヴァンダルーに火を使う事を暫く禁止した以外は、基本的に自由にさせている。

 【死属性魅了】の影響下にあるが、ヴァンダルーが逆らわないため人格はほぼそのまま。つまり息子相手にもチョロイ。


 最初は息子の為にも成仏しようとしたが、今ではその気は無くなり度々アンデッド化を仄めかす様になった。




・【蒼炎剣】のハインツ


 一話当時十七歳、五十一話現在二十一歳。

 平民出の冒険者で、十代の少年でありながらB級に昇格し、二つ名を持ち【五色の刃】のリーダーを務める。

 正義感が強く、信じる力と仲間との絆があればどんな壁でも乗り越えられると言うのが信条。


 ただ二話終了時、ダルシアの我が子を守ろうと拷問に屈せず、火炙りの刑に公開処刑にされても最後まで悲鳴一つ上げなかった姿に、それまで正義だと信じていた法命神アルダの教えに疑問を抱き、思い悩むようになった。


 現在はA級に昇級し、パルパペック伯爵の誘いを断りオルバウム選王国で活動している。



・ボーマック・ゴルダン


 法命神アルダの熱狂的信者で、高司祭。既に老齢ながら第一線で戦棍を振るう吸血鬼ハンター。

 今まで何人もの吸血鬼を討伐し、下手なB級冒険者を上回る戦闘能力を持つ。その功績からアミッド帝国のアルダ大神殿から枢機卿に幾度も推挙されるも、現場に拘る現場第一主義。


 吸血鬼だけでは無く邪悪なヴィダの新種族を根絶やしにし、法命神アルダによる秩序に満ちた世界の実現こそが、全ての救済に繋がると信じている。


 密林魔境の討伐隊に加わった当時に主人公の生存を知り、境界山脈の向こうに逃げたと解ってからは二度も討伐し損ねた事を生涯の悔いだと思い、三度目の機会がある事をアルダに祈っている。




・骨人


 ヴァンダルーが産まれたエブベジア近くの森で死んだ鼠の霊を、何故か転がっていた人骨に込めて作られたアンデッド。当時はただの手駒の一つでしか無かったので、名前も単純に骨人である。


 忠実な性格の持ち主で、鼠ながら剣や盾、弓の扱いを覚える等天才的。鼠にしては。

 タロスヘイムでヴァンダルーから霊体を追加移植され、人間並みのキャパシティを得て会話する事が可能に成った。


 ヴァンダルーの第一の騎士を自称しており、アンモナイトにライバル意識を燃やす程騎士道を意識している。

 猫が苦手だが、ヴァンダルーから理由も無く殺したり傷つけたりしない様にと言われているので自分から手を出す事は無い。


 五十一話終了時、ランク5のスケルトンバロン。身体を構成する骨は、人骨の形に加工したアースドラゴンの骨で、見た目以上に固い。




・ボーンキマイラ(クノッヘン)


 骨人と同時期に作られた骨猿、骨狼、骨熊、骨鳥が融合して産まれたランク7の魔物。名前もその後改められ、ドイツ語の骨を意味するクノッヘンと成った。

 性格はやはりヴァンダルーに忠実で、好きな遊びはヴァンダルーにフリスビーを投げてもらう事と、投げて取って来てもらう事。




・サム


 生前は在る貴族の家で馬番兼御者として働いていたが、暇を出され新天地に向かう途中山賊に襲われ、目の前で娘達を辱められ、最後は全員殺されてしまったと言うハードな過去を持つ。

 自分達の仇を討ってくれたヴァンダルーを新たな主人と定め、忠誠を誓う。


 現在は馬車に宿り、ブラッドキャリッジと言うアンデッドと化している。ただ優れた御者だったためか、通常のブラッドキャリッジとは比べ物にならない快適な乗り心地を提供してくれる。

 本体は馬車だが、高い【霊体】スキルのお蔭で荷台に青白い肌と紅い瞳以外は生前と同じ姿の分身を出す事が出来る。食事も可能。


 趣味は自分の車輪で生き物を轢き殺す事で、弱点はリバーシ。娘達相手に連敗記録を更新し続けている。




・サリア


 サムの娘。山賊に辱められた後、妹共々生きたまま焼き殺されてしまったメイド少女、

 現在はマジックアイテムのハイレグ型アーマーに宿り、リビング・マジックハイレグアーマーと成っている。

 少し前まで肉体も何も無い鎧だけの状態だったが、【霊体】スキルを獲得したため、姿を見せられるようになった。


 ただその姿は輪郭も何も無い棒人間っぽい靄→ミステリー漫画で犯人を描写する時に使われる年齢性別不肖のシルエットと、とても人間に見えない段階。勿論、色気も何も無い。


 性格は妹と違いしっかり者気質。しかし武器にハルバードを選ぶ辺り、豪快さも持ち合わせているようだ。

 最近習得した【遠隔操作】スキルがお気に入りで、修練に勤しんでいる。

 妹が思い出したようにヴァンダルーを誘い、断られていじけて見せる言動を冗談だと思っている。


 将来の夢は、屋敷の汚れも主人の敵も掃除できる惨殺メイド。



・リタ


 サリアの妹。姉同様ハードな最期を遂げたメイド少女。

 現在はマジックアイテムのビキニ型アーマーに宿り、リビング・マジックビキニアーマーと成っている。

 【霊体】で出せる姿は姉同様。


 性格は明るく茶目っ気があるが、実は黒いタイプ。グレイブを武器に使っているのは強そうだからと言うシンプルな理由である。

 主人であるヴァンダルーを誘うのは、半ば本気。自分を襲った山賊達が獣に近いと言う意味で「雄」だったので、正反対の見た目の彼を好んでいる。


 だから【霊体】スキルの上昇を目指しているが、生前の自分の姿を忘れているため日夜「私は美人、私はセクシー」と自己催眠にこっそり励んでいる。




・ザディリス


 現在二百九十三歳のグールの最長老。ただヴァンダルーの【若化】によって、肉体年齢は外見年齢にほぼ等しくなっている。外見は小柄な美少女で、一人称が儂、語尾にのじゃと付けるが、外見に引っ張られているのか実年齢程精神年齢は高くない。


 ジョブチェンジできずスキル補正が無い状態で努力を重ね、グールメイジにまで至った努力の人。


 ヴァンダルーと出会って若返りや種族的問題だった少子化問題の解決、故郷から逃げ出す羽目にはなったが結果もっと住み心地が良い住処に、充実した食生活に入浴に、更にジョブチェンジしてグールハイメイジにランクアップと良い事尽くめ。

 初孫の顔も見られてホクホクしている。


 その分ヴァンダルーには恩義を感じており、彼がオルバウム選王国で手柄を立てる為冒険者に成ったら、テイムされている従魔として付いて行けるように、後進を代わりのメイジにするため指導を行っている。


 最近のお気に入りは公衆浴場の脱衣所に設置されたマッサージゴーレム。




・ヴィガロ


 元グールの若長で、現在のタロスヘイムではグールの戦士長をしている。


 グールの女性陣にはとてもモテ、若い男衆には尊敬されるリア充。ただ巨人種アンデッドの女性にも誘われた事があり、色々と大丈夫かとヴァンダルーに相談して困らせた事がある。

 性格は脳筋気質だが、自分では分からない事は頭が良い仲間に助言を求める等柔軟さを併せ持つ。


 ヴァンダルーの兄貴分を自認しており、同じく自認しているボークスとはライバル関係にある。


 因みにザディリスと関係があった過去があり、その際バスディアが産まれている。しかし結婚制度が無いグールの文化しか知らないため、「昔は昔、今は今」と考えている。

 バスディアに対しても他の女性陣よりは構うが、我が父親だと主張する程では無い。


 昔の好物は人肉だったが、今の好物は蜂蜜をたっぷりかけたドングリクッキー。




・バスディア


 ザディリスの娘。現在はランク5のグールアマゾネスにランクアップしている。

 外見は二十代半ばから後半の美女で、百九十センチの長身に鍛えられた筋肉が付きつつも女性らしい豊かな曲線を持つ。全身に走る赤い文様がタトゥーのように見え、カッコイイとヴァンダルーには好評である。


 初めて妊娠した時の年齢に外見が固定されると言うグールの特性上、不妊に悩み焦っていたがヴァンダルーのお蔭で無事妊娠、出産。ジャダルと言う娘を現在育てている。

 因みに、父親は不明。


 ヴァンダルーを出会った時から気に入っており、大人に成ったら第二子の父親に成ってもらう約束をしている。


 好みのタイプは強い男で、性格も強さを追求する部分がある。

 度々ヴァンダルーに子作りの事について言うのは、実は時々主張しておかないと女では無く姉代わりと認識されるのではないかと言う危機感の表れである。




・ビルデ


 グールの女性。十代後半から二十歳程の外見の、ショートカット美人。

 彼女がきっかけでヴァンダルーはグールの少子化問題に気が付いた。そして死属性魔術の施術を受けたグールの中で最初に新生児を出産した女性。


 性格は明るいお姉さんと言った感じで、実力的には極普通のグール。ただ周囲のグールが実力を高めているので、相対的には下の方。ただ、今まではあまり気にせず子育てに専念していた。

 最近はママ友と協力し合って、娘のヴァービの面倒を見ながら魔術の訓練を一日数時間している。




・タレア


 元人種で、魔物の素材から武具を作る武具職人の長女でありながら家族に売られ奴隷に成り、娼婦として働くも未来の見えない生活に自棄に成って客を殺して逃げ出し、追っ手を撒くために魔境に入ったらグールに捕まってグールにされてしまったと言う、ハードな人生を歩んできた。


 しかし、グール化後武具職人の技術を生かして武具を量産、娼婦としてのテクニックで男性陣を籠絡、その技術を女性陣に伝授して群の頂点に君臨するまでに至った、逞しい女傑。


 縦ロールの髪型に扇子にと、上品ぶった口調で話し優雅な仕草をしてみせるが、実際は平民出なので全てそれっぽく見えるだけ。ヴァンダルーに次ぐ贅沢コンプレックスの持ち主である。

 上昇志向が強く、ヴァンダルーに何故か王の器を見ているので取り入る事に余念がない。そのためザディリスやバスディアをライバル視している。


 自分を殺そうとした従属種吸血鬼をヴァンダルーが滅ぼした事等を聞いて、ますます入れ込むようになった。


 最近【若化】が完了し、見た目と同じ二十歳前まで肉体年齢は若返っている。公衆浴場での入浴がお気に入り。


 因みに、五十一話現在登場人物の中では一二を争うバストの持ち主。争っている相手はバスディアで、ここにダルシアが加わると三巨頭と成る。

 四位がエレオノーラとメメディガで、五位以降がビルデやカチア等がドングリの背比べ、その後にザディリスが続き、最後にリタとサリア(無)と成る。




・カチア


 元D級冒険者で、ブボービオに生け捕りにされ専用の母体として凌辱され続けたと言うハードな過去を持つ。

 その後ヴァンダルー達に救出され、生きる事に絶望し死を望んでいたため【死属性魅了】の効果対象に入り、グール化を選んだ。


 他の冒険者仲間に比べて伸び悩んでいた事に焦り、グール化した後も焦っていたがヴァンダルーに相談に乗ってもらい解消。現在はグール化して上がった筋力に慣れつつ、魔術の修行をしている。




・ブラガ


 ブゴガン率いるオークの集落に囚われ母体にされていたグールの女性とゴブリンの間に産まれた、ブラックゴブリン。当初は生まれながらに奴隷に成る筈だったが、ヴァンダルーに母親の胎内にいる時から色々と世話を焼かれたり、死属性の魔術を浴びたりし、産まれた後も通常のゴブリンよりずっと賢くて性格が良かったため、他の仲間共々コミュニティの一員として迎えられる。


 産まれて二年ほどだが、既に大人になって一人暮らしを始めている。母親との仲も良好で、時々獲物の肉を持って訪ねている。


 巨人種アンデッドのズランから斥候職としての手解きを受け、ヴァンダルーからニンジャの話を聞き、ラムダ初のニンジャを目指して修行中。

 同じ新種仲間のアヌビスのゼメドとメメディガ、オーカスのゴーバと特に仲が良い。




・トーマス・パルパペック


 ミルグ盾国の軍務卿を務めていた伯爵。【悦命の邪神】ヒヒリュシュカカを奉じる吸血鬼達の内原種吸血鬼グーバモンの派閥と繋がっている。

 三十代半ばで才能豊かな人物。どんな手段を使っても、それを補って余りある結果を出せればそれで良いと考えている。吸血鬼とのコネクションも、その手段の一つである。


 間接的にダルシアを殺す事に手を貸しているためヴァンダルーから恨まれているが、彼はヴァンダルーの情報はグールを数百匹従えている事と、霊が見える事しか知らないため特に脅威だとは思っていない。


 同じくヴァンダルーにとって仇である元【五色の刃】の【緑風槍】のライリーを囲い込んでいる。



・ヌアザ


 タロスヘイムのヴィダ神殿で神官戦士見習いをしていた、若き少年。死後、レッサーリッチと化し骨と皮だけのミイラ染みた姿に成ったため、一見すると老人に見える。

 ただし当時は魔術よりも物理で殴った方が強いと言う、リッチらしからぬ存在だった。


 生前はそこまででは無かったが、アンデッド化後神託を受けた事で熱狂的な宗教人と化した。そして宗教の力で巨人種アンデッドの中でも主要人物の一人となる。

 ヴァンダルーを神託の御子、更には吸血鬼の真祖の生まれ変わりだと思い込み、改めようとしない。


 ヴァンダルーとの修行によりランク5のリッチに至り、ますます熱狂具合を強めている。




・ボークス


 生前はA級冒険者で、【剣王】の二つ名を持っていたがアンデッド化した事で弱体化し、今ではランク9のゾンビヒーロー。

 三メートル強の肉体と、片側が頭蓋骨だけに成った禿頭と言う特徴的な姿をしている。


 荒っぽいが面倒見の良い性格で、大酒飲みの大食らい。巨人種の男性像を体現したような人物で、生前から周囲に慕われていた。ただ娘がおり、彼女の前ではただの親バカと化すらしい。

 アンデッド化した事で、自分が殺した生き物の肉をバリバリ喰らうだけで経験値が稼げるため、ゾンビも悪くねぇなと思っている。


 ヴァンダルーの兄貴分的ポジションをヴィガロと取り合っており、頻繁にヴァンダルーをタロスヘイムの玉座に座らせようとしたり、手首しか残っていない第二王女ザンディアと本人に無断でくっつけようとしたりと、色々と分かり易く画策し、それを悪びれもしない。




・パウヴィナ


 生命属性魔術師の冒険者ルチリアーノが、オークの集落を偵察するライフデッドを作るためにバルチェス子爵が用意した新鮮な女の死体の霊。

 名前不明前歴不明。本人も前世の事はほぼ忘れている。


 その後ヴァンダルーによって、ノーブルオークハーフとして転生。前世の肉体の面影を残しつつも、金色の髪に豚の耳と尻尾を持つ姿で生まれて来た。

 五十一話現在で一歳と半年前後。しかしノーブルオークの血が混じっているためか成長が早く、三歳か四歳程に成っている。


 ただし身体の大きさは既にもうすぐ五歳に成るヴァンダルーを超えており、このままのペースで大きくなれば最低でも二メートルは超えるだろうと推測される。

 ただ性質的にはダンピール同様人に近い為か、ステータスにランクは存在しないようだ。


 ヴァンダルーに懐いており、彼に高い高いをするのがお気に入り。




・エレオノーラ


 貴種吸血鬼でランク8のヴァンパイアバロンの、二十歳程の美女。百七十センチ程の長身に赤毛を伸ばした、一見キツそうに見える美貌と、メリハリの利いたスタイルの持ち主。


 人種時代は物心つく頃に家族に売られ、当時色が黒く買い手も付かなかったため鉱山に売られ、そこを偶然時属性の適性を見出されてビルカインに拾われ、似たような境遇の子供達との過酷な競争に生き残った結果貴種吸血鬼と成った。ハードな前歴の持ち主。


 吸血鬼となってからまだ十年と経っておらず、それでも固有スキル【魅了の魔眼】を獲得し、吸血鬼化後百年以上経っているセルクレントを実力で抜く等才能豊かな人物。

 性格は冷静な合理主義者だが、本質的には臆病な性格の持ち主。


 【死属性魅了】の影響下にあり、更に魂を砕く事が出来るヴァンダルーを世界で最も恐ろしい存在と認識し、その支配下に加わる事で安心を得ようと考えて、寝返る。

 あまり自覚は無いが依存心が強く、外見に反してMっ気がある。舌に嵌めた忠誠の証しであるピアスをヴァンダルーが外そうとすると泣いて嫌がる。


 スキル構成上戦闘員としてよりも、潜入工作等の方が得意。

 また吸血鬼としての親である原種吸血鬼ビルカインによって急造された貴種吸血鬼なので、通常なら獲得しているスキルを獲得していない。




・ビルカイン


 十万年以上生きる原種吸血鬼。法命神アルダに敗北した女神ヴィダと吸血鬼の真祖を見限り、【悦命の邪神】ヒヒリュシュカカを奉じ、邪悪な陰謀を巡らし悍しい快楽に耽っている。


 その姿は爽やかな好青年で立ち振る舞いは品が良く、牙を見せなければそのまま青年貴族で通用する。実際、普段の言動は他の原種吸血鬼達よりも真面で、年一回開かれる集会にも欠かさず顔を出して場を纏める事が多い。

 しかしその本性は独占欲と支配欲が強く、更に激しい癇癪持ちで一度怒り狂うと最長で十日以上手当たり次第に暴れ回る等、手が付けられない。


 主な趣味は拷問だが、人材の発掘と育成そして育てた優秀な人材を自分の手で徐々に壊す事を何よりの楽しみとしている。その関係で何人もの奴隷商人や、幾つかの孤児院がそうと知らずに彼の支配下にある。


 ヴァンダルーにお気に入りの玩具エレオノーラを盗られて激高したが、暴れた後はすっきりしたため恨みは覚えていない。それよりも何故邪神が態々神託を下してまで殺させようとするのか、興味深いと好奇心を刺激されている。



・テーネシア


 原種吸血鬼の一人。その姿は二十代半ば程の、整った美貌と過剰な色気を放つ美女だが、はすっぱで粗暴な言動から場末の娼婦のような印象を持たれる事が多い。


 そして言動通りに短気で粗暴な性格をしている。冷静になれない訳ではないが、必要性を感じない限り感情を抑えない。そのため、三人の原種吸血鬼の中で最も頻繁に部下を処分している。


 【悦命の邪神】から得た加護により、死体をアンデッド化させ支配する事が出来、それに優越感を覚え趣味どころか既に依存症の域に達している。

 最近のテーマは親子や家族で、双子の兄弟や姉妹の死体を縫い合わせて一匹のゾンビにするなど邪悪な趣味に耽っている。


 最近はグールの灰褐色の肌を自分の作品に活かせると、歪んだインスピレーションが閃いた。




・グーバモン


 原種吸血鬼の一人。その姿は大きい目をギョロリとさせた、豊かな髭を蓄えた枯れ木の様な老人。

 その見た目通り異様な人格の持ち主で、自分の趣味以外に殆ど関心を示さない。そのため部下の管理が杜撰で、ダンピールであるヴァンダルーが生き延びる原因の一つに成った。


 ヴァンダルーの父親、ヴァレンを従属種吸血鬼にした人物で、昼間も動ける工作員として便利に使っていた。ただやはり管理は杜撰で、ヴァレンがダルシアと駆け落ちするまで二人の仲に気が付かないどころか、警告する他の部下を「趣味の邪魔をするな」と話を聞かずに殴り殺す始末だった。


 ただその趣味の邪魔さえしなければ部下に対して無関心なので、彼の派閥は最も生存率が高かった。……最近までは。


 英雄の死体でアンデッドを作りコレクションする事を一生の趣味としており、タロスヘイムの英雄の内【聖女】ジーナや【小さき天才】ザンディアの死体を奪い、アンデッドにしている。

 ヴァンダルーも殺した時は死体をアンデッドにしたいと考えている。

【緑風槍】のライリーは三章で出番が多いので、その登場をお待ちください。


三章が始まる五十二話は、11月23日に投稿する予定です。

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― 新着の感想 ―
[一言] 作者としては独自色を出したい思いがあるとは思うけど、耳慣れない名前は憶えづらいなーと思った。名前は生活に根付いたものである事を改めて認識できた。
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